バイデン政権は発足当初の数カ月、中国問題を巡る協力について、欧州諸国と協議していた。だが、先週のAUKUS創設発表は、中国の軍事力を豪封じ込める機会が生まれれば、たとえそれが欧州の利益を無視することになっても、米国が必ずつかみにいくことを鮮明にした。
その一方で、中国は人権侵害の疑いや地域での軍事力誇示を巡る欧州の批判には全く耳を傾けていない。
独仏蘭の欧州主要3カ国がAUKUSの枠組みから排除されたことで、インド太平洋で米国と緊密に連携する意欲が試される。
欧州連合(EU)主要国は米中の間で中道路線を歩むことを目指していると Laurence Norman and Drew Hinshaw。
EU加盟国はおおむね、米国を最も緊密な同盟国だと考えているが、中国に関する利害では米国と一枚岩ではない。
仏独が率いるEU主要国はこれまで、強引さを増す中国への懸念と政治的な関与をうまく両立させようと腐心してきた。
欧米関係がぎくしゃくしたドナルド・トランプ前米大統領時代のように、欧州諸国は再び長年の同盟国である米国と、財の貿易でEU最大のパートナーになった中国との間で、どちらを選ぶか踏み絵を迫られていると Laurence Norman and Drew Hinshaw。
AUKUS発表の余波はなお欧州に広がっているが、外交筋からは米国に対する信頼が低下しているとの指摘が出ている。
フランスがオーストラリアとの間で結んでいた潜水艦建造計画が事前の打診もなく突如破棄されたことへの懸念は根強い。
とは言え、仏の反発が欧米関係に恒久的な溝を残さないよう取り組むべきだとの主張も出ている。
バイデン氏は22日、マクロン氏と電話会談し、関係修復に着手。
バイデン氏が1月に就任して以降、欧州は独立路線を志向しながらも、中国に関する米国の懸念に留意する姿勢を強めてきた。中国の海洋進出に対抗するため、フランスはすでに海軍の活動を活発化していた。
フランスはここにきて、国防や安全保障に関して、EUが米国など主要国の影響を受けずに行動できる能力を増強すべきとの主張をさらに強めている。「戦略的自立」と呼ばれるこの構想は、アフガニスタン駐留米軍の無秩序な撤退を受けて、再び浮上した。
英国がEUを離脱し、アンゲラ・メルケル独首相が26日の選挙後に引退を計画している中で、マクロン氏の姿勢が欧米関係やNATOにさらなる緊張をもたらしかねないとの懸念も出ているのだそうです。
ドイツ総選挙、中道左派SPDが僅差でメルケル氏の党に勝利 連立交渉へ - BBCニュース
EU議会は5月、EUと中国が昨年12月に合意した投資協定について、承認の中止を決定した。
深まる米中新冷戦での対立。狭間の欧州各国の姿勢は、温度差がある様ですね。
日本の自民党新総裁や如何。
# 冒頭の画像は、アラビア海を航行する米仏の軍艦
この花の名前は、カリガネソウ
↓よろしかったら、お願いします。
その一方で、中国は人権侵害の疑いや地域での軍事力誇示を巡る欧州の批判には全く耳を傾けていない。
独仏蘭の欧州主要3カ国がAUKUSの枠組みから排除されたことで、インド太平洋で米国と緊密に連携する意欲が試される。
米中間で揺れるEU、中道志向の限界が露呈 - WSJ" target="_blank">米中間で揺れるEU、中道志向の限界が露呈 - WSJ By Laurence Norman and Drew Hinshaw 2021年 9月 24日
欧州連合(EU)主要国は米中の間で中道路線を歩むことを目指している。だが、米英豪3カ国が先週発表した新たな安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の創設、および豪仏の潜水艦共同開発計画の破棄という想定外の展開は、これがいかに困難な道であるかを浮き彫りにした。
EU加盟国はおおむね、米国を最も緊密な同盟国だと考えているが、中国に関する利害では米国と一枚岩ではない。EUは輸出市場であり、かつサプライヤーでもある中国との間で深い経済関係を築いている。仏独が率いるEU主要国はこれまで、強引さを増す中国への懸念と政治的な関与をうまく両立させようと腐心してきた。
欧米関係がぎくしゃくしたドナルド・トランプ前米大統領時代のように、欧州諸国は再び長年の同盟国である米国と、財の貿易でEU最大のパートナーになった中国との間で、どちらを選ぶか踏み絵を迫られている。
