Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

音楽史と音楽論

2014-05-31 08:38:17 | 新音律
柴田 南雄,岩波現代文庫(2014/04).

Amazon の商品の説明*****
古代から現代まで、音楽はいかに変遷してきたか。本書は日本を軸に東洋音楽、西洋音楽の歴史を人類史とともに共時的に比較する斬新で画期的な試み。現代の世界音楽を非西欧と西洋古典音楽が融合した新たな音として捉え、音楽史を新たな地平から描き出した。至上の音楽的知性による、実作と理論活動のエッセンスを凝縮した力作。(解説=佐野光司)*****

もともとは 1988 年に出版された放送大学のテキスト.
時代順に日本 (および日本と接触のある東洋) と西欧が交互に記述される.タイトルの「音楽史」は分かるが「音楽論」は意味不明.

江戸時代前半は日本では創造の時代であるが,後半には新味が乏しくなる.これと交代するように,江戸時代後半は西欧では古典派・ロマン派という創造の時代となる.日本と西欧は位相が 100 年くらいずれているという指摘がおもしろい.


図は本書からの引用で (遡ればドイツの音楽学者ロレンツの引用) 西洋音楽は空間と時間の間を振り子のように往復していると言う.浅学のためこういう見方は新鮮だ.でも,では日本音楽では? ということは書いてない.

第二次大戦後の作曲界として,音列音楽・電子音楽・ミュージックコンクレート・偶然性の音楽・諸民族の音楽用語の借用・ミニマルミュージック等が詳しく語られる.ポピュラー音楽無視の姿勢は残念...今のクラシックだって,昔はポピュラーだったものが多いのに.

年表があれば,例えば「南北朝時代の内外の音楽は? 」などという疑問がすぐに解決するのにと思う.放送大学の学生さんは年表くらい自分で作ったんだろうか?
コメント (2)
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