うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

あの弘西林道を踏破する--下北半島・白神山地を行く⑥

2008年08月24日 05時20分40秒 | 下北半島・白神山地を行く
 岩木山の尾根沿いを走り山中を抜けてから、弘前市内からの県道沿いにある西目屋のビジターセンターに寄る。
 わたしたちは自然遺産指定区域の緩衝地域の中を、弘西林道(白神ライン)を車でアップダウンを幾度も繰り返して 津軽峠 ⇒天狗峠 ⇒一ツ森峠と抜けていく。弘前市内から日本海側の岩崎村に通じるこの道は生活道路ではないが、トレッキング、観光目的のみでなく緊急用の道路だ。確か、11月から4月までは閉鎖しているはずである。

 2,3年前と比べて道は良くなった、未舗装の砕石道路ながら凹凸がなくなり格段に良くなった。定期的に道路の管理はなされているようだ。ゆっくりと進み、何度も車を路肩に止める。核心地域に位置する向白神岳の山なみ、遠くに鰺ヶ沢湾を望む。
 ここはほぼブナのみの純林(ブナ・イヌブナ)だが、なかにはミズナラ、イタヤカエデ、ナナカマドの高木が混じっている。紅葉の時期も良さそう。咲いている花は少なくて、今はサーモンピンクのタニウツギが目立つ。もともと、林相はシンプルらしい。
 カジカガエルのフィフィフィーという鳴き声がおびただしく、一斉に渓の方からかけ上がってくる。カエルというよりも蝉の鳴き声に近いのだ。カジカガエルはひぐらしのようで少々異なる。夕方のあの寂寥感はなく、擦過音のようで気にする人からは耳障りな音声かもしれない。
 この季節、ネマガリダケ(千島笹)採取のシーズンのようで地元の人たちの車に行き交う。車を止めて、畚(ふご)を身につけて林道から山中に出たり入ったりする。いい現金収入の手段なのだ。
 しかしわたしには、この林道沿いに設けられた‘マザーズツリー巡り’などと、あまりにも俗化されすぎてしまった、という感慨がつよい。以前の秘境っぽい風情を懐かしむ。

 やがて、山を下ってきて笹内川を左側に見る。うっそうとした森林の中を道が平坦になり、ぽつりぽつりと田畑が現れる。それで、わたしはほっとした気分に変わっていく。
 世界遺産白神山地
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