Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

殺人出産

2016-09-12 07:50:04 | 読書
村田 沙耶香,講談社文庫(2016/8).

単行本は 2014/7.著者が芥川賞を受賞したので文庫化したのだろう.巻末に解説なし.

Amazon の引用 *****内容(「BOOK」データベースより)
「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい―。そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない…。三人での交際が流行する、奇妙な世界を描いた「トリプル」など、短篇3作も併録。普遍の価値観を揺さぶる挑戦的作品集。*****

近未来の日本の生と死とセックスをテーマにした4作.SF として読むと突っ込みたくなる箇所ばかりだが,これが芥川賞文学かと思ってなんとなく納得.
表題作の設定「殺人出産制度」は,そんな馬鹿な と思って読み始めた.男性にも人工子宮で妊娠・出産させるのだ.しかし読み進むうちに,これも なんとなく納得させられた.感動の ?  ラストなど,うまいものだ.

男性には思いつかない設定と描写.
私的評価では,同じく人口減をネタにした垣谷 美雨「七十歳死亡法案、可決」幻冬舎文庫 (2015/2) よりは星一つ上.
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