Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

乳児はみんな絶対音感を持っている ?

2014-02-12 08:36:50 | 新音律
Wikipedia には,「絶対音感(perfect pitch)とは、ある音(純音および楽音)を単独に聞いたときに,その音の高さ(音高)を記憶に基づいて絶対的に認識する能力である.狭義には,音高感と音名との対応付けが強く,ある楽音を聞いたときに即座に音名・階名表記で表現できる能力である」とある.

絶対音楽が注目されたのは最相葉月の同名の本がベストセラーになってからと思うが,違うだろうか.
「車の警笛がドレドレだ」などと,昨今もっぱら幅を利かせているのは狭義の定義である.「固定ド」教育と相俟って,ジャズのように転調もどきを繰り返す音楽には,絶対音感は有害無益という見方もある.
何十年か前の音楽の授業を振り返ると,当時は「移動ド」「固定ハ」であった.これはなかなか理にかなっていた。「固定ハ」ではなく「固定 C」とすれば国際的で,もちろんジャズでもこの上なく有用であろう.

子供のうちに絶対音感を刷り込め という本も出回っている (カットに,この凄いカバーデザインを拝借した本は,読んでおりません.以下の文章はこの本とは関係ありません...悪しからず).

ところが「歌うネアンデルタール」には,乳児は絶対音感を持っていると書いてあった.もちろん,乳児はドレミを知らないから,Wiki が言うところの広義の絶対音感である.そこで参照されていた文献
Saffran, J.R. and Griepentrog, G.J. (2001) Absolute pitch in infant auditory learning: Evidence for developmental reorganization. Developmental Psychology 37, 74–85.
の原文がネットで無料でダウンロード出来ることを最近知った.

乳児のうちは絶対音感に頼っているが,言葉を覚えるあたりから相対音感にめざめ,それとともに絶対音感を忘れるらしい.絶対音感は原始的な能力かな.しかしDevelopmental Psychology (発達心理学?) の知識がないせいか,実験方法がイメージできない。自分はこの論文を間違って理解しているかもしれない.残念ながらこの主張の限界も見えない.10年以上前の論文だが,その後の動向も知りたい.
どなたか critical eye でのご意見を!

私たちの著書「視て聴くドレミ」もよろしくお願いします...ただし絶対音感には言及しておりません.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg