Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

平成ストライク

2019-12-25 09:27:46 | 読書
南雲堂 (2019/4).
平成という時代をテーマとする9編の短編小説のアンソロジー.編集が誰かは明記されていないが,まえがきと,各短編の最後の解説と巻末の年表「平成30年史」は,遊井かなめによる.
タイトルと著者とテーマらしきものをあげると

「加速してゆく」青崎有吾 福知山線脱線事故
「炎上屋尊徳」井上夢人 ネット炎上
「半分オトナ」千澤のり子 児童虐待
「bye bye blackbird...」遊井かなめ 渋谷系
「白黒館の殺人」小森健太朗 差別問題
「ラビットボールの切断」白井智之 新宗教
「消費税狂騒曲」乾くるみ 消費税
「他人の不幸は密の味」貫井徳郎 ネット冤罪
「From The New World」天祢涼 東日本大震災

小森作品以外は書き下ろし.著者は全員平成デビュー...ただし井上は微妙.天祢作品以外は暗い内容.ミステリ作家が揃っているが,バカミスはあるが本格はないと言っていいだろう.言い合わせたように白井作品でも,天祢作品でも,正体不明の探偵?がどこからか現れまた消え去ってしまう.
ぼく的ベストは千澤作品.

この前読んだ短編画廊に比べるといかにもチープだが,そこが良いところという気もする.

最後の年表 : 最初が「女子高生コンクリート詰め殺人事件発覚」最後が「イチロー,引退を表明」.あとはミュージック,ゲーム,テレビ,雑誌,....例えばピチカート・ファイブの「東京は夜の7時」は平成5年12月とのこと.
コメント
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