南雲堂 (2019/4).
平成という時代をテーマとする9編の短編小説のアンソロジー.編集が誰かは明記されていないが,まえがきと,各短編の最後の解説と巻末の年表「平成30年史」は,遊井かなめによる.
タイトルと著者とテーマらしきものをあげると
「加速してゆく」青崎有吾 福知山線脱線事故
「炎上屋尊徳」井上夢人 ネット炎上
「半分オトナ」千澤のり子 児童虐待
「bye bye blackbird...」遊井かなめ 渋谷系
「白黒館の殺人」小森健太朗 差別問題
「ラビットボールの切断」白井智之 新宗教
「消費税狂騒曲」乾くるみ 消費税
「他人の不幸は密の味」貫井徳郎 ネット冤罪
「From The New World」天祢涼 東日本大震災
「炎上屋尊徳」井上夢人 ネット炎上
「半分オトナ」千澤のり子 児童虐待
「bye bye blackbird...」遊井かなめ 渋谷系
「白黒館の殺人」小森健太朗 差別問題
「ラビットボールの切断」白井智之 新宗教
「消費税狂騒曲」乾くるみ 消費税
「他人の不幸は密の味」貫井徳郎 ネット冤罪
「From The New World」天祢涼 東日本大震災
小森作品以外は書き下ろし.著者は全員平成デビュー...ただし井上は微妙.天祢作品以外は暗い内容.ミステリ作家が揃っているが,バカミスはあるが本格はないと言っていいだろう.言い合わせたように白井作品でも,天祢作品でも,正体不明の探偵?がどこからか現れまた消え去ってしまう.
ぼく的ベストは千澤作品.
この前読んだ短編画廊に比べるといかにもチープだが,そこが良いところという気もする.
最後の年表 : 最初が「女子高生コンクリート詰め殺人事件発覚」最後が「イチロー,引退を表明」.あとはミュージック,ゲーム,テレビ,雑誌,....例えばピチカート・ファイブの「東京は夜の7時」は平成5年12月とのこと.