Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

大誘拐

2006-05-15 | 日本映画(た行)
★★★★ 1991年/日本/120分
監督/岡本喜八 主演/北林谷栄、緒方拳、風間トオル

「あっぱれ、北林谷栄」


和歌山の山村、ある夏の日。大富豪の老女が3人組の若者に誘拐される。身代金5千万を要求するという誘拐犯に対して、「あたしの価値はそんなもんかい!」と激高した老女は百億を要求しろ、と言い放ち、自ら身代金強奪の指揮を執り、誘拐犯たちを言いようにあやつる。果たして百億の行方は…

まあ、とにかく老女役の北林谷栄です。関西弁で軟弱な誘拐犯の尻を叩き、警察を手玉に取る痛快な演技が全編にあふれています。この人1911年生まれなんですね。この作品に出た時は80歳で、各賞を総ナメにしました。2002年に「阿弥陀堂だより」と「黄泉がえり」に出ているのでこの時91歳!すごいですねえ。今村昌平、市川昆、新藤兼人など昭和の名匠の作品に古くから出続けています。当時から何だかおばあさんの役が多かったような気が…

映画のテンポも非常に良く、80歳の北林谷栄のイキのよさに引き込まれます。しかし、そのイキの良さだけではなく、かわいさとか懐の広さもあって、このおばあちゃんの言うことなら聞かなきゃね、と誘拐犯ならずとも思わせてしまいます。

そして、北林谷栄に昔使えていた女中がその真意をくみ取り、自宅をアジトとして提供し、奉公するのですが、この役が樹木希林。これがまたおもしろい。この人はどんな役でもいい味出すよなあ。果たして百億は手に入るのか…というサスペンス的展開もきっちり押さえられていて、最後までハラハラドキドキ。そして、なぜ老女が「百億」という金額を設定したのか、というオチもしっかり用意されています。そしてそこには、ずっと反戦を訴えてきた喜八監督のメッセージが込められているのです。

現金の受け渡しの場面など、今見ればサスペンスとしては少々ツメが甘い部分もありますが、それはそれ。そこに行き着くまでに、ちゃんと映画の世界に入り込めますので、素直におばあちゃんの大活劇に賛同しちゃいましょう。


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花もいいけど緑もね

2006-05-15 | 四季の草花と樹木
5月のこの時期は、晴れると本当に新緑がきれいです。田植えもほぼ終了。稲の植わった田んぼの向こうに鮮やかなグリーンの山々が美しい。というわけで、近所の販売所に行ったついでに写真撮りました。


かやぶき屋根が入ると一気に、「にっぽんの田舎」的写真になりますね。


黄緑、緑のグラデーションがきれいだなあ。



この辺は京都北部の由良川の中流当たりで、道路わきにずっと川が流れます。ドライブにはもってこいの道路です。しばらく走るとダム湖になるのですが、ここは別名「虹の湖」と言われます。春は、秋は紅葉の名所です。

あんまりキレイだったので、撮りました。もみじの種。


プロペラみたいに飛んでいくんですよね、この形。もみじの鮮やかな新緑とこの赤のコントラストがほんとにキレイです。


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