Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

最後の読書...ではなく,最後の演奏

2021-09-15 10:35:02 | ジャズ
高齢者の演奏をググると,認知症対策として楽器を始めることばかりヒットする.
でも今のぼくの関心は,若い時から続けてきた楽器演奏が加齢とともにどう衰えるかということ.昨日できたことが今日はできないことを痛感するこの頃である.いつまでこうしていられるのだろうか?

テレビで見ただけだが,1983年,ホロヴィッツ80歳で来日時の演奏を吉田秀和が「ひびの入った骨董品」と酷評したのを覚えている.

津野海太郎「最後の読書」では耳目のよわり,記憶力のおとろえが,嘆かれたり自嘲されたりしていた.
この問題は楽器演奏ではもっと深刻.もっと直接に,腕力体力のおとろえが問題になるのだ.読書はマイペースでやればいいのだが,音楽は時間芸術だから,独奏でさえ悠長にやっていては曲にならない場合が多い.他人と合わせるとなると,たいてい ついていけないという問題に遭遇する.

PTNA 全日本ピアノ指導者協会のレポート,元吉ひろみ「長寿社会に求められている音楽教育 高齢期に適したピアノ指導」http://www.piano.or.jp/report/04ess/ronbunreport/2002/04/01_8986.htmlに,加齢によるピアノ演奏能力減退のデータが多数出ていたので,いくつか転載させていただく.図は鮮明とは言えないが,アップされたのは2002年,もう20年近く前のことだから,お許しくだい.



b 視力は楽譜を見る能力に直結.ぼくの場合は読書の焦点距離では楽譜は見えない.楽譜を画像として記憶するという方法も記憶力が減退して無理みたい.まぁジャズだからごまかせる部分はある.
c 楽器演奏に2000Hz以上の音域を聴く能力は不可欠ではない.しかしヒト,特に若いヒトの言っていることが,音としては聞こえても,言葉として入ってこないことは間々ある.よくわかっている方が通訳してくださったりする.



d ビブラフォンのような打楽器ではこれが,a の骨格筋とともにものをいう.グラフには (他のグラフにもときどき) 80歳以上の目盛りがない !
e ジャズのインタープレイは他の奏者に反応することで成り立つ.これが遅くなったことは実感している.
f 元レポートでは楽譜を見て音を出すまでの時間とされていたが,あまり関係ないかも.楽譜は現在演奏中の時点より先読みするのではないだろうか.楽譜がよく見えない老視者にはもっと無関係.
g 80歳の知能は最盛時の半分以下か !?

16トンが現在音楽で遊んでいただいている年齢層は.20台と60台のふたつだが,どちらの場合も さぞご迷惑をかれていることと思う.
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