夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

連休はゆっくり過ごせました

2019-11-04 22:45:59 | 子供のこと身辺雑記
朝晩ちょっと冷えるようになってきたので さすがに扇風機とストーブ入れ替えて 炬燵布団出してーと連休を当て込んでいたら

日曜日の午後 応援に主人が来てくれました
扇風機を外の倉庫に仕舞って ストーブを出すのは主人に頼んで
長男に手伝わせて二部屋ぶんのホットカーペット出して こたつ布団をかけて

炬燵がある部屋は長男が起きている間 好きに使っているので

ついでにいつもよりは丁寧に掃除機かけて

たかがそれだけで 疲れたので主人が帰ってから 食事の段取りだけして暫く寝てました

温めるだけにしておいた夕食を長男に出して
犬さん猫さんのことをして

ちょっと起きていられなくて 観たいドラマは録画かけて 再び横に

次に目覚めたら 長男が風呂を済ませていたので
私も入浴して ちょっとだけ起きていて じきに休みました


月曜日は主人が仕事が休みで姑の家に居るので 出掛けなくてよくて♪

明日が病院行きなこともあり 自分が好きなことをして過ごしました










休日はたっぷりコーヒーをいれて

豆からひける電気のもあるのですが 面倒でーー;
(買い替えたのは いいけど 使用説明書読んでて 使うのイヤになった私・笑)

お湯かけるだけの こっちのが楽だわと






先日 信号待ちの間に川にたぶん鷺がいて 綺麗だなと思って撮ったのですが 遠すぎました


「よたばなし」 -26-

2019-11-04 12:20:25 | 自作の小説
闇に消える・5



ー追想ー

桂一郎は家族と同居だ だが元は貴水だったモノに噛まれてからは そのまま鳴海隆一の家で暮らしている

もしも化け物化して自分の家族を襲ってはーそういう心配はまだ消えない

見かけは女の橘緋真理(たちばな ひまり)と男二人の同居生活が続いている

緋真理は自分には関係ないはずの 鳴海の家の仏壇に線香あげたりもする

緋真理が作る焼き飯は 不思議なことに鳴海の祖父がこしらえたものと同じ味がした

「料理できるんだ」と驚く男二人に
「人間の中で生活したこともある うまいと思ったものは自分で作るしかあるまい」


「じいちゃんが作ってくれた焼き飯と同じ味だ」

「そうか」緋真理が笑う


同居生活はのどかな時間もあったのだ

やがて終わりはやってくる


追われるモノは自分を追いかけてくるモノを 逆に捕えようと考える

殺(や)られる前に殺⦅や⦆ってやると


夜は化け物の得意とする時間だ
異形の姿も人の目に付きにくい

何か見ても目の錯覚と思う人間もいる

化け物は闇に隠れ 餌を待つ

それは本当に餌だったのか

それともー



夜の山道を鳴海は走っていた・・・

夜になれば街中でも出歩く人が減っているのに

誰が流したのか 夜出歩けば「喰われる」という噂話が囁かれるようになってきていて

餌が無ければ化け物は飢えているだろう

山道を走る鳴海は さぞや美味しそうに見えたのではないか


ずばばっと ソレが現れた時 鳴海はぎょっとした
そういう見かけであると 全く想像したことが無かったからだ

追う側の緋真理がとても美しいので・・・こんなモノが大元であるとは想像していなかった


てんでばらばらのものが合体したような ゴミの山みたいなのが近付いてきている
口が幾つもあった

ネズミの尻尾 鳥の嘴 あちこちに人間の顔らしきもの 眼玉 歯 牙

突き出た腕 醜悪な上にソレはでかかった

ソレが軋んだ声で喋る「もらったぞ」


幾つもある口が涎をこぼしている

化け物の名に恥じぬ醜さだ

ソレが持つ全部の口が大きく開いた

吐き気のする臭いが漂う

その口の一つへ鳴海は持っていた袋を投げ込む

ぎゃしっーソレは袋を噛み破り 袋の中身を呑みこんだ


逃げながら鳴海は ソレが口を開けるたびに袋を投げ入れていく

悪夢として夢に見るだろうな コレに追いかけられたことはー
などと鳴海は考えている

「なんだお前は 何をしている」
ソレが怒った声をあげる


夜の闇を裂いて火矢がソレめがけて飛んできた
続けて二の矢も放たれる


射ているのは緋真理

ソレが叫ぶ「お前は お前が! お前か」


「人間だった頃には美青年だったのに  その姿がお前がなりたかったものなの
欲しかった力なの
ただ食べ続けることが」


「黙れ 黙れ ちゃんとしたモノを喰らえば 俺はもっと強くなる 優れた存在になれるのだ」

冷たく緋真理が言う
「無理よ お前は力を求めて 自分を仲間にしようとした
いわば親を喰らうという掟破りをした
タブーを犯したモノには天罰が下される

喰らい続けずには居られない化け物に相応しい食い意地のカタマリの見かけはね 崩れてゐくのみ」


「うるさい うるさい うるさい そこの男にも力を感じるぞ
そこの男もお前も全部喰ってやる
そして俺は相応しい力を手に入れるのだ

皆が俺をおそれ 俺を怖がり従う世界にすれば良いだけのこと」


動く生ゴミ化け物は半分燃え上がりながら大きく口を開ける


その様子を眺めて鳴海は感想を漏らす「しつこいな」


幾つもの口が全開になる
ぶすぶす燃えかけながら ソレは動く
ぶくんと膨れ上がり緋真理に向かうと見せかけ 驚きの速さで鳴海に襲い掛かってきた


瞬時に鳴海の前へ移動し庇い立つ緋真理


「なんでそ奴を庇う むかつくぞ そ奴に庇われるどんな価値がある」

怒声と共にソレは緋真理を呑みこもうとした・・・


その時 何が起きたのか
ソレにも緋真理にも理解できなかったかもしれない


緋真理と体の位置を入れ替えた鳴海
彼は何をしたのか

ソレにはその身中に細かい亀裂が入り 全身に震えが走り軋み始めている

ソレは濁った声で言った
「お前の連れになりたかった 美しいお前  どうして連れにしようと思ってくれなかった
お前にとっての特別な連れになりたかったのに」

人間であった頃 美青年としての自分への自惚れもあったソレ
自分に心動かさない緋真理が悔しくて それでも惹かれて欲しくて

「お前は 私の永遠ではないからだ」

顔色一つ変えず冷たい緋真理の言葉

「永遠・・・」
ソレは燃え上がりながらバラバラとなり崩れ落ちる
残るは黒い灰ばかり

呆気ない幕切れだった


鳴海は地面に片膝ついている

「お前 あんな技が使えたのか」

「女に庇われっ放しでたまるかよ そんなのは男じゃねえ」

鳴海とて自分にそこまでの力があると知っていたわけではない
死んだ祖父が昔 見せてくれたのだ

武器は腕の延長
その先へと 念を飛ばすこと

「じいちゃんには及ばないー」
鳴海の言葉に 緋真理の答えは「いや 相当のものだと思うぞ」


緋真理の言葉の何かが鳴海に思わせるものがあった

「あんた もしやじいちゃんを知っているのか」


「強い人間に出会ったと言ったろう お前の祖父に私は助けられた」


絶句する鳴海へ更に言葉を続ける緋真理
「私はお前の祖父にふられたのだ

幾度か未練がましく誘いにいったのだがな
永遠では無いーそう言われてしまった

お前の祖父はお前の祖母にめちゃ惚れで・・・それはお前の祖母が死んでからも微塵も揺るがず

人間のまま死ぬことを選んで死んでしまった」