五年前 殺人し国外逃亡した男が帰国する
取り調べにあたった西川に 容疑者の船田は「やってない」と言い抜けようとする
西川の友人でもある沖田が調べる事件と交差し やがて全体像が見えてくる
太平洋戦争末期 アメリカ軍が迫り サイパンの民間人も軍人も追われ 殺されていく
その中で民間人を守り 少しでも敵国アメリカに一矢報いよえうとした大場栄大尉
もう誰も死なせたくないーそんな彼の思いは戦場にあっては空しいものなのだろうか
日本の軍人は決して非情な鬼ばかりではない
終戦のどさくさに火事場泥棒のように掟破りに領土取り込み 多くの日本人を虐殺し 連れ去り死にいたらしめた北の大国がある
今まで様々な名目で日本から巨額をせしめながら
あれは自分達の国のもんだから返さないもんね~と威張ってる恥知らずな国
あちこちから日本の領土は狙われている
それでも政治家達の目は誰が権力を握るかに向けられている
覚悟とは軽々しく口にして良い言葉ではない
かつての日本人に比べ ただ現在の日本の政治家は いったいーと思ってしまうのだ
エイミーは美男のロバート・ダドリーと結婚する
だがロバートは幼なじみである女王エリザベスに心を移し 王となる野心すら抱き始める
その存在が英国を脅かすと感じたセシルは 非情な手段に出る
権力 王座
ひたすら夫を待ち続けたエイミー
小説は何処で筆を置くかが難しい
なんとなく中途半端な終わりかたのようにも感じられた
また次の時代へと 新しく物語が書かれるのだろうか
女は一人の人間を見守り続けた
女は 眠り続ける少年を守る為 ある決意をし行動に出る
現時点2011年においては小説の中の時間は未来
けれど当然ながら 小説の中の時間は数年後には過去になる
東城大学病院の高階院長
田口 藤原看護師 猫田看護師
いつか彼らも海堂作品から消えるのでしょうか
問題提起しながら 禅問答のようでもあり
また生きること
生き抜くことへの讃歌 励ましのようでもあり
読み手の思い入れで いかようにも読み 感じ取ることができる一冊です