ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

フィンランド

2008年03月09日 | 千伝。
この頃・・北欧のフィンランドが、やたらと日本のお手本となるべきモデルの国として持ち上げられている。

ほんの20年前、フィンランドは、森と湖の国、サンタクロースとムーミンの故郷、農業林業を中心としたヨーロッパでは、今ひとつインパクトのない国だったイメージがある。

ところが今や、教育先進国として、福祉先進国として、工業立国として注目を集めている。
たかだか、北海道のほどの面積に人口500万人ぐらいの国・・フィンランドである。

昔、フィンランドに永住しようかと考えていた頃があった。
一緒に机を並べて学んだフィンランドの方と非常に仲良くなったのが理由であるが・・。

当時、日本の中曽根首相が、「国防を怠れば、フィンランドのようになる」と揶揄した頃でもあると記憶している。

最近、日本でも教育にディベート(debate)の活用を盛んに取り入れようという意見が増えている。
そうでないと、日本は、世界で発言力も影響力もない国家になるという立派な意見である。

要は、あるテーマについて異なる立場に分かれ議論するノウハウを身につけることなどを意味する。

小生、恥ずかしながら、そのディベート教育を数多く体験している。

つまりは、相手に対して、いかに発言して「説得から納得」に転換させられるかというノウハウでもある。

各国国々のスタイル、個性もあるが・・そういうディベートの場で、一番迫力も説得力もなかったのが、あのフィンランドの女性と小生だった。(笑)

やたらに主張が強いドイツ人・・
のんべんだらりのイタリア人・・
筋を通したデンマーク人・・

今でも憶えているが、コルシカ島からやってきた方に、わざと「おまえは、フランス人か?
イタリア人か?」と意地悪な質問を投げつけた輩がいた。

欧米では、「沈黙は金ではない」と言うが・・実は、沈黙が雄弁に優れる場合もある。
ディベートは、往々にして無理強いにしてでも説得させようとすることがある。
当然、顔には出さないが、心情的には反発している。
そういう場から立ち去りたくなるような場面が、たくさんあった。

「和を持ちましょう。右翼でもなく左翼でもなく、まんなかを取って、なかよく です」

このジョークを、英語で巧みに言い表せなかった思い出もある・・。(笑)


さて、そのフィンランドから来た女性ですが・・
小生の誕生日に、ケーキを作ってくれて、ケーキのうえに乗ったチョコスプレーが、テーブルの上にこぼれたのを指で拾い集めていたのが微笑ましく印象に残っています。

雄弁な方や頭の切れる人間は、恋に落ちません。
恋は、盲目だから・・。

彼女から手渡されたノートに書かれていた、小生へのメッセージでした。

大好きな国・・フィンランドです。