はやぶさ2とか,ブラックホールとか聴いて,この電子書籍.紙の本の刊行は2015/12.
松田准一「隕石でわかる宇宙科学」阪大リーブル : 大阪大学出版会(2019/5).
著者は大阪大学(大学院理学研究科)名誉教授だが,退職後ちゃんと受験した結果,この本の執筆時は東京藝大生だったそうだ.著者自身の描くイラストはユルカワにしてヘタウマ.本の紹介はそのうちとして,ここでは少しイラストをご紹介.
右中 アインシュタインが唱えた膨張宇宙は,マリ共和国ドゴン族に神話として伝承されているそうだ.
右下 次元の説明.ロープはヒトにとっては1次元だが,アリンコにとっては長い円柱の表面という2次元.中まで入り込めるバクテリアにとっては3次元.
「放射化学」という,隕石成分の化学分析が売りの講座に在籍したことがある.元素の起源についての,アルファ・ベータ・ガンマとか B2FH とか,壮大な理論にロマンを感じた.ここでガンマは「トムキンス」シリーズの著者ガモフのこと,B2FH の H はフレッド・ホイルのこと.ホイルは「ビッグ・バン」という言葉を(悪口として)使ったことで有名だが,SF も何冊か書いている.「10月1日では遅すぎる」を読んだことがあるが,大風呂敷を広げたあげくうまく畳めなかったようなストーリーと記憶している.
この分野の科学者は変人が多いが,こちらでは高木二三郎さん.水戸巌さんなど,反原発に闘志を燃やす方が多く,影響されて原子力工学科を退学してしまった.