エミール・ゾラ,平岡敦訳,ヨシタケシンスケ絵「ゾラ ショートセレクション 猫の楽園」理論社 (世界ショートセレクション 2018/4).
今まで古書市ではウン十年単位で古い本をあさっていたが,これは新しい.他に理論社からはルブラン,ロレンス,ジャック・ロンドン,マーク・トゥエイン,チエーホフ.トルストイがショートセレクションとしてシリーズ化されている.でも書店で見かけた覚えはない.
ゾラの名前は知っていたが,読んだことはなかった.短編で組みしやすそうだし,ヨシタケシンスケの絵が気に入った.要するにかわいい本なので買ってしまったのだ.読了後ヨシタケがミスキャストみたいに思えたが,これも有りかも.
全7編.いちばん長い「コックヴィル村の酒盛り」がハッピーエンドだが,「広告の犠牲者」「恋愛結婚」など,気色悪い寓話タッチのはなしばかり.訳者あとがきによれば,後者には自然主義の特徴がよく現れているのだそうだ.「猫の楽園」は猫が主人公だが,底流は同じに思えた.
裏カバーのイラストは「オリヴィエ・ベカイユの死」.ポーの「早すぎる埋葬」と同じ発端だが,読んでいてどんどん息苦しくなった.
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