公開中の映画「孤高のメス」原作者にして現在も医師を続ける著者が 自分の体験してきたことを織り込みながら 綴ったエッセイ集だが
読みながら やや複雑な気持ちにもなる
患者は医師を信じていたい
医師が信じられない存在になってはいけない
患者の医師への信頼は 信仰にも似ているのだ
医師が信じられなければ 不幸が溢れる
この医師は 私の病気を治せるのか
治そうという気持ちがあるのか
他の病院に押し付けて 責任逃れがしたいばかりではないのか
この医師は信じても大丈夫なのだろうか
患者の縋るような気持ちが 診る側の医師に本当に理解できるだろうか
患者の状態を 本当に知ろうという医師が どれだけ存在するのだろう
ただ症例としてのみーそれだけではー患者は救われないとも
最近、夏川草介さんの「神様のカルテ」というのを読みました。こんなお医者様がいるなら、松本へ引っ越したい!と思いました。(こちらへ来てくれそうもないので)
又、テレビで「ドクターG」と言うのを見て安心したり、司会の二人があまりにも褒め称えるのを見て、返って若い医者の将来が不安になったり。
昔観たウィリアムハートの『ドクター』と言う映画を思い出して、この不安感を解消したりしています。
医師の視点で書かれた随筆や物語を読むと 何処かに立場が逆の「患者やその家族の気持ち」
機微は相容れないー理解して貰えない部分があると感じます
患者となり自分も病を得ないと理解できないのではないかとー
忙しいから一人一人の患者には 構っていられないーカルテもかなりおざなりなのではないか
命に関わらない慢性病の患者なら 薬だけ与えておけばいいと 機械のように処置しているのではないかしらと
何処かに 改善してくれる 解決してくれる「名医」がいるのではとー
ただ現在 医師にかかっていれば その医師の体面や顔を潰した結果の報復なんぞまで 病院を変わる時は考え覚悟しなくてはいけない
患者は弱い立場です
みどり様 しんどいでしょうけれど どうか希望を捨てないで下さい
良い病院 お医者様に巡り会えますように