■蒼い多感期 / 宇沙美ゆかり (キャニオン)
宇沙美ゆかりを女優とするか、女の子アイドルと見るかは十人十色の感性とは思いますが、サイケおやじとしては、実力派の歌手という評価もしております。
しかし、最初に彼女を知ったのは昭和58(1983)年秋に封切公開された、あだち充の漫画を原作にした実写版「みゆき(井筒和幸監督・東宝)」を鑑賞した時で、そこでヒロインの「若松みゆき」を演じていたのが宇沙美ゆかりでありました。
ただし、失礼ながら映画そのものの出来は ??? で、せっかくの人気原作を活かしきれないのは監督の無能さの証明としか思えないほど、演出に冴えが感じられません。
ところが、それとは逆に出演者各々がなかなかの好演を披露している印象で、結局はそのあたりが井筒監督の狙いだとしたら、流石はプロの手際と思う他はないんですが、だからこそ新人だった宇沙美ゆかりの印象も強かったのでしょう。
そして予定どおりというか、翌年春には堂々の歌手デビューとなり、発売されたのが本日掲載のシングル盤というわけなんですが、とにかく作詞:売野雅勇&作編曲:後藤次利が提供したA面収録「蒼い多感期」を聴いた瞬間、サイケおやじは宇沙美ゆかりの歌唱力にクリビツテンギョ~~!?!
なにしろ楽曲が後藤次利の十八番である打込みを用いたデジタル系ポップス歌謡であり、アップテンポでライトタッチのビート感と既視感滲むメロディ展開がある以上、緩んだ歌唱はご法度という中で、彼女のボーカルの溌剌とした節回しはジャストミートのホームラン!
と書きたいところなんですが、個人的には彼女の声質やノリを活かせるのは、もう少し落ち着いた曲調が合っていると思ったのも、また本音でありました。
しかし、そんなサイケおやじの希望は必ずしも叶わず、レコードもそれなりに発売し、映画やテレビドラマにも出演してはいましたが、昭和61(1986)年頃を境に、何故か芸能活動が縮小されてしまった様で……。
後で知ったところでは、引退されて出身地の沖縄に帰郷したとか、それはそれで本人の意思を尊重するしかありません。
それでもサイケおやじは、もっともっと大成出来たと思うんですよ、宇沙美ゆかりは。
ということで、実は前述の東宝映画「みゆき」を鑑賞したのは、某業界の知り合いからチケットを頂戴したからでして、もしもそれが無かったら、宇沙美ゆかりに興味を惹かれる事も無かったと思えば、「偶然」の出会いは、大切にしなければなりませんよねぇ~~。
それが人生の機微と言えば、例によってサイケおやじの大袈裟の表れではありますが、それがあるからこそ、この世は面白いと思うばかりでございます。