闇に消える・6
「私と生きてくれないか もしもお前が心の底から 私と一緒に居たい 同じモノ(存在)になりたいと願ってくれるならー」
「もし心の底からは 願わなければー」
「もう 私はひとりきりだ たぶん永遠 いつか何モノかに喰われるか 滅ぼされるまで 彷徨い続ける・・・」
ー追想ー
ガソリンをしこたま喰らって 緋真理の火矢で射られ 鳴海隆一の謎の気まで浴びて 燃え崩れた化け物の残骸処理
もう影響受けて化け物となったモノが居ないか調査してどうやらどうやら大丈夫らしいとなり
桂一郎も心配ないようだとなった頃・・・
鳴海はあらためて緋真理に祖父との関わりについて尋ねた
「私が何者かもわからない時に出会ったんだ
自分と同じ存在を捜していた頃にー」
緋真理は遠い目になる
彼女ーと呼んでいいなら現在は緋真理と名乗っている者はその頃 名前すら無い存在で 自分が何者か知りたくて
自分と同じモノを捜していた
人ではない異端
人を喰らう化け物の群れと 人々を護りながら戦っていた男
「あれは やはり恋だったんだよ お前の爺様は 恋ではない 永遠ではないと言ったけれど
私は認められたくて しなくてもいい無理をしてー
倒れてしまった
お前の爺様は自分の腕に傷つけて この血を飲めーと言った
他に滋養になるものあれば それを勧めたのだろうが
そこには何も無くて 化け物の群れに囲まれていた
その頃の私は戦い方もろくに知らなくてー
お前の爺様はどうしてか 私が人ではないと気付いていて
ここで私が斃れても 自分には助ける余力がない
だから斃れられては困る
これは 私の為でなく自分の為だ
なんて言うんだ」
目の前の腕から滴る血に怯む
「それを飲んで 私が 私ならぬモノになることだってー」
ところが男は言ったのだ
「その時は俺が呼び戻してやる ちゃんと戻してやる だから安心して力をつけろ
お前は大丈夫だ お前は崩れない」
何を根拠に言ったものか
「覚悟を決めて 私は腕の傷に口をつけた 熱い血を飲みこんだ
その血は 私に力をくれた
あれは不思議な感覚だったー」
緋真理は願った 懇願した
一緒に生きてほしい
不安なのだ ひとりは孤独なのだと
「そう あの頃の私は弱かった」
ーいいやーと男は言った
「その申し出は嬉しいが 俺には もう決めた相手がいる
お前には別の永遠の相手がいるさ
その相手を見つけてやれ」
「そう 前にも言ったろう 私はフラれたんだ
お前の爺様は 時々なら会いにきていいと言ってくれた
親友だろうと 頼れる相棒だと
だから 寂しくなりすぎると 私はお前の爺様に甘えに来ていた」
このまま死ぬより 自分と同じモノになってくれ
どうにかして そのやりかたを見つけるからー
そうも言ったけれど
ーそれは自分の運命じゃないー
「最後までフラれっぱなしだ
惚れた男が育てた孫息子
どんな人間になるのか
気になるのは 未練っていう奴かもしれない
また化け物絡みとなるとは思わなかったがー」
橘緋真理と名乗ったモノが居なくなってから 桂一郎は鳴海隆一から緋真理と隆一の祖父との関わりを聞いた
やがて大学卒業後 就職し 数年経ち
鳴海隆一は ふっつりと姿を消した
その噂を聞いた時 何故か桂一郎はこう思った
ー連れて行かれたー
自分の永遠を捜していた緋真理
彼女は鳴海隆一の中に その捜していたモノを見つけ
その誘いを鳴海は受け入れ
白皙の美青年と絶世の美女
不思議な旅を二人は続けていくのだろう
ひっそりと・・・闇の彼方へと
「私と生きてくれないか もしもお前が心の底から 私と一緒に居たい 同じモノ(存在)になりたいと願ってくれるならー」
「もし心の底からは 願わなければー」
「もう 私はひとりきりだ たぶん永遠 いつか何モノかに喰われるか 滅ぼされるまで 彷徨い続ける・・・」
ー追想ー
ガソリンをしこたま喰らって 緋真理の火矢で射られ 鳴海隆一の謎の気まで浴びて 燃え崩れた化け物の残骸処理
もう影響受けて化け物となったモノが居ないか調査してどうやらどうやら大丈夫らしいとなり
桂一郎も心配ないようだとなった頃・・・
鳴海はあらためて緋真理に祖父との関わりについて尋ねた
「私が何者かもわからない時に出会ったんだ
自分と同じ存在を捜していた頃にー」
緋真理は遠い目になる
彼女ーと呼んでいいなら現在は緋真理と名乗っている者はその頃 名前すら無い存在で 自分が何者か知りたくて
自分と同じモノを捜していた
人ではない異端
人を喰らう化け物の群れと 人々を護りながら戦っていた男
「あれは やはり恋だったんだよ お前の爺様は 恋ではない 永遠ではないと言ったけれど
私は認められたくて しなくてもいい無理をしてー
倒れてしまった
お前の爺様は自分の腕に傷つけて この血を飲めーと言った
他に滋養になるものあれば それを勧めたのだろうが
そこには何も無くて 化け物の群れに囲まれていた
その頃の私は戦い方もろくに知らなくてー
お前の爺様はどうしてか 私が人ではないと気付いていて
ここで私が斃れても 自分には助ける余力がない
だから斃れられては困る
これは 私の為でなく自分の為だ
なんて言うんだ」
目の前の腕から滴る血に怯む
「それを飲んで 私が 私ならぬモノになることだってー」
ところが男は言ったのだ
「その時は俺が呼び戻してやる ちゃんと戻してやる だから安心して力をつけろ
お前は大丈夫だ お前は崩れない」
何を根拠に言ったものか
「覚悟を決めて 私は腕の傷に口をつけた 熱い血を飲みこんだ
その血は 私に力をくれた
あれは不思議な感覚だったー」
緋真理は願った 懇願した
一緒に生きてほしい
不安なのだ ひとりは孤独なのだと
「そう あの頃の私は弱かった」
ーいいやーと男は言った
「その申し出は嬉しいが 俺には もう決めた相手がいる
お前には別の永遠の相手がいるさ
その相手を見つけてやれ」
「そう 前にも言ったろう 私はフラれたんだ
お前の爺様は 時々なら会いにきていいと言ってくれた
親友だろうと 頼れる相棒だと
だから 寂しくなりすぎると 私はお前の爺様に甘えに来ていた」
このまま死ぬより 自分と同じモノになってくれ
どうにかして そのやりかたを見つけるからー
そうも言ったけれど
ーそれは自分の運命じゃないー
「最後までフラれっぱなしだ
惚れた男が育てた孫息子
どんな人間になるのか
気になるのは 未練っていう奴かもしれない
また化け物絡みとなるとは思わなかったがー」
橘緋真理と名乗ったモノが居なくなってから 桂一郎は鳴海隆一から緋真理と隆一の祖父との関わりを聞いた
やがて大学卒業後 就職し 数年経ち
鳴海隆一は ふっつりと姿を消した
その噂を聞いた時 何故か桂一郎はこう思った
ー連れて行かれたー
自分の永遠を捜していた緋真理
彼女は鳴海隆一の中に その捜していたモノを見つけ
その誘いを鳴海は受け入れ
白皙の美青年と絶世の美女
不思議な旅を二人は続けていくのだろう
ひっそりと・・・闇の彼方へと