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ギルチェは、ヨンジュンに抱き留めてもらいたかったのです、本当は。
が、当のヨンジュンはウネと一緒にいて、その場には来ていませんでした。
期待通りに行かず、ギルチェはイ・ジャンヒョンにお礼を言うどころか、散々失礼な物言いをして背を向けました。
ジャンヒョンは呆れてしまいました。
ジャンヒョンは、親しい農夫のソンチュにギルチェのことを聞きました。
自分が美しいと勘違いしてる娘は?と聞いただけで、ソンチュはそれがギルチェの事だと察しました。
大勢の男を泣かしてるとソンチュは言いました。
ジャンヒョンは、ギルチェを見返してやろうと思いました。
で、この村に根を下ろしてやろうと思いました。
それにはやはり書院に入らなくてはと思いましてね。
クジャムを使いに出しました。
「熟柿を3倍の値段で買うので、書院にいれてくれないだろうか。」
と。
その値段で米を買い入れてくると。
最初は、賄賂など受けないと言っていた師たちも、ジャンヒョンに上手く言いくるめられ、その条件を飲むことに。
ジャンヒョンは、もう一つお願いがあると言いました。
ソンチュとイランの夫婦が、結婚して60年になるのを祝ってあげたいと。
回婚礼と言う儀式です。
本来、両班が行う儀式なので、縁が深い師たちが執り行うべきことですが、今回は、ジャンヒョンが行うのを許可してくれました。
礼は情から生じるものだ・・・と。
ところで、ギルチェはあまりにも自分に自信を持ち過ぎているので、ヨンジュンも本当は自分を好きに違いないと思い込んでいます。
美しいギルチェに見つめられたら、笑顔になるのは、男性なら仕方がないことです。
ギルチェは、ヨンジュンに、想いを抑えないでくれと迫りますが、ヨンジュンは真面目で規律正しい青年ですから、ウネを裏切るようなことは絶対にしません。
ギルチェは、がっくりしましたが、やはりこのまま諦めるようなことはしません。
ヨンジュンのことを知らなさ過ぎるのが良くないと思いました。
だから、誰か・・・世情に通じていて、都の人々の好みを知る人に教えを請わなくてはと考えたのです。
イ・ジャンヒョンです
ギルチェは、ジャンヒョンに取引を持ちかけました。
頼みを聞いてくれたら、私も力になる・・・なんて言って、試験問題を教えてあげると言いましたよ。
ジャンヒョン、そんな事全く願っていないのに・・・と、苦笑しました。
ギルチェは、都の事を教えてほしいと言いました。
ジャンヒョンから見たら、ギルチェは世間知らずの田舎のお嬢さまに過ぎません。
一生懸命に余裕ぶってる様子を見ると、つい、笑ってしまいそうになるのを堪え、ジャンヒョンは話を合わせてあげました。
ジャンヒョンは、ギルチェに都を案内しました。
流行りの衣装や化粧、書物を紹介しました。
そして、男装させ、妓楼に連れて行ったのです。
そこで、ギルチェは、リャンウムと言う歌手の歌を聞きました。
朝鮮最高の歌い手だと称賛されているリャンウムの歌を聞き、ギルチェは心を掴まれました。
感動のあまり涙を流すギルチェを、ジャンヒョンは驚いて見つめました。
ジャンヒョンはギルチェを知れば知るほど、新しい魅力に惹きつけられるようです。
男女の仲についても、あけすけに語るギルチェを、ジャンヒョンは新鮮に感じたようです。
どう見ても、知ったかぶりをしてるわけですからね。
「そなたの知る男は学問に励んでばかりいる世情を知らぬ儒生だけだろう。それゆえ、そなたに一目ぼれしたのだろう。だが私はその者たちとは違う。まぁ、そのうち分かるだろう。」
ジャンヒョンは、ギルチェを抱き上げて船から降ろしました。
さらっとそんな態度をとる男性は初めてだったのでしょうね、ギルチェ。
ジャンヒョンなど、石ころや道端の草くらいにしか思っていないと言っておきながら、ドギマギしてしまった自分を不思議に感じていました。
借りた男性用の服をいつ返せば良いかと聞いたギルチェ。
翌日には、熟柿と米を交換に出かけると言うジャンヒョン。
「では、明日返すついでに見送ります。」
と、ギルチェは言いました。
その言葉を受けたジャンヒョンは、翌日、ギルチェが来るのを待ち続けました。
なかなか現れないギルチェ。
ようやく・・・と思ったら、それは小間使いのチョンチョニ。
ギルチェが来られなくなったので・・・と、チョンチョニは服の入った包みをクジャムに渡しました。
ジャンヒョンは少し寂しそうでした。
ギルチェは、服の中に、小刀を見つけました。
それに文章が刻まれていました。
“梨花を包む月光、わが心の愛しき人”
女性から貰ったモノだと思えました。
その瞬間、一時でもときめいた自分が情けなくなったギルチェでした。
チョンチョニから、ヨンジュンが父に会いに来ていると聞きました。
もう、ジャンヒョンに会いに行く気にはなれませんでした。ヨンジュン>ジャンヒョン・・・ですわな。
ヨンジュンは、仲間と共に、仁祖に上疏する文章を書き上げ、内容を師に確認してもらっていました。
仁祖への上疏は、ヨンジュンたちだけじゃありませんでした。
多くの者から、後金と戦うようにと言う意見が寄せられていたのです。
大臣の意見も分かれていました。
後金を攻めよと言う意見と、後金に使臣を送り、宥めよと言う意見です。
仁祖も悩んでいました。
以前、後金との和解に反対し、義挙を挙げて王位についたわけです。今更、後金に媚びたら、儒生たちから非難を浴びるのは見えています。
10年前は、江華島に避難してなんとかしのぎました。
今回も同じようにすればよいと考えたみたいです。
仁祖は、後金との戦を選択したのです。
しかし、後金は既に清と国名を変え、勢いを増していましたし、同じ轍を踏むことは無さそうです。
村では、ソンチュとイランの回婚礼の準備が開かれていました。
両班も庶民も総出で、準備しました。
美しく着飾ったイランを、これまた馬子にも衣裳のソンチュが嬉しそうに見つめました。
儀式が始まろうとしたとき、ジャンヒョンが米を積んだ馬と共に戻って来ました。
イランの回添えをするギルチェを、ジャンヒョンは嬉しそうに見つめました。
今回、ジャンヒョンはリャンウムも同行していました。
式で歌を歌ってもらうためでした。
リャンウムは、ジャンヒョンの視線に気づきました。その視線の先にいるギルチェを見て、妓楼に来た若い男性だと気付きました。
リャンウムの歌が始まり、居合わせた皆が感動し、ソンチュとイランの幸せそうな姿を嬉しそうに見ていました。
ギルチェは、ウネとヨンジュンが寄り添って幸せそうにしているのを見て、傷つきました。
しかし、それでくじけないのがギルチェの凄いところで。
ここに至っても、まだヨンジュンを自分のモノにしようと考えましてね。
チョンチョニに嘘をついてヨンジュンを呼びに行かせ、2人っきりになったところで、kissしちゃおうって作戦。
ところが、あえ無く失敗。
おまけに、その様子の一部始終をジャンヒョンに見られてしまったのですから、そりゃぁねぇ・・・
「横恋慕は諦めた方が良い。期待せずに、私の元へ・・・。」
一瞬、驚いて言葉が出なかったギルチェですが、すぐに気を取り直して言いました。
「私はあなたが大嫌いです。」
ヨンジュンは一途な人だとギルチェは言いました。ジャンヒョンとは違うと。
「私はお慕いする人と共に春にはお花見をして、夏には小川に足を浸し、秋につくった山葡萄酒を冬に飲みたい。そして共に歳を重ねたい。」
そのように生きたいと?と、ジャンヒョン。
初めて自分の生き方を変えても良いと思ったのかもしれません、ジャンヒョン。
雪が降り出しました。
ソンチュとイランは幸せそうに笑い、民はリャンウムの歌に会わせて踊っていました。
しかし、彼らの知らないところで、戦争が始まろうとしていました。
とうとう後金が攻め込んで来たのです。