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殺人の門 (角川文庫) 東野 圭吾 角川書店 このアイテムの詳細を見る |
言わずと知れた東野圭吾氏の著作。
実は、この本、二冊持ってます(;^_^A
以前読んだにも関わらず、又買っちゃいましたよ…( ̄~ ̄)ξ
新鮮組若頭の本領発揮ってとこでしょうか。
何度か立ち読みもしてるので、イントロ部分を知ってる事には全く不思議に思わなかったんですわ。でも、読みすすめても無くならない既視感。 …当たり前ですわな(;^_^A
読書後の感想を一言で言うと、‘やりきれない苛立ち’…ですな、後に残るのは。
なんで関係を断ち切る事が出来なかったんだろう。
血の繋がりがあるわけでも無いし、返さなきゃいけない大恩があるわけでもない。
出会うと必ず最後には殺意さえ抱く程の裏切りやら失望を味わわされるのに!
それが‘倉持’という男のある意味魅力だったんでしょうか。
だから、主人公だけじゃなく、関わってきた人達の多くが、一度は絶縁してるのに心底憎んでいない理由なんでしょうか。
でも、主人公ほど彼の為に人生を狂わせられた者はいませんでした。
それも、主人公自身に非があったわけじゃなく、単に生まれた家が裕福だったという本人に選択出来ない理由の為に、です。
倉持は、自分が金持ちに成る事はなかなか出来ないから、それならまずは、相手に堕ちてきてもらおうと謀ります。
それがまた、子供なのに、悪意に満ちた、巧妙さなんですわ(;-_-+
たった一言、「あいつの母親は、祖母を毒殺したらしい。」と、噂話として語ればよかったのです。
この一言が、主人公の人生を狂わせる最初のキーとなりました。
様々な出来事で、主人公は彼の事を“殺してやりたい!”と、早い段階で思うのですが、実行に移す事は出来ずにいました。
実行に移す事が出来ないのは何故か。
殺人を犯す理由は、動機だけじゃないと登場人物の一人である刑事が言います。「動機も必要だけど、環境、タイミング、その場の気分、それらが複雑に絡み合って、人は殺人を犯してしまうのです。」
で、結局、主人公が、長年くぐろうとしてくぐれなかった‘殺人の門’をくぐったかどうかは、読んでみてください。
東野氏の作品は、映像化されたモノも多く、馴染みがありますが、この作品も、人間の複雑な感情のヒダを巧く表現した良作だと思います。是非、ご一読くださいませ。
あ、そーいえば、「白夜行」、韓国でもコ・スくん主演で撮影されてるんでしたよね。
これまた楽しみです♪