呉服屋〈そこそこ大店〉の娘お糸
彼女には不思議なものが視〈み〉えてしまうという個性がある
器量も良いのに それでおかしな評判がたち 縁遠い
お糸の親はそれを憂いて 大名へご奉公に出した
そのうち妙な噂もしずまろう
そうしたらと
ところがお糸は縁談や お嫁さんになることに気が向かない
いや全くもって その気がない
そしてお糸は気づいてしまう
お仕えする奥方様は どうやら猫らしい・・・と
ばかりかお傍にいるのは虎・・・虎女・・・・・
不思議な猫族の姫君は 人間の殿様に一目ぼれ
父親に無理を言って駄々をこねまくって 奥方におさまることができた
見事なまでのいちゃいちゃぶりの相思相愛
かわいいかわいい女の子も生まれている
めでたしめでたしーではあるのだけれど
ほら 昔から大名といえばお家騒動
とってかわってお殿様やら なにがしかの権力者になりたい方が出てきていちゃもんつけたり もめごとおこしてね
そのうえ猫のお姫様のお父上と かつて色恋沙汰あり それも恨みに思う美女狐さんも現れて・・・・・
解説の書評家・朝宮運河さんは「心躍る王道のエンターテインメント」と題して書いておられます
お気楽に楽しくお読みくださいませ