Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

連城三紀彦「造花の蜜」

2011-01-29 08:19:20 | 読書
ハルキ文庫 (2010/11).上下2分冊.

単行本が出た 2008 年にはかなり話題作になった誘拐ミステリ.いかにも職業作家によるもの という感じで,読んでいる間は引っ張られる.ただし,読んだ後は,前半・後半で一貫性がないのにひっかかった.

原作はいくつかの地方新聞に連載されたということ.執筆開始時に荒っぽいデッサンはあったのだろうが,連載中にいくつか路線変更があったような感じ.怪しい登場人物は (ヒロイン?も含めて) 正体不明のままで,また いかにも思わせぶりな記述が,解決されずにそのまま終わってしまったりする.

単行本化にあたって加筆修正したとあるんだけれど.

描写は緊迫感にあふれているが,こういうストーリーならもっとおもしろおかしく,たとえぱ泡坂の「妖盗S79号」みたいな書き方のほうが楽しかったんじゃないの.とくに,手品みたいな最後の章を読んで そう思った.
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