![]() | タイピスト! [Blu-ray] |
レジス・ロワンサル | |
ギャガ |
ここに一人の男がおります
マリーという恋心を抱いていた相手がおりましたが 戦時中彼女の心はフランスを救うためにやってきたアメリカ兵に奪われてしまいます
戦争は終わり アメリカ兵はマリーと結婚しフランスで暮らしており 今では男とも親友です
スポーツ万能の男ではありましたが 他人の幸せを大切に考えるゆえか 自分は本当に欲しいものは得られていないよう
父親から受け継いだ会社を経営しておりますが 父親からはその人柄ゆえに 儲け方が下手と思われているよう
男はエシャール保険会社のルイ・エシャール(ロマン・デュリス)と申します
その保険会社から2時間ばかり離れた村にはパンフィル雑貨店があります
そこの娘ローズ・パンフィル(デボラ・フランソワ)は父親から 村で一番稼ぐからーと決められた婚約者との結婚が迫ってました
ローズはお店にあるタイプライターに自分の名前を打ちます
右手と左手のそれぞれ指1本を使っての打ち方 でも早いんです
結婚が嫌なローズは秘書を求めるエシャール保険会社の面接に向かいます
応募してきた女性達はそこそこ意地悪な人もいて 良い秘書の条件を声高に話していたりするのです
ローズを面接するルイは彼女を雇うつもりはありませんでした
でも 他の職を求める女性達を見てー
そして一本指でタイプ打つローズ
一本指なのに早い!!!
この時 本当はローズに一目惚れしていたのだろうと思います
無碍にも失格と言えず様子を見る為の一週間の雇用期間を与えるルイ
ところでこの時ローズが下宿した若い女性ばかりを下宿させる家の持ち主らしき女性は随分と意地悪で薄情です
ルイが愛煙家の為に ローズにまで煙草の匂いが沁みつくのですが
煙草を喫煙するような不良はおけない 隠しても分かるのよ
果ては部屋に置いてはおけないーと追い出すのです
時代は1958年 (昭和33年)
可愛いけれど 仕事では失敗続きのローズ
秘書には向いていないがーそう言い出したルイの申し出を勘違いし怒るローズ
ルイはローズが一本指でもタイプ打ちが早いことから タイプの早打ち大会への出場を考えていたのでした
それは何の取り柄も無い女のコと思っているローズに自信を持たせたい ルイのお人好しな いつもの善意の現れかもしれません
顧客に所蔵する絵についての相談受けたルイはそれが高名な作家の作品と気付き オークションに出すようアドバイスしたことがありました
大儲けできた顧客の老夫妻はルイに感謝し今も高価なお酒を届けてくれます
ルイの父親にしたら「金儲けしそこなった馬鹿な奴」となるようですが
住む場所がないローズを自分の家に住まわせてタイプ打ちの特訓を始めるルイ
自分の部屋は二階の突き当りだが 父親が建てた古い家なので階段を使えば軋む音がする
それに襲うつもりなどない―と言うルイ
一緒に暮らすようになっても洗濯はそれぞれがします
ですからある日ルイが洗濯をしようとすると 機械の中にローズのブラジャーが残っていたり
それをタイプ打ち練習中のローズに気付かれないように ローズの部屋にこっそり置こうとするルイ
そしてローズに気付かれます
どの指でどのキーを打つか色分けして爪に色を塗ったり
覚えたら拭き取ってあげたり
体力をつける為に走ることにも協力
勉強の為の様々な本
スポーツ物の鬼コーチかと言う厳しさと工夫をこらす指導のルイ
最初の大会こそ負けてしまいますが ルイの指導で心の弱さも乗り越え
それから良いリズム感を身に着けるのにルイは かつて恋心抱いていた(今はすっかり克服した)マリーに ローズにピアノを教えてくれるように頼みます
子育てに忙しいマリーは最初断りますが ルイが子供達にマジックを見せる
マリー(ベレニス・ベジョ)が引き受けてくれるまでやめないーと
子供達の目の前で キッチンの調理場の上に手を拡げ 広げた指の間に凄い速さでナイフを突き立て続けます
結果マリーは教えることを了承
その代償に怪我したルイ
マリーとローズは親しくなり ローズはマリーからルイの事を教えられます
この頃にはマリーにはルイがローズに心惹かれていること ローズもルイに恋していることが判っています
マリーの夫のボブ(ジョン・ベンソン)も
タイプ早打ちの試合があるたび ボブはローズが勝てない方 ルイはローズが勝つ方へ賭けていました
ローズは勝ち続けます
クリスマス ルイはローズに言います
家族が泊まりにくるから部屋が足りない
たまには村に帰って父親と仲直りしろーと
でもね 父親には追い出された下宿の電話番号を連絡先としたままで その下宿の女性からはルイと暮らしていることで 愛人関係にあるように思われて 皮肉と意地悪な言葉ばかり言われてるローズ
村に帰っても父親はローズが結婚しなかった相手の家に行っている
話し相手すらいません
亡くなった母親マルグリットの墓に向かって心を打ち明けます
私のこの気持ちは誰にも分らない
本当の私の姿を誰も見ようとしてくれない
私は普通の女のコなのに
タイプの大会で勝ち続けることで 村の誇りと言われて周囲からちやほやされても
クリスマスに行く場所すらない
ローズはボブとマリーの家に行きます
ルイの気性を呑みこんでいるマリーは それゆえに怒ります
もういい加減 自分の気持ちに正直になればいいのに 困った男ね
はっきりしないとローズが可哀想じゃないの
ーとでもいうところでしょうか
マリーは優しく賢く いかにもなフランス女性で
打ち解けた相手には親身で親切
ちょっと姐御肌なところもあるようです
