OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ダンスは上手く踊れない

2008-02-12 17:40:18 | Jazz

恥ずかしながら、18年ほど前、必要に迫られて社交ダンスを習ったことがあります。

そして今、再び、ある事情からシャル・ウイ・ダンス♪ ということで、密かにステップの練習をやっているのですが、なんかそれに合ったレコードは無いかいな?

とラックを漁っていたら、ありました――

All Smiles / The Keknny Clarke Fancy Boland Big Band (MPS)

クラーク=ボランのビックバンドといえば、欧州をメインに活動していたオールスタアの楽団として幾枚かの人気アルバムを残していますが、そのいずれもが何からのテーマがしっかりと据えられたものでした。

で、このアルバムは良く知られたスタンダード曲ばかりをダンサブルなアレンジで聞かせた人気盤♪

録音は1968年5月13&14日、メンバーはケニー・クラーク(ds)、フランシス・ボラン(p,arr) 以下、ベニー・ベイリー(tp)、アイドリース・シュリーマン(tp)、ジミー・デューカー(tp)、ソニー・グレイ(tp)、オキ・ペルソン(tb)、ナット・ペック(tb)、エリック・ヴァン・リエール(tb)、デレク・ハンブル(as)、ジョニー・グリフィン(ts)、ロニー・スコット(ts)、トニー・コー(ts)、サヒブ・シハブ(bs,fl)、デイヴ・パイク(vib)、ジミー・ウーディ(b)、ケニー・クレア(ds) という凄腕集団! 常連メンバー中にあって、デイヴ・パイクの参加が珍しいところです♪

ちなみにアルバムをプロデュースしたのは、イタリア人興行師のジジ・カンピで、実はこの人がバンド結成の仕掛け人だったと言われています――

A-1 Let's Face The Music And Dance
A-2 I'm All Smiles
A-3 You Stepped Out Of A Dream
A-4 I'm Glad There Is You
A-5 Get Out Of Town
B-1 By Strauss
B-2 When Your Lover Has Gone
B-3 Gloria's Theme
B-4 Sweet And Lovely
B-5 High School Cadets

――という演目は、ほとんどが3~4分程度の演奏ばかりですが、密度が濃くて強力にスイングしまくっています。

まずA面ド頭の「Let's Face The Music And Dance」はフレッド・アステアの映画で使われていたはずですが、あの優雅なステップが思い浮かぶようなテーマの合奏から一転、アドリブパートではデイヴ・パイクの強烈なヴァイブラフォンがハードバップそのまんま! リズム隊とバンドアンサンブルも豪快にうねりますから、う~ん、これじゃ、踊れない……。

しかし続く「I'm All Smiles」になると、またまたデイヴ・パイクのヴァイブラフォンが主役ではありますが、今度は優美なワルツタイム♪ ダブルドラムスの威力というか、メリハリの効いたビートが素敵です。

さらにゴージャスな「You Stepped Out Of A Dream」や「Sweet And Lovely」で気分は完全にダンスホール♪ またチークタイムみたいな「I'm Glad There Is You」には和みますし、ロニー・スコットの熱血テナーサックスが咽び泣くハードボイルドなバラードの「Gloria's Theme」は、心にずっしりと響きます。

ただしバンドの基本は、あくまでもモダンジャズということで、如何にもアメリカンなコブシが効いた「When Your Lover Has Gone」とか、重厚なアレンジが素晴らしい「Get Out Of Town」、変則ワルツの「By Strauss」にはジャズ者の血が騒ぎますねぇ。

またオーラスに置かれた“マーチの王様”スーザが書いた「High School Cadets」は、最高に景気の良い演奏で、スカッとしますよ。

メンバー各人のアドリブも流石に煮詰められた良さがありますし、フランシー・ボランのアレンジはシンプルでいてジャズのキモを掴んだものだと思います。

それとジャケットの魅力は言わずもがな♪

ということで、全然、ステップの練習なんか出来やしないです。尤も全く絵にならない私ではありますが……。

コメント
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