物理学会で,人生最後となるはずの,シンポジウムの司会をした.この学会のために東横インに3泊した.
インの客室に「たのやく」という広報誌?が置いてあった.さまざまな雑誌・書籍の“転載記事”により構成された雑誌とのこと.四月号の特集は「こどものイロイロ」.そこに麻布中学の入試問題が取り上げられていた (帰ってからネットで調べたら,今年のではなく去年の問題だった.知らなかった.ちょっとがっかり).
問題は,*****
99年後に誕生する予定のネコ型ロボット「ドラえもん」。
この「ドラえもん」が優れた技術で作られていても、生物として認められることはありません。
それはなぜですか。理由を答えなさい。
(2013年 麻布中学校入試問題 理科)*****
こりゃ面白い,と思ったのだが,じつはこの問 7 にはずっと前の方,問 1 の前の前文にヒントが隠されている.
「地球上の「生物」に共通する特徴として,以下の3つがあげられている.1)自分と外界とを区別する境目をもつ; 2)自身が成長したり,子をつくったりする; 3)エネルギーをたくわえたり、使ったりするしくみをもっている」
がその文章.こちらで問題の全容がわかる. 2) を写して,成長したり子をつくったりしないからと,答案用紙に書けば良い.
国語の問題ならこれでよかろう.しかし理科の問題だったら,ヒントなしに受験生に思うところを書かせて,その解答 (多分 奇答珍答) から理科的センスを判断するべきなんじゃないの.
これは,おとなの言うことを理解できるか? おとなの言うことをきけるか? を合否基準にする問題だ.麻布中学は,いや,ほとんどの日本の学校はそういう生徒を求めているんだろうけど.
先生の採点が楽なことも理解できるけど.
ただし,もちろん「たのやく」では良問 ! というニュアンスで紹介されていた.