佐村河内守という作曲家には別にゴースト作曲家がいたのだそうだ.
だれが作曲しようと,楽曲が良ければいいじゃないか.こうした問題で抹殺されてしまうような曲なら,所詮マスコミがでっち上げた話題曲にすぎない...とか言って,問題の作品群には全然関心がなかったんだけど.
ちなみに,JASRACが「権利の帰属が明確になるまで作品の利用許諾を保留」しているため,演奏も放送もできないのだそうだ.
代作した新垣隆氏は現代音楽の作曲家で,(交響曲のようなクラシックといえども) 商業音楽と割り切っていたのではないだろうか.
佐村河内守は現代のベートーベンと言われたそうだ,しかし Wiki によれば,ベートーベンの場合も全く聞こえなかったわけではない,というのが現在の定説らしい.
動画は史上最高のバイオリニストのひとり,フリッツ・クライスラーによる「ベートーベンの主題によるロンディーノ」.
クライスラーは演奏旅行先にある歴史ある図書館などで埋もれていた作品を発掘したと称して,十曲以上の自作曲を演奏・出版した.「ブランド」で音楽を聴く輩への皮肉だろう.「作品はすばらしいが、演奏は大したことがない」とけなした評論家もいたらしい.後年「自作曲ばかりじゃ聴衆が飽きると感じるだろうし,またクライスラー作曲とあると他のヴァイオリニストが演奏しにくいから、他人の名前を借りたのさ」と語ったそうだ.
では,このロンディーノは?? http://josephsmithpianist.com/wp-content/uploads/2012/10/Kreisler.pdf に,同時代のピアニスト,レオポルド・ゴドフスキによる考察を発見.ヒントくらいは得たかもしれないが,イマ的感覚では純然たるクライスラーの作曲と楽譜を見て思った.有名な「美しきロスマリン」も,クライスラーは,はじめは Lanner という作曲家の作品として発表したと,これを読んで初めて知った.