安野光雅「会いたかった画家」山川出版社 (2016/5) .
図書館で借用.
絵を見るのは好きだが,その絵を描いた人に会いたいと思ったことはほとんどない.著者のような職業画家はちがうものだ.
安野さんの絵も文章も好きだが,この本を読んで前にどこかで読んだようなデジャヴ感をときどき感じた.初出を読んだ記憶はない.まぁ政治家なら昨日と今日で違うことを言うもしれないが,ふつうの人はそうではない.対象がちがっても基本的には同じスタンスだから,同じように記憶されるのかもしれない.
ジャズプレイヤーのソロが曲が違っても同じに聞こえるのと似ているかも.
このごろ安野本は山川出版社から出ることが多い.あの歴史教科書の会社だが,なぜだろうか.
とにかくこの本のくわしい目次はこの出版社の HP にある.本は3部構成.ブリューゲルなどの第2部は力作が揃っているが,特に「美術史はいつも遅れてやってくる」が面白かった.非主流派の画家が中心で,東勝吉もここでとりあげられている.
ここでルソーについては「絵の具のつき方が本格的」と評している.周囲の色と破綻がなく,見る者にカンヴァスに絵の具がついていることを忘れさせる状態を「絵の具がついている」と言い,素人画家の絵は絵の具がついていない.ルソーは素人だと言われるが,絵の具はぴったりついていて「本物のプロがこどものまねをして描いている」みたいだそうだ.
16 トンは,逆にプロのイラストレータがこどもの絵をまねてもどこかへんだと感じる.絵の具が「ついている」からだろうか.
色刷りのページが多く美しい本.図書館で借りたのだが,手許に置きたい感じ.
図書館で借用.
絵を見るのは好きだが,その絵を描いた人に会いたいと思ったことはほとんどない.著者のような職業画家はちがうものだ.
安野さんの絵も文章も好きだが,この本を読んで前にどこかで読んだようなデジャヴ感をときどき感じた.初出を読んだ記憶はない.まぁ政治家なら昨日と今日で違うことを言うもしれないが,ふつうの人はそうではない.対象がちがっても基本的には同じスタンスだから,同じように記憶されるのかもしれない.
ジャズプレイヤーのソロが曲が違っても同じに聞こえるのと似ているかも.
このごろ安野本は山川出版社から出ることが多い.あの歴史教科書の会社だが,なぜだろうか.
とにかくこの本のくわしい目次はこの出版社の HP にある.本は3部構成.ブリューゲルなどの第2部は力作が揃っているが,特に「美術史はいつも遅れてやってくる」が面白かった.非主流派の画家が中心で,東勝吉もここでとりあげられている.
ここでルソーについては「絵の具のつき方が本格的」と評している.周囲の色と破綻がなく,見る者にカンヴァスに絵の具がついていることを忘れさせる状態を「絵の具がついている」と言い,素人画家の絵は絵の具がついていない.ルソーは素人だと言われるが,絵の具はぴったりついていて「本物のプロがこどものまねをして描いている」みたいだそうだ.
16 トンは,逆にプロのイラストレータがこどもの絵をまねてもどこかへんだと感じる.絵の具が「ついている」からだろうか.
色刷りのページが多く美しい本.図書館で借りたのだが,手許に置きたい感じ.