Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

血の探求

2014-02-18 08:20:03 | 読書
エレン・ウルマン 著, 辻 早苗 訳,東京創元社 (2014/1).

BOOK」データベースより*****
1974年の晩夏。休職中の大学教授である“私”は、サンフランシスコのダウンタウンにオフィスを借りた。そこは元続き部屋で、内部には隣室につながるドアがあった。ある日、そのドアから精神分析のセッションが聞こえてきた。“患者”は若い女性で、養子のため自分の出自がわからず、アイデンティティの欠落に苦しんでいた。“私”は息を殺して、産みの母親について調べる患者の話に耳を傾け続け、やがてふたりに気取られないようにしながら母親捜しの手伝いを始める。彼女はなぜ養子に出されたのか。“血の探求”の驚くべき結果とは―。本文のほとんどが盗み聞きで構成された、異色かつ予測不可能な傑作ミステリ。*****

原題はBy Bood.「血の探求」は出自さがしのこと.盗聴小説は面白いが,盗聴する"私"に多少異常とされる性格付けが必要.それが障害となって,読む側は"私"にイマイチ思い入れ出来ないのが辛いところ.登場人物は私,精神科医,その患者の三人だが,精神科医にもうちょっと何かがあるかと思った.この小説をミステリと言うのは疑問.歴史小説のような側面もある.患者がレズビアンと言うことになっているが,この設定は必要だったんだろうか?
アメリカの小説にはよくあることだが,面白くなるまでが長く忍耐が必要.

「血」という字で遊んでいるカバーデザインは,装画:管弘志,装幀:森田恭行(キガミッツ).

図書館で借用した.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg