Sixteen Tones

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統計的地震予測 昨日の続き

2016-09-14 09:32:32 | 科学


昨日の続き.9/11 放映の NHK スペシャル 地震予測に挑む -次はいつ どこで起きるのか- について.
番組中で尾形良彦先生が板書されたこの式は,時間 ETAS モデルによる,一定の大きさ以上の地震の条件付き強度関数というもの.


尾形 良彦「地震の確率予測の研究 — その展望」統計数理(2015) 63 (2015) 3–27
の式 (4.5) である.ちなみに,ETAS は epidemic-type aftershock sequence だそうだ.
自分はかってプラズマのディジタル制御をもくろんで,統計数理研にお邪魔したことがある.そのころ知った AIC (赤池情報量規準)がここに至る過程で重要な役割を果たしている.

よく見れば,要するに時刻 t_j にマグニチュード M_j の地震が起きたというデータを,シグマしているにすぎない.M_c は検出の下限,残りのパラメータ K,P,alpha などは門外漢にはよくわからないが,実際と合うように試行錯誤で決めればよいのだろう.

かって このブログで東海地震予知体制を廃止し,大震法を撤廃すべしという,東京大学・ロバート・ゲラー教授の主張を紹介したことがある.ケラー氏はまた,東北地方の歴史記録が,地震の危険性を見積もるときに考慮されていれば,3.11 の東北地震は一般には容易に「想定」できたはずと説く.
また,NHK スペシャル中でも日本地震学会会長・山岡耕春氏は統計予測について「めったに起こらない大地震は予測困難」とコメントしていた.

この統計予測には歴史文献上のデータはどう反映されているのだろうか / あるいは,これから反映する計画があるのだろうか.

ただし,板書の式はデモンストレーションで,実際の予測ではもっと複雑な計算をしているのだと思う.
今は昔,天文の大学院生だった友人が,創世記 SF ドラマの大学研究室場面で公式を黒板に書くというバイトをしたと言ったような,頼りない記憶がある.「ウルトラ Q」だったと思う.




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