Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「水からの伝言」をめぐって

2011-05-12 09:43:11 | エトセト等
物理学会誌 5 月号に,天野優子・菊池 誠・田崎晴明の三氏による標記の論文 (と言えるだろうか?) があった.
江本 勝著「水からの伝言」波動教育社 (1999) に対する批判である.この写真は http://www.rakuten.co.jp/genki21/523990/506934/442173/ から転載したものだが,そこにはこの本が

*****
水は心の鏡だった!水の結晶を見れば河川や水道水の善し悪しがわかる。
良い言葉、悪い言葉、そして音楽にまで反応し、変化する水…世界中に知らせてほしい水の結晶が示す真実。教育、環境、医学、宗教界は、この衝撃の事実をどう見るか?
すべての人に、とくに子を持つ母親に贈りたい希望の書 !
*****

と紹介されている.

一種のトンデモ本.

しかし,「良い言葉、悪い言葉、そして音楽にまで反応し、変化する」という部分が,小中学校の道徳教育で使われた (もしかしたら今でも疲れている) というから,物理屋としては見過ごせない.ちなみに,ヘヴィメタルは悪い音楽だから結晶を破壊するらしい.

ウィキペディアの解説も下世話でおもしろい.芸能人がテレビで取り上げ,タレント議員が国会で宣伝し,一種のブームになった,らしい (けれど全然知らなかった).昨今の軽くなった価値観を象徴しているのかも.
とすれば,道徳教育も生徒に軽ーく聞き流されるだけなのかもしれない.
センセイの言うことは全部本当ではない (これは,小学校でも大学でも同じである) ...という反面教育の見本 ?!

「批判するなら反証実験が必要」という議論に対しては,この論文では不必要という論理を展開している.そりゃそうだ.

この論文の論旨は,著者の一人 田崎氏がウェブhttp://www.gakushuin.ac.jp/~881791/fs/に載せた文章とほぼ一致するようだ.

ただしウェブをサーフした感じでは,ブームは去った感じて,江本氏側は近年だいぶトーンダウンしているようだ.数年前に記事が出たらもっと有意義だったかもしれない.



関係ない話だけれど...
J 子はやさしいコトパをかけながら水をやると,きれいな花が咲くと思っているらしい.

コメント (3)
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