Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

閉じた本

2011-05-22 09:48:50 | 読書
ギルバート・アデア著 青木純子 訳 東京創元社 (2003/09)

図書館で借りたのは単行本だったが,2009/12 に文庫化されている.

「BOOK」データベースより
交通事故で眼球も失ったブッカー賞作家ポールは、世間と隔絶した生活を送っていた。ある日彼は、新聞に口述筆記用助手の募集広告を出す。面接に訪れた青年ジョン・ライダーは、作家ポールの無惨な顔貌にもたじろがず、みごとに職を得て,作家の望む仕事、回想録の口述筆記を新しいマックであざやかにこなしていく。何も見えないポールが、現実世界を知るのはジョンの言葉を通してだけ。すべては順調に進んでいるようだが、何かおかしい…。ちょっとしたきっかけでポールは恐怖に襲われる。ジョンという眼を得たのに、実は彼は以前よりも深い闇の中に引き入れられているのかもしれない。彼の恐怖はそのまま読者の恐怖となる。いったいジョン・ライダーとは何者なのか? なぜここにいるのか? そ して、結末にやってくる驚き! 会話と独白体のみで綴られた、サスペンスに満ちた傑作。


変わった小説を読んでみたいという望みはまぁ満たされた.読み始めたらやめられなかった.「回想録」なるものはけっこう高踏的だし,ポールとジョンの問答にも,エンタメ小説を突き抜けた部分がある.
それにしては,結末が平凡で後味が悪い.
この単行本の,訳者による解説はとても良い.解説によれば,アデア氏は奇妙な小説の大家だが,その作品は絶版になりがちらしい.
コメント
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