放射化学 (と登山) に関連して,2-3 度お会いした水戸巌さんを思い出した.1960-80 年代の物理畑からの反原発活動家・市民活動家だったが,双子のご子息と共に冬の剣岳で遭難死した.
「...滅びゆく恐竜...」は読んでいない.申し訳ないが,タイトルに賛同しているにすぎない.
手許にあるのは月刊誌「話の特集」 1987/12 号 追悼座談会「水戸巖 - 山に散ったロマンチストが残しもの」.高木仁三郎,丸山友岐子,山中幸男,中山千夏.見出しがこの方の全貌を現していると思う***「不帰の人,山の人,科学の人,狭間の人,不言の人,武勇の人,大学の人,救援の人,普通の人,軽快の人,そして 忘れられない人」***.
科学の人としては,ランダウ・リフシッツの翻訳が浮かぶ.素・核・宇宙線のご専門については,どーせ聴いてもわからないと思っていたのが,今にして思えば残念だ.
地球温暖化が問題になるはるか以前に,1 MW 級の原発が出す,海水より 7 度高い温排水の量が,多摩川並み?と指摘したのは水戸さんだった.原発が地球温暖化の特効薬と思っている日本人のなんと多いこと...ぼーっと生きてんじゃねーよ.