■風よつたえて / ルーシー・ケント (vap)
現在では珍しくもないハーフの芸能人に未だ希少価値(?)があったのは、おそらく昭和50年代までだった様に思います。
なにしろハーフには東洋系雑種民族には持ち得ないスマートなカッコ良さがありますからねぇ~~、殊更当時の純(?)日本人にとっては、まだまだ拭いきれない敗戦国意識も無意識に作用していたのでしょうか、ある種のコンプレックスが憧れに繋がっていた事は否めないんじゃ~ないでしょうか。
それは所謂パツキンとかグラマーだとか、そんなこんなの括りで女を見てしまう我々の「目」の卑小さと言われれば、まあ……、それまでなんですが、しかし個人的な嗜好の最大公約数がそこにあったならば、それだって否定する事は出来ないわけで…… (^^;
と、例によっての回りくどい書き出して失礼致しました。
とにかく、そんな風潮の中で登場したキュートなハーフの美女にはノー文句でイカレさせられたのが我々サイケおやじと同世代の野郎どもだったと、姑息な言い訳を繕わせてもらいながら本日ご紹介するのが、昭和58(1983)年に発売された掲載シングル盤の主役たるルーシー・ケントです。
もちろん、このジャケ写イメージからして皆様既にご推察のとおり、日米ハーフの彼女は六本木のオールディズ系ライブハウス「ケントス」に当時はレギュー出演していたボーカリストで、サイケおやじも2回ほどステージに接した事がありましたが、ルックスは極めて所謂アメリカングラフティがジャストミートしていましたし、ファッションセンスもナチュラルに似合っていたもんですから、そのまんま芸能界のメジャーな場所へ進出し、テレビではバラエティ番組のアシスタントとして活躍し、同時にラジオでのDJとしても人気を集めていましたですねぇ~~♪
なにしろ英語がノーマルに喋れたところに独特の日本語の入れ込み方とか、だからこそラジオの仕事だけではなく、様々なイベントでの司会等々の他に、もしかしたらカセット企画だったかもしれませんが、そんな雰囲気が横溢したDJだけの「お喋りレコード」みたいなブツも出していた記憶が朧げにあるほどです。
そして掲載盤こそは、おそらくはルーシー・ケントにとっては唯一の本格的ボーカル作品かもしれません。
ところが結論から申し述べれば、作詞:篠塚満由美&作編曲:山田晃大から提供された収録A面曲「風よつたえて」はオールディズ風味よりはユーミンっぽいニューミュージック系歌謡曲になっておりまして、彼女の歌唱にもソフトな声質と節回しが顕著という、しかし、これが、なかなかに心地好いんですねぇ~~♪
バックの演奏パートにもリアルタイムで流行っていたフュージョン~AORスタイルが色濃く、現在聴いても懐かしさと同時に不滅の輝きがあると思うばかりです♪♪~♪
う~ん、ジャケットイメージとの差異が大きいのは、これ如何に?
でも、イイと思えば、何時までもっ!
ってやつなんですよねぇ~~ (^^♪
ということで、ルーシー・ケントは恵まれたルックスがありながら、どちらかと云えば「声」の仕事を優先させてのブレイクだったんですねぇ~~、賛否両論はありましょうが。
今となって、彼女も忘れえぬハーフ美女の芸能人でありました。
あぁ……、どうしているのかなぁ~~ (^^♪