
もともとは WEB 小説だが,4 作目までが角川文庫からシリーズ化されている.iPad で読んだのは無料の第 1 作だけだが,それなりに満足した.しかし紙の本で読んだら印象が変わるかもしれない.
語り手は高校生の「僕」だが,ヒロインは横柄な口をきく美人のお嬢様.彼女は骨フェチで,骨が欲しいために死体も好きらしい.豊富な法医学的な知識を活かして,探偵的に行動する.舞台は旭川.3編連作で,それぞれちゃんとしたミステリとしての骨格を持っているとは言えないが,そんなもんでしょう.おいしいものを食べる場面が多く,グロテスクな場面はない.ボク的ベストは降霊会を扱った「第参骨 薔薇の木の下」.
ビブリア古書堂...,珈琲屋タレーラン...,思い出のとき...などの,まんがカバーのシリーズ・ジャンルを何と呼ぶのだろうか.こうした中で櫻子さんものは平均点以上と思う.
タイトルは「櫻の樹の下には屍体が埋まつてゐる...」で始まる梶井基次郎の短編 (散文詩?) を下敷きにしているが,こちらも青空文庫でただで読める.