うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

「沈まぬ太陽」を見たのだが・・・

2009年10月31日 07時08分20秒 | わたしの日常です。

 この映画は一言で言って、雑駁そのものである。
 製作陣とか費用とかは大したことではない。編集が良くない。それに現代の映像の業界にありがちなストーリー軽視なところがある。テレビとかどこかで見た映像がごく自然に挿入される。場面ごとのいいとこどりのシーンがこれでもかと連続する。映像過多、それで意味が伝わるととでも思っているようだ。多分それは錯覚であり、想像力の貧しさに由来する。劇構成の未消化、未完成な作品に思える。
 深読みになるが、なにか、製作の裏側に事情でもあったのだろうか。JALの反対があったのなら、資本主義経済におけるこの企業の社会性(経営・情報公開)は客観的に見て低レベルになる。
 俳優としては達者な木村多江、それに新たな境地を開いた三浦友和に注目した。

 週刊文春のCinema Chartで、辛口のおすぎ(映画評論家)さんは ‘可も不可もなく。ただ長いのです。まるでテレビのスペシャル・ドラマのよう。友和クンの色悪が新鮮でした。’ わたしには的確なレヴューに思える。ただし、星三つに対しわたしの採点は二つである。
 もうひとり、星五つの斎藤綾子(作家)さんは的外れな批評をしている。 ‘登場人物たちの心理がしっかり描かれていて原作を読み返したくなった。途中休憩するのも楽しみな心に染みる3時間巨編。’ 

 わたしは、せっかくの山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」の映画を見るのを楽しみにして、先日思い切って早めに仕事を終え、近くの映画館に行った。上映の最後に、長い冗慢なエンドロール中に抜け出たのが午後10時近く。
 小説の素材はJALの社内事情を取材している。この小説は週刊新潮に連載中から騒がられて、結果的にJALから妨害、邪魔された。新潮社という出版社に対してまるごと広告掲載、購読拒否である。わたしは当時、なんだかんだと飛行機を利用して地方へ行ったものであるが、機中の客席では一切置いていなかったもの。

 ともあれ、わたしは渡辺謙演ずる主人公・恩地元の、日本の風土、大企業という組織の中での一社員が孤立無援、孤独の無限地獄に悪戦苦闘する心情に惹かれる。
   
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