本の帯から
{己の流儀を貫くだけだ
大阪地検一級検事・不破俊太郎。
孤立上等、抜き身の刀、肝炎無欠の司法マシンが、大阪府警の暗部を暴く!
どんでん返しの帝王が生み出したニューヒーローに魅了される。
一気読み必至の検察ミステリー}
{検察官は、一人一人が独立した司法機関だ。
巷を騒がす西成ストーカー殺人事件を担当している、大阪地検一級検事の不破俊太郎と新米検察事務官の惣領美晴。
どんな圧力にも流されず、一ミリも表情筋を動かすことのない不破は、陰で能面と呼ばれている。
自らの流儀に則って調べ始めるなかで、容疑者のアリバイは証明され、さらには捜査資料の一部が紛失していることが発覚。
やがて事態は大坂府警全体を揺るがす一大スキャンダルへと発展しー
警察内から裏切りと揶揄される不破の運命は、そしてストーカー殺人事件の思いもよらぬ真相とはー}
研修期間を終えて検察官補佐に回され ついた検察官の不破俊太郎から
「君のような事務官は要らん。出ていきたまえ」
と対面早々に言われてしまった惣領美晴
だがそこはからくもくいさがり三か月の試用期間を得た惣領
不破は何人に対しても表情を変えず その感情が読めないことからー「能面」などと陰で呼ばれていた
だが不破が感情を表に出さなくなったのには 過去にその顔色を容疑者に読まれたことにより情報を盗まれて
証人を死なせてしまったーゆえのこと
真実を追求し警察から送られてきても100パーセントの確信が持てなければ起訴しない
幼女を拉致し服役したことある男が今度は女児殺人事件の容疑者として送られてきたが
その男は確たるアリバイは示さず 殺人についても自分はやっていないーとのみ言う
不破自らが動き探り当てた真相と隠されていた犯人はー
この事件で不破が気になったのは消えた証拠
次に警察から送られた容疑者にも実はアリバイがあった
警察の中で何が起きているのか
何が隠されているのか
惣領を従えて真実に迫る不破だが胸を撃たれ病院へ運ばれる
手術を終え 目覚めた不破はまだ安静にしていなければならぬ身で動く
ストーカー殺人事件と思われていた事件は ストーカーをしていた男が犯人ではなくー
女性と一緒に殺された男性の方に殺される原因があった
立場を利用した死んだ娘の復讐
大抵の人間は組織に呑みこまれる
人間関係を円滑にする為に ならぬ事もなる事にしてしまう
保身の為の狡さも汚さも身につける
孤高の存在ではいられない
不破は権力にも上からの意向にもおもねることがない
それは検事の職務ではないからだ
安っぽい正義感に振り回されることなく事実のみを見る
もしもシリーズ化されるならば これから不破が惣領の影響を多少受けるのか
それとも惣領が多少は不破の冷静さを身に着けていくのだろうか