Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「走る赤」

2022-07-17 08:28:23 | 読書
編集 : 武 甜静, 橋本 輝幸,  編訳 : 大恵 和実 「中国女性SF作家アンソロジー - 走る赤」中央公論新社 (2022/4) .

*****宇宙を、異世界を旅し、ヤマネコが歴史を見つめ、世界は彩りを失い / 取り戻し、しがないおじさんはミニブラックホールにダイブし、植物状態の少女が VR 世界を駆け抜ける --
いま最前線で活躍している中国の女性 SF 作家 14 人の傑作短篇で紡ぐ、変幻自在のアンソロジー! *****

SF 短編集なんて,この前読んだのはいつだろうと思うが,楽しかった.女性の作ということはほとんど意識しなかった.また中国の政治体制を反映しているとも思えない.登場人物の名前を変えれば,欧米の作家の作と言っても,日本の作家の作と言っても通用しそう.SF とはそういうものなんだろう.
編集の武甜静は未来事務管理局の日本担当で,FB によれば「未来局は中国でSF関連の業務を展開する会社です。出版、作家育成、作家・作品の代理、映画作成やフィギュア作りを含むIP開発など、幅広く業務を展開しています。」とのこと.

14 編は6つに大別されていて,それぞれに 2-3 のタグがついている.例えばタグ「#和風ファンタジー」付きの2篇のひとつの舞台は幕末,もう1編では近現代の三重県.

「#異色」はちょっと安易なタグづけと思うが,「無定西行記」は北京からベテルブルクまでの,ふたりの旅行記.旅程は西遊記っぽく,そこだけ取り上げれば中国的.ふたりはそれぞれエントロピー増大族と減少族に属し,ひとりは赤ん坊で生まれ歳取っ死に,もうひとりは赤ん坊で死ぬ...

発明おばあちゃん登場の「祖母の家の夏」がとぼけて好みだ.「完璧な破れ」は「語膜」とともに「#コミュニケーション」のタグで括ってもよかったんじゃないの...とか,いちいち紹介していては切りがない.
各編の扉の裏のページには作者の紹介があり,後半は取り上げた作品を数行で紹介している.立ち読みではここをチェック !!
図書館で借用.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg