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新聞記事によれば、
世界に先駆けて急激な人口減少と少子高齢化に直面している日本は、極限状況に立ち向かう先頭走者、いわば 「 限界先進国 」 だ。
《 昨日の続きです 》
龍穴神社前の奈良県道28号線を南へ向かう、県道は少しだけ広い所もあるがほとんど曲がりくねった狭い道である。 現在は宇陀市になっているが、昔の室生村である。
山の中の県道28号線は、宇陀市室生田口元上田口で国道369号線の立派な道路につながっており、その間に空家・廃屋が点在する。
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龍穴神社から1.3Kmでこの案内板、
東海自然歩道で、宇野川沿いを左へ向かえば 曽爾の済浄坊渓谷へ7Km
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近くには朽ちてゆく家
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屋根の真ん中がへこんだ家
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まだ痛んで無いようだが、住んでる形跡はない、近づいてみれば玄関付近は草木がボウボウ
当地には、傷んでないが誰も住む人の無い家があちこちにある。
現地の人の話では、若い人が出て行った後に年寄りだけが残り、病気になったりしたら空き家になってしまうのである。
さらに南へ、室生下田口辺りにて
県道は西の山と、東の山の間を走る、当然平地は少ない
集落の家々は主に東側の斜面に点在と、モト小学校付近に集まる
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無住の建物に山が覆いかぶさってくる
斜面を歩いて登って行く
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見下ろせば室生下田口の中心地だろう、
写真右奥に見える白っぽい建物が 「 ふるさと元気村 」 の建物だ、もと小学校である
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すぐ下を見れば家々の屋根、手前は耕作されてない畑
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家々は山の斜面に点在する、耕作されている田畑はほとんどない
右手前の家も住んでる感じがしない
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ふるさと元気村の建物をもう少し大きく
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右端の家も住んでない
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手前のガードレールは県道28号線、 左に見える茶色っぽい建物も無住
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手前は 「 もと棚田 」 らしい
草は刈り取られてるが、かなりの間耕作されてないようで、近い将来 棚田だった形跡は無くなってしまいそうだ
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ふるさと元気村の建物
もと 室生村立田口小学校、3階建ての立派な建物である、往時は児童もかなりいたのだろう
2002年廃校となったようだ
寂しく誰もいない学校跡に 「 ふるさと元気村 」 の幟が風になびく
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学校の近く、県道ができる前の 村のメインストリート沿いの家も空き家
さらに南へ向かう
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県道の両脇に建物、ポツンと2軒だけ
左手前の家も当然無住、りっぱな庭園も荒れ放題
向こうの家は細長く旅籠のような建物だ、当然無住、もう少し南で 伊勢本街道につながる地なので、昔は泊まる旅人が多かったのだろうか??
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これも県道沿いだが長年放置されてそうな・・・
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これも県道沿い
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すぐ傍には、こんなのが貼ってある
361坪 = 1,193㎡ で 150万円 !!
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伊勢本街道との分岐、 右が県道28号線、左が伊勢本街道
ここで引き返す
帰り道、榛原額井あたりにて
新しくできた宇陀市都市公園のようだ、 「 眺望の良い公園です 」 と書いてある
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向こうに見えるのは、室生湖に架かる吊橋のようです
我が国の総人口は、2004年をピークに、今後100年間で100年前( 明治時代後半 )の水準に戻っていく。 この変化は、千年単位でみても類を見ない、極めて急激な減少
明治維新 1868年 3,330万人
終戦 1965年 7,199万人
2000年 12,693万人
2004年 12,784万人 高齢化率 19.6%
2030年 11,522万人 高齢化率 31.8%
2050年 9,515万人 高齢化率 39.6%
2100年 4,771万人(中位推計)高齢化率 40.6% ・・・・ 総務省の資料より
この地も例にもれず、あちこちに住人の居ない空き家が草木に覆われ、また屋根や壁の崩れを見せてもの悲しく佇んでいる。
国破れて山河在り
城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺(そそ)ぎ ・・・
その昔、中国の詩人杜甫が詠んだ詩であるが、今の日本の山郷にも当てはまりそうだ
杜甫は戦いの跡を詠んだらしいが ・・・
今の日本の現状はは戦いではない、戦後の復旧から高度成長の反動か?
人々は都会へ~都会へ~ そして田舎は取り残されてゆく
故郷の村には 住む人の居ない家がもの悲しく佇む
村廃れて山河あり 懐かしい家は草木に覆われる
1000年以上も昔の詩人が詠んだ詩と同じではないか!