OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

奥田圭子の魅力は曖昧

2020-06-22 17:50:21 | 歌謡曲

夢ください -知・的・優・遊- / 奥田圭子 (アポロン)

今となっては有象無象が犇めいていた昭和の芸能界において、殊更昭和60(1985)年から前後3年間に登場して来た女の子アイドルほど、マニアックな領域も無いでしょう。

何故ならば、活動していた主戦場がテレビやラジオ、あるいは映画演劇、さらにはCMやイメージビデオ、果ては成人映画やアドルとビデオ等々、加えてグラビアという王道が用意されていたのですから、当時残された様々なブツが現在まで、幅広く収集の対象となっている状況は、ある意味じゃ~持続経済と言えるかもしれません。

と、ノッケから例によっての大袈裟節もサイケおやじの顰蹙的十八番ではありますが、本日の主役たる奥田圭子にしても、昭和59(1984)年頃から芸能界でジワジワと存在感を増していたタレントであり、その本業が女優なのか? あるいはモデルなのか? もしかするとアイドルシンガーなのか?

サイケおやじにとっては最初っから正体が掴めなかった時、たまたま知り合ったばかりの広告屋から頂戴したのが、本日掲載のシングル盤でして、それは収録A面「夢ください」が某万年筆メーカーのCMタイアップ曲だったからでした。

また、そのジャケ写ポートレートに登場している奥田圭子の美少女イメージは、そのまんまリアルタイムで人気を集めていた大勢の女の子アイドルのステレオタイプみたいで、良くも悪くも、またまた彼女の本性(?)が曖昧にされているあたりはニクイばかり?

う~ん、同時期にテレビの歌番組で接した彼女からは、一般的なアイドルとは異なる未完成なクールビューティーっぽさが感じられ、それでいて作詞:鈴井みのり&作曲:玉置浩二から提供された肝心の「夢ください」が分かり易いメロディラインと子供っぽい声質の節回しで歌われているんですから、なにやら微妙な倒錯感を覚えてしまったですよ。

そこには打ち込みのデジタルサウンドを主体にしつつも、8ビートの不思議なアナログフィーリングが滲み出た奥慶一のアレンジの妙があり、あまりにもベタな間奏のギターソロが逆説的に好ましいと思えてしまうんですから、全ては巧妙な確信犯的所業なんでしょうかねぇ~~~?

で、そんなこんなの答えを得られぬままに、サイケおやじは仕事で異郷の地へ送り込まれ、すっかり時代は平成も中頃、中古屋で邂逅した彼女の「プラスティック」というニューウェイヴ歌謡をA面に入れたシングル盤に邂逅し、なぁ~んとなくではありますが、奥田圭子の正体が仄かに感じ取れた様な気が……。

とりあえず今回は件の「プラスティック」については触れませんが、芸能界に導いた制作スタッフは最初から彼女の色合いを決めず、様々な可能性を持った「伸びしろ」を意図的に残す売り出しを企図していたとすれば……。

既に述べたとおり、サイケおやじが島流しからご赦免された時、奥田圭子は引退されていた様ですが、彼女の正体を見極めんとする衝動は、今も継続している次第です。

ということで、しかし、それにしても楽曲サブタイトルの「-知・的・優・遊-」って、なんですかぁ~~?

既存のアイドルとの違いを強調する手段としては、聊か香りが高過ぎると感じてしまうんですけどねぇ……。

う~ん、これでもそこそこのヒットになっていたんですから、当時のアイドル業界の勢いの凄さを思い知るばかりでございます。

コメント
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