欧州内では中国の影響力に対抗、または封じ込めようとする動きに批判的な声もある。一方で、ロシアを警戒するポーランドやバルト諸国などは、対中政策で総じて米国と見解が一致しているものの、アジア重視の姿勢がロシアを巡る問題から視線をそらすことになりかねないと危機感を抱いている。EUはロシアとウクライナの対立、ロシアが後ろ盾であるベラルーシの政情不安といった複数の問題を抱えている。
欧州外交評議会(ECFR)のアジアプログラム責任者、ジャンカ・オーテル氏は、EUが中国に関して目標を明確にしていないことが問題の一端であり、米国の姿勢に敏感に反応する状況を生み出していると指摘する。
「中国が本心では(EUとの)協力に関心がない、または中国の条件に沿った協力にしか関心がないとするなら、米国を受けての対応に限らず、政策をどう変えることができると考えるのか」と問いかけるオーテル氏。「これに対してきちんとした答えは出せていない」
バイデン政権は発足当初の数カ月、中国問題を巡る協力について、欧州諸国と協議していた。だが、先週のAUKUS創設発表は、中国の軍事力を封じ込める機会が生まれれば、たとえそれが欧州の利益を無視することになっても、米国が必ずつかみにいくことを鮮明にした。欧州外交関係者はこう話している。
その一方で、中国は人権侵害の疑いや地域での軍事力誇示を巡る欧州の批判には全く耳を傾けていない。また、中国における欧州の経済的利益は、政治的な条件付きだとの姿勢を強くにじませている。
AUKUS発表の余波はなお欧州に広がっているが、外交筋からは米国に対する信頼が低下しているとの指摘が出ている。AUKUS創設により、フランスがオーストラリアとの間で結んでいた560億ユーロ(約7兆2400億円)規模の潜水艦建造計画が事前の打診もなく突如破棄されたことへの懸念は根強い。また、米国がアジア重視を掲げることで、欧州の安全保障問題が軽視されることになりかねないとの危機感もある。
とはいえ、駐米・豪大使を召還するなど、怒りを爆発させたフランスの対応を巡っても、欧州内で心配する声が出ている。エマニュエル・マクロン仏大統領は来春、再選をかけた大統領選を控えているほか、フランスは来年1月に輪番制のEU議長国に就任する。こうした中で、仏の反発が欧米関係に恒久的な溝を残さないよう取り組むべきだとの主張も出ている。
バイデン氏は22日、マクロン氏と電話会談し、関係修復に着手。共同声明では、フランスのような同盟国はAUKUSについて事前に相談されるべきだったと認めた。両首脳は10月下旬、安全保障を巡る協力について協議する予定で、声明ではインド太平洋におけるフランスとEUが果たす役割の重要性を強調した。
バイデン氏が1月に就任して以降、欧州は独立路線を志向しながらも、中国に関する米国の懸念に留意する姿勢を強めてきた。中国の海洋進出に対抗するため、フランスはすでに海軍の活動を活発化していたが、EUはこれにさらに積み上げる形で、インド太平洋における航行の自由確保に向け、海軍のプレゼンス強化を優先事項に掲げた。
米国とEUはまた、トランプ前政権の末期に始まった中国に関する正式協議も拡大した。米国とEUはいずれも、不公平だとみる中国の競争から欧米経済を守るため、世界貿易機関(WTO)規定改革への支持で一致する。来週にはピッツバーグで米国とEUによる貿易・技術協議会(TTC)の初会合が予定されている。
だが、こうした取り組みの一部は今、脅かされている。フランスはピッツバーグ会合の延期を求めているほか、外交筋は独仏蘭の欧州主要3カ国がAUKUSの枠組みから排除されたことで、インド太平洋で米国と緊密に連携する意欲が試されるだろうと指摘している。
また欧州当局者によると、フランスはここにきて、国防や安全保障に関して、EUが米国など主要国の影響を受けずに行動できる能力を増強すべきとの主張をさらに強めている。「戦略的自立」と呼ばれるこの構想は、アフガニスタン駐留米軍の無秩序な撤退を受けて、再び浮上した。ただ、EU加盟国に国防費を拡大する用意はほとんど見られない。
マクロン氏はすでに、北大西洋条約機構(NATO)が中国による脅威を重視することに対して懸念を示している。
英国がEUを離脱し、アンゲラ・メルケル独首相が26日の選挙後に引退を計画している中で、マクロン氏の姿勢が欧米関係やNATOにさらなる緊張をもたらしかねないとの懸念も出ている。
一方で、中国との政治的な緊張から経済的利益を守ろうとするEUの取り組みも、壁にぶつかっている。
