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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「子どもたちのいない世界」

2022-02-24 09:43:03 | 読書
フィリップ・クローデル,高橋啓訳,みすず書房 (2006/11) .ハナモゲラ語による短編が載っている,美しい本.古書で 800 円.
おとなが子どものふりをして描いたような色刷りのクレヨン画が多数.でも正直に言って,これらの絵がなかったら買わなかったと思う.

出版社の紹介*****
「いずれは大人になる子どもたちのために。そして、かつて子どもたちだった大人たちのために」。最近の子どもたちはお話を鵜呑みにしたりしないが、それでもやっぱり子どもは子ども、かれらなりの苦悩や純真さ、疑問や希望をもっているものである。
ここにあるおかしくて奇妙な20の物語は、この世界についての詩的な、ときには哲学的な窓を、わたしたちに開いてくれる。この本に出てくるのは、ぶきような妖精、悩み掃除人、悪夢の狩人、人々を幸せにするワクチンを発明する女の子、などなど心やさしい登場人物ばかり。作家フィリップ・クローデルは、慎みぶかく心をこめて、いじめや病気、戦争、死、格差といった、ヘビーで扱いにくいテーマだけでなく、大人になるには克服しなければならない、ささやかな恐怖心やコンプレックスにも取り組んでいる。ベストセラー『リンさんの小さな子』の作者が愛娘に語る、とっておきの20話。ピエール・コップのクレヨン画も、いい感じ。*****

著者については何も知らなかったが,ベストセラーの主人公 リンさんは難民らしい.

この本の20 篇はみな短くて,読み終わったら絵をみて ひと呼吸するのがいい感じ.
傾向はバラエティに富んでいて,たしかに「奇妙な」物語が多い.詩もある.ハナモゲラ語は異色だった.「小さな隣人」は意外にまじめだった.

みすず書房の本は好きだが,遅かれ早かれ絶版になるようだ.みすず文庫なんて,このご時世では無理だろうな...




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