
そのショーケースの上には、天眼鏡が置いてありました。
ケースの中には、切手のシートが飾られていました。
でも、どうやてってもショーケースの中の切ってシートを天眼鏡で見ても、焦点が合わないんです。
何故、置いてあるのか不思議な天眼鏡でした。
この3連休は、余り空模様に恵まれませんでした。
今日も朝から曇天、その後は雨が降ったりして、肌寒さもあって、ぱっとしない一日でした。
こんな日は建物の中で過ごした方が快適なので、今日は思い切って前から訪れたかった美術館へでかけて来ました。
訪れた先は、新発田市にある「蕗谷虹児記念館」です。
新発田市へ3年弱通勤したし、新発田市の近くに住んでいるにも関わらず、今まで訪れたことがありませんでした。
今、記念館では「蕗谷虹児パリ凱旋展---90年目のパリ再び」という企画展を開催していました。
ロシア正教会をモチーフにした記念館へ入ると、入り口の直ぐ右側に彼の代表作の一つである「花嫁」が展示されていました。
「花嫁」は、この記念館所蔵品の一番の売りですが、入り口近くに飾ってあるとは以外でしたが、目的の絵を直ぐに見ることができたので、それはそれでありがたいです。
蕗谷虹児というと大正ロマンの挿絵で有名ですが、長生して昭和54年に亡くなったので、戦後のかなり後まで活躍していたのは驚きました。
記念館に、戦後彼が描いた子供向けの絵本が展示されていましたが、何となく子供の頃見た本に彼の作品が描かれていたような記憶があります。
モダンな画風と言われていますが、確かに自分の家に飾ってあれば、暫し浮世を忘れさせてくれるような力があると感じました。
天眼鏡ですが、絵に描かれた涙を見るために置いてありました。
「花嫁」の右目には、よく見ると一粒の涙が描かれているのだそうです。
天眼鏡で拡大しないと分からないレベルなので、それで天眼鏡が置いてあったわけです。
で、天眼鏡で花嫁の右目を拡大したら、確かに薄っすらと涙らしきものを確認しました。
本当に涙として描いたのかと個人的には疑いたくなるような薄さですが、そんな話題がこの作品の価値をさらに上げているのだと感じました。
しかし、大事な作品に近寄らせて、天眼鏡を使って見せてくれるとは、本当にビックリしました。
凄く、フレンドリーな記念館ですね。