そうしてルイの家にローズを送っていって ルイの家族にローズはルイの婚約者なのだと紹介するのです
ローズを大歓迎してくれるルイの家族
内心困るルイですが
高名な画家の絵の件で ルイの父親がルイの事を悪く言い出すと
酔いもあって ルイを庇う発言をし喧嘩腰になるローズ
なんでも一番でなきゃダメっぽい夫に思うところあるルイの母親は 息子を庇う発言ローズが嬉しい
フランスの大会でこれまでのチャンピオンはアニー
アニーの為に開発されたタイプライターもあり自信満々 またその会社の息子アンドレ・ジャピー(フェオドール・アトキン)も恋人として 大会前のインタビューでもベタベタ
そのアニーに勝ってフランスのチャンピオンになるローズ
その途端 アニーには目もくれずローズの腰に腕回すアンドレ
チャンピオンになったローズには花束を贈りデートに誘う若者や 掌を返したようにすり寄る人々も
赤い薔薇の花束を用意していたルイは「出遅れたー」と こっそり花束をゴミ箱に捨てるのでした
自信にあふれているように見えるルイなのに フランス男なのに
以前もローズに女心がわからないーと言われたことも
ローズはルイに電話をかけ続け ルイは出ません
ローズに下心持つ女好きアンドレが迫ります
ジャピー社のタイプライターのCMやイベントにも出ているローズ
注目されても幸せではありません
かつてのチャンピオン アニーはすっかりやさぐれています
ローズに自分にできることは何もないーと離れ他の秘書を雇っているルイ
他の女を家に連れ帰りー
だけど そんな気分にはなれない
ローズでなければ
国際タイピング協会 世界の優勝者を決めるアメリカでの大会
これまでのチャンピオンはアメリカ人のスーザン
決勝は3ラウンド対戦
だけどローズは気分がすぐれません
親友ボブと駆け付けたルイ
ーああ やっと自分の望みに正直になれたのでしょうか
ローズに会おうとするルイを阻もうとするアンドレ
嫌味を言うアンドレを殴り倒してローズのもとへ
ローズはジャピー社のものでないタイプライターを使おうとしてました
ルイは言います「そのタイプは素晴らしい」と
「僕は人の役に立つことだけが幸せと思ってきた
君に言った 何が必要だと
でも 今 悟ったよ
僕が君を必要としてたんだ
君こそ 僕の幸せだ
愛してる」
無器用な男は こじらせ痩せ我慢の男は遂に正直な気持ちが言えました
かくしてローズも勇気凛々
「最後のアドバイスは何?」とルイに尋ねます
ルイの答えは「たたきつぶせ!」でした
一回目ローズの勝ち
二回目スーザンの勝ち
三回目 途中ローズの機械がおかしくなって指で直して打ち続けます
結果は515文字打ったローズの勝利
ローズは世界チャンピオンになりました
でも結果が出る前から やり遂げた思いのローズはルイと抱き合ってキス キス キス
テレビでラジオで応援していたマリー ローズの父親とその雑貨店に集まった村の人々も笑顔
ルイが思いついたタイプライターの工夫を ボブはアメリカの会社に売り込みに行きました
アンドレの会社は どうしたって信用できませんしー
アメリカの会社の人間は 何故フランスの会社でなくーと尋ねます
僕はアメリカ人だがーとボブ
「アメリカ人にはビジネスを
フランス人には愛を」
ローズ役を演じた女性はオーデションで選ばれ タイプの早打ちも練習したとか
映画の舞台となる1958~1959の女性らしく演じる為にオードリー・ヘップバーンの映画を観て勉強されたそうです
だからでしょうか オードリーっぽいと感じる髪形やファションの場面があります
この映画について詳しく書かれているサイトさん↓
https://www.sasakimovie.com/entry/Populaire
https://blog.shinma.tokyo/entry/Populaire
面白かった~。
主人公の女の子が愛くるしい可愛さで。
最後の大会も観てて力が入りました。
キスしてほしい時の変顔ぶりも
ボブが最後の試合ではローズに賭けてて
そのヒロインとのやり取りも良かったです
そして、ラグビー。
あ~、びっくりした笑
ヒロインが髪形と衣装でとても印象が変わってー
表情の動きとかも魅力的でした
自転車こぐ場面も良かった^^
ラグビー 選手達は勝つ気で試合に臨んでいたー
こういう舞台裏もいいなあと
女子バレーは今夜も勝って^^5位で終わりました
思いだしちゃった・・・
でもなんか夢見さんの解説で、見終わったような気分と、やっぱり、ちゃんと見たい気分が混在してま~す!
登場人物の髪形とか
男は男同士 女性は女性同士のやりとりに
そういうやりとりするのねーなんて
楽しい映画でした
劇中のポピュレールなるタイプライターは映画公開後散々調べたのですが
ジャピーで販売された証拠はまったく無く、
ジャピー「スタイル」タイプライター
が同じ形なのでこれをモデファイしたものではないかと推察してます
この映画
今風に申しますと
フラグの回収
があるのです。
冒頭、パンフィル雑貨店ウィンドウの
タイプライターが
結果的に世界を制するのですが、
このタイプライターは
独国トライアンフ社の製品で
既にトライアンフ即ち
「勝利」を意味してます。
このタイプライターのモデルは
マシンのキャリッジに印刷され
冒頭の薄明りの中
微かに読める独語のその名は
(メモ用紙を装填するシーン)
PERFEKT
パーフェクト
つまり
文字通り
完全勝利
なのです。
驚くほど詳しい情報を有難うございます
ただただ感心してコメントを拝読致しました