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ブリジット オベール, 堀 茂樹 ・ 藤本 優子 訳 ハヤカワ文庫HM (1997/07)
「BOOK」データベースより*****
医者のマーチ博士の広壮な館に住み込むメイドのジニーは、ある日大変な日記を発見した。書き手は生まれながらの殺人狂で、幼い頃から快楽のための殺人を繰り返してきたと告白していた。そして自分はマーチ博士の4人の息子―クラーク、ジャック、マーク、スターク―の中の一人であり、殺人の衝動は強まるばかりであると。*****
書店でこの本に惹かれた理由.
1)ここでしか買えません,有隣堂限定復刊.
2)アゴタ・クリストフ絶賛
3)カバーデザイン
注
1)有隣堂はもともとは横浜の書店だが,関東地方でチェーンを展開している.この本は学会で出張した際に発見.
2)アゴタ・クリストフは,ベストセラー「悪道日記」(1986, 翻訳は1991)の著者.
3)カバーは和田誠.帯も同じ色を使ったところが,上手い.
小説では,殺人者の日記と,ジニーの日記が交互に現れる.ふたりの訳者がいるが,殺人者のぶんを堀さん,ジニーのを藤本さんが担当し,後で調整したとのこと.
ちなみに「マーチ博士の四人の娘」は,若草物語のヒロインたちのことだそうだが,中身は「あのすこぶる教育的な児童文学 (解説における表現)」とは全くかけ離れたもの.
著者はフランス人女性だが,舞台はアメリカ.聞き覚えがある地名も出てきた.
最後の 8 ページの「エピローグ」でやっと種明かし.くれぐれも,ここを最初に読んではいけない.