Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

安野光雅「絵のある自伝」

2014-05-25 08:16:06 | 読書
文春文庫 (2014/05).

もとは日本経済新聞に連載の「私の履歴書」だそうだ.自伝と言うものの,系統的ではなく,話があっちに行ったりこっちに行ったりする.そこが良い.

内容は,百聞は一見にしかず.文春の特設サイト
http://bunshun.jp/pick-up/anno-jiden/
で文章の立ち読み,絵の立ち見ができる.

安野さんは津和野出身で,中国地方では親しみをもたれている.この間も広島のデパートで展覧会があったところだ.
朝鮮半島に近いので,自伝には朝鮮人がしばしば登場する.皆,良い人たちである.

16 トンにいちばん受けたのは,刑務所から出すという想定で,著者が実際に出したふざけた年賀状のはなし.これを「自伝」に書くのがおもしろい.
枠を作って,そこに所長・看守長・看守のはんこ (戌年だったので,犬井・犬塚・犬飼) が押してある.「ことしは真人間になって...」という文面にもマル検のはんこ.
賀状を嘘と見破った人のほうが,本当にした人よりもたちが悪いということが,だんだんわかって来たそうだ.
コメント (2)
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