EU議会は5月、EUと中国が昨年12月に合意した投資協定について、承認の中止を決定した。EUが少数民族ウイグル族の弾圧疑惑を理由に中国当局者を制裁対象に指定したことの報復として、中国がEU議会議員や外交官らに制裁を科したことを受けた動きだ。
また中国は、リトアニアが台湾と代表機関の設置で合意したことに反発し、駐リトアニア大使を召還。台湾との関係を深めているチェコ共和国と中国の間でも緊張が高まっている。先月には、中国の元外務省当局者らが、欧州に対する中国の外交姿勢を批判したEUのニコラス・シャピュイ駐中国大使を公の場で糾弾した。
欧州連合(EU)主要国は米中の間で中道路線を歩むことを目指している。だが、米英豪3カ国が先週発表した新たな安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の創設、および豪仏の潜水艦共同開発計画の破棄という想定外の展開は、これがいかに困難な道であるかを浮き彫りにした。
EU加盟国はおおむね、米国を最も緊密な同盟国だと考えているが、中国に関する利害では米国と一枚岩ではない。EUは輸出市場であり、かつサプライヤーでもある中国との間で深い経済関係を築いている。仏独が率いるEU主要国はこれまで、強引さを増す中国への懸念と政治的な関与をうまく両立させようと腐心してきた。
欧米関係がぎくしゃくしたドナルド・トランプ前米大統領時代のように、欧州諸国は再び長年の同盟国である米国と、財の貿易でEU最大のパートナーになった中国との間で、どちらを選ぶか踏み絵を迫られている。
欧州内では中国の影響力に対抗、または封じ込めようとする動きに批判的な声もある。一方で、ロシアを警戒するポーランドやバルト諸国などは、対中政策で総じて米国と見解が一致しているものの、アジア重視の姿勢がロシアを巡る問題から視線をそらすことになりかねないと危機感を抱いている。EUはロシアとウクライナの対立、ロシアが後ろ盾であるベラルーシの政情不安といった複数の問題を抱えている。
欧州外交評議会(ECFR)のアジアプログラム責任者、ジャンカ・オーテル氏は、EUが中国に関して目標を明確にしていないことが問題の一端であり、米国の姿勢に敏感に反応する状況を生み出していると指摘する。
「中国が本心では(EUとの)協力に関心がない、または中国の条件に沿った協力にしか関心がないとするなら、米国を受けての対応に限らず、政策をどう変えることができると考えるのか」と問いかけるオーテル氏。「これに対してきちんとした答えは出せていない」
バイデン政権は発足当初の数カ月、中国問題を巡る協力について、欧州諸国と協議していた。だが、先週のAUKUS創設発表は、中国の軍事力を封じ込める機会が生まれれば、たとえそれが欧州の利益を無視することになっても、米国が必ずつかみにいくことを鮮明にした。欧州外交関係者はこう話している。
その一方で、中国は人権侵害の疑いや地域での軍事力誇示を巡る欧州の批判には全く耳を傾けていない。また、中国における欧州の経済的利益は、政治的な条件付きだとの姿勢を強くにじませている。
AUKUS発表の余波はなお欧州に広がっているが、外交筋からは米国に対する信頼が低下しているとの指摘が出ている。AUKUS創設により、フランスがオーストラリアとの間で結んでいた560億ユーロ(約7兆2400億円)規模の潜水艦建造計画が事前の打診もなく突如破棄されたことへの懸念は根強い。また、米国がアジア重視を掲げることで、欧州の安全保障問題が軽視されることになりかねないとの危機感もある。
とはいえ、駐米・豪大使を召還するなど、怒りを爆発させたフランスの対応を巡っても、欧州内で心配する声が出ている。エマニュエル・マクロン仏大統領は来春、再選をかけた大統領選を控えているほか、フランスは来年1月に輪番制のEU議長国に就任する。こうした中で、仏の反発が欧米関係に恒久的な溝を残さないよう取り組むべきだとの主張も出ている。
バイデン氏は22日、マクロン氏と電話会談し、関係修復に着手。共同声明では、フランスのような同盟国はAUKUSについて事前に相談されるべきだったと認めた。両首脳は10月下旬、安全保障を巡る協力について協議する予定で、声明ではインド太平洋におけるフランスとEUが果たす役割の重要性を強調した。
バイデン氏が1月に就任して以降、欧州は独立路線を志向しながらも、中国に関する米国の懸念に留意する姿勢を強めてきた。中国の海洋進出に対抗するため、フランスはすでに海軍の活動を活発化していたが、EUはこれにさらに積み上げる形で、インド太平洋における航行の自由確保に向け、海軍のプレゼンス強化を優先事項に掲げた。
