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知らなかったのは、セギュとジウォンだけでした。
ジョンスクは、ユニの手帳を見たようで、それで知ったのでしょうね。
唖然として、言葉も出ないセギュとジウォン。
悪意はありませんでした。演じていましたが、気持ちに嘘はありません・・・と、ジェホンとユニ。
しかし、人が偽者と言うのなら、言葉も行動も信用できないと、ジウォンは言いました。
優しいジウォンが、そこまで言うのは、本当にショックだったからでしょう。
これまでお世話になりました。すみませんでしたと、ジェホンは言い、ユニと共に屋敷を出て行きました。
案外、あっさりと静かに芝居は終わりました。
家族皆、ジェホンとユニとの思い出が脳裏に浮かんでいました。
初めてグムスンが幸せそうに笑っていたこと。
グムスンだけじゃなくて、セギュやジウォン、セヨン、そしてセジュンですら、自然に笑顔になっていた事。
おそらく、ジェホンとユニが芝居とはいえ、本心を示していたと感じられたからでしょう。
そしてその目的が、お金などではなく、グムスンの残り少ない人生を幸せにしてあげたいと言う一心からだと信じられたからでしょうね。
ジェホンはホテルの仕事も辞めました。
最後に、セヨンに挨拶に行きました。
ジェホンがお世話になったと頭を下げ、背を向けた時、セヨンも言いました。
「ありがとう。」
私は死期の迫ったグムスンに対して何も出来なかったばかりか、現実から目を逸らそうとしていた・・・と。
今更、後悔してる・・・と泣きだしたセヨン。
ジェホンは隣に座り、そっと手を握りしめました。
「愛情が深ければ、後悔も大きくなる。だから、悲しんでください。」
セヨンはジェホンの肩に頭をもたれかけて泣きました。
この二人の様子を、ドンジェが見つめていました。
ドンジェは、セヨンが全てのスケジュールをキャンセルしていると聞き、その原因を探りました。
で、グムスンが危篤だと知ったのです。
セヨンの悲しみが分かるだけに、じっとしていられなかったのでしょう。
セヨンのところに駆けつけたものの、一足遅かったと言う感じです。
セジュンはこんな状況でも、ホテル売却を進めようとしました。
保留にしない?とセヨンが言いましたが、セジュンは焦ったように聞き入れません。
ムンソンが屋敷にやって来ました。
セジュンが呼んだようです。
ジェホンとは正反対で、感情を表さないムンソンに、セギュやジウォンは戸惑いました。
家族全員が集まったから・・・と遺産問題について話そうとセジュンが言いました。
そして、ホテルは売却すると。ムンソンも了承済みだと。
セヨンは驚いて、ムンソンに考え直すよう言いましたが、無駄だと一蹴されました。
セギュは、この問題に関わりたくないと言いました。
サンチョルが口を挟みました。
セジュンたちの両親が死んだのは事故で、グムスンの責任じゃないと。
そして、ムンソンと父親が北朝鮮で苦労したのも、運命であって、グムスンの責任ではないと。
「しかし、自分の責任でも無いのに、会長はその悲しみを胸に秘め、自分を責め続けた。恨むのなら、運命を恨むべきだろ。何故会長を恨み、ホテルを恨む。会長は私にとって命の恩人であり人生の師匠でもある。お前たちは本物の家族だろ。なのに分からないのか?」
そう言うと、サンチョルはグムスンの病室に向かいました。
グムスンは眠り続けていました。
その腕に残る傷痕、それはサンチョルが若かりし頃、誤ってつけてしまった傷でした。
荒んだ人生を送っていたサンチョルをまっとうな道に導いてくれたのはグムスンでした。
サンチョルは、グムスンの腕の傷を撫でながら、泣きました。
ありがとうございました・・・と。
ジェホンは、リ・ムンソンとしての芝居は終わったけれど、何かやり残したことがあるような気がして、すっきりしません。
自分が出来ることはないかと考えた時、やはりジェホンには芝居しかないと気付きました。
そして、一気に芝居の脚本を書き上げたのです。
「舞台をやるしかない。」
ジェホンはユニに言いました。
脚本を読んだユニは、賛成しました。ユニ自身もやり残したことがあると感じていたのです。
すぐに仲間に声をかけました。
費用は、ジェホンが全て負担しました。サンチョルから貰った報酬がありますからね。
意外な人が芝居に加わりました。セギュです。
「一回きりの芝居をする。たった一人のための芝居を。」
ジェホンが言いました。