一段落したかと思ったら,自身の論文に疑義とかで理研STAP調査委員長が辞任を表明したらしい.
この一連の騒動は週刊誌のネタにはなったし,リケジョ割烹着,理研ノート,守護霊インタビュー等は,消費税で冷えている経済をささやかに暖めたとは思われる.首相は彼女に感謝すべし.
一億総科学評論家と化した感があり.それは悪いことではないだろう.小生も黙っていられなくて.3/23 の当ブログの他にも,二 三 FaceBook に書き込んだ.抜粋すると
4/10 *****
彼女はユニットリーダーだそうだが,他にメンバーはいないの? というのも疑問.メンバーは実験に参加したの? なぜ Nature に共著者として名前を並べないの? それともリーダーひとりだけのユニット?
さっさと割烹着を持って嫁に行けばいい…といった暴論が聞こえないのは,日本の社会が進歩した証拠かも.
4/15 TA さんへの「コメント」として*****
STAPは異分野ですが,私の周辺,つまり理工系人種と世間一般とは受け取り方に温度差があるようです.
問題点は 1)論文中の2枚の写真 2)内容そのもの の2点.英文のコピペは不問とされています.
1) 論文誌の読者でもたいてい文章は斜め読み.しかし写真は眺めます.今度の場合は例えて言えば,お見合い写真の1枚はレタッチされており,1枚は他人だった,という感じ.これに関わったのは論文の著者数人のうちで彼女だけというのもうなずけます.科学の世界ではこれは論外.
2) 内容 すなわちSTAPが存在するか? という問題は,論文の著者のひとりが実験条件に対して疑義を示している状態で,現在は藪の中.しかしSTAP存在が明らかになれば,1) の問題を吹き飛ばして,彼女の名前は残るでしょうから,それで良いのではありませんか?
この問題をなおさら不愉快なものにしたのは,会社(じつは独立行政法人)が最初にアイドル仕立てで彼女を宣伝に利用したからでしょう.
*****抜海はここまで.その後 4/16 に笹井氏が記者会見した.
問題の発端となった論文は
このサイトから自由にダウンロードできる.タイトルにさえ私には分からない単語があるが,そんなもんでしょう.
第2著者若山氏は実験もやったらしいが (教授というご身分なので実際に手を動かしたかどうかは疑問),小保方さんから受け取ったサンプルに疑問を呈している.第3著者笹井氏はその後の会見で「合理性の高い仮設」と言っているところを見ると,実験そのものを否定しているのだろう.この論文は写真の入れ替えだけでは済まないと,おふたりは判断しているということだ.
笹井氏が「実験ノートを見せなさい」などという失礼なことは言えない...と釈明している.子供扱いしないのはひとつの見識だが,それなら彼女に研究費や研究室や大きな自由度を与えた「任命責任」が問題だ.
理研の若い研究者を使い捨てにする政策に批判が集中している.でも,この政策は理研・ひいては研究の世界だけのことではない.世の中全体に余裕がなくなってきているのだから,理研のブラック企業化も仕方のないこと?
関係者が記者会見ばかりするのはいかにも劇場的.笹井氏の説明にはもっともと思える反論もある.理研あるいは然るべき学会が,このテーマで専門家を集めてシンポジウムを開催すべき.
小保方さんは,「百年後に役に立てば...」と言っていたが,それ (だけ?) は正しい認識ではないだろうか? これがすぐお金になると妄信して,秘密主義に走ったり,それを黙認したり・利用したりするのが馬鹿馬鹿しい.