米国とEUはまた、トランプ前政権の末期に始まった中国に関する正式協議も拡大した。米国とEUはいずれも、不公平だとみる中国の競争から欧米経済を守るため、世界貿易機関(WTO)規定改革への支持で一致する。来週にはピッツバーグで米国とEUによる貿易・技術協議会(TTC)の初会合が予定されている。
だが、こうした取り組みの一部は今、脅かされている。フランスはピッツバーグ会合の延期を求めているほか、外交筋は独仏蘭の欧州主要3カ国がAUKUSの枠組みから排除されたことで、インド太平洋で米国と緊密に連携する意欲が試されるだろうと指摘している。
また欧州当局者によると、フランスはここにきて、国防や安全保障に関して、EUが米国など主要国の影響を受けずに行動できる能力を増強すべきとの主張をさらに強めている。「戦略的自立」と呼ばれるこの構想は、アフガニスタン駐留米軍の無秩序な撤退を受けて、再び浮上した。ただ、EU加盟国に国防費を拡大する用意はほとんど見られない。
マクロン氏はすでに、北大西洋条約機構(NATO)が中国による脅威を重視することに対して懸念を示している。
英国がEUを離脱し、アンゲラ・メルケル独首相が26日の選挙後に引退を計画している中で、マクロン氏の姿勢が欧米関係やNATOにさらなる緊張をもたらしかねないとの懸念も出ている。
一方で、中国との政治的な緊張から経済的利益を守ろうとするEUの取り組みも、壁にぶつかっている。
EU議会は5月、EUと中国が昨年12月に合意した投資協定について、承認の中止を決定した。EUが少数民族ウイグル族の弾圧疑惑を理由に中国当局者を制裁対象に指定したことの報復として、中国がEU議会議員や外交官らに制裁を科したことを受けた動きだ。
また中国は、リトアニアが台湾と代表機関の設置で合意したことに反発し、駐リトアニア大使を召還。台湾との関係を深めているチェコ共和国と中国の間でも緊張が高まっている。先月には、中国の元外務省当局者らが、欧州に対する中国の外交姿勢を批判したEUのニコラス・シャピュイ駐中国大使を公の場で糾弾した。
欧州連合(EU)主要国は米中の間で中道路線を歩むことを目指していると Laurence Norman and Drew Hinshaw。
EU加盟国はおおむね、米国を最も緊密な同盟国だと考えているが、中国に関する利害では米国と一枚岩ではない。
仏独が率いるEU主要国はこれまで、強引さを増す中国への懸念と政治的な関与をうまく両立させようと腐心してきた。
欧米関係がぎくしゃくしたドナルド・トランプ前米大統領時代のように、欧州諸国は再び長年の同盟国である米国と、財の貿易でEU最大のパートナーになった中国との間で、どちらを選ぶか踏み絵を迫られていると Laurence Norman and Drew Hinshaw。
AUKUS発表の余波はなお欧州に広がっているが、外交筋からは米国に対する信頼が低下しているとの指摘が出ている。
フランスがオーストラリアとの間で結んでいた潜水艦建造計画が事前の打診もなく突如破棄されたことへの懸念は根強い。
とは言え、仏の反発が欧米関係に恒久的な溝を残さないよう取り組むべきだとの主張も出ている。
バイデン氏は22日、マクロン氏と電話会談し、関係修復に着手。
バイデン氏が1月に就任して以降、欧州は独立路線を志向しながらも、中国に関する米国の懸念に留意する姿勢を強めてきた。中国の海洋進出に対抗するため、フランスはすでに海軍の活動を活発化していた。
フランスはここにきて、国防や安全保障に関して、EUが米国など主要国の影響を受けずに行動できる能力を増強すべきとの主張をさらに強めている。「戦略的自立」と呼ばれるこの構想は、アフガニスタン駐留米軍の無秩序な撤退を受けて、再び浮上した。
英国がEUを離脱し、アンゲラ・メルケル独首相が26日の選挙後に引退を計画している中で、マクロン氏の姿勢が欧米関係やNATOにさらなる緊張をもたらしかねないとの懸念も出ているのだそうです。
ドイツ総選挙、中道左派SPDが僅差でメルケル氏の党に勝利 連立交渉へ - BBCニュース
EU議会は5月、EUと中国が昨年12月に合意した投資協定について、承認の中止を決定した。
深まる米中新冷戦での対立。狭間の欧州各国の姿勢は、温度差がある様ですね。
日本の自民党新総裁や如何。
# 冒頭の画像は、アラビア海を航行する米仏の軍艦
この花の名前は、カリガネソウ
↓よろしかったら、お願いします。