
上のグラフをひところテレビでよく見たが,出どころは厚労省.縦軸・横軸の目盛りは? 「患者」の定義は? など突っ込みどころは多い.このグラフを信じるなら,中韓からの入国制限は「国内侵入防止」期にやらなければ意味がなかったことになる.また患者の増加のスピードを抑えれば解決も先延ばしになる.首相の「1・2週間が山」は,スピードを抑えることに成功すれば長引く・すなわち嘘になる...いつもの場当たり発言だったんだろうが.
ぼく的興味は,ふたつの曲線で患者合計数に差があるか? 患者のスピードを抑えれば患者が減るかということである.
ネットを漁ったところでは,これはSIRモデルによるシミュレーションの結果らしい.S I R は Susceptible 感染する可能性がある,Infectious 感染していて感染性を持つ(他人にうつす),Recovered 回復して免疫を持つ ; の略である.ただし R には死者も含む.それぞれの人口を時間変数 S(t),I(t),R(t) であらわし,β,γ を感染率,回復率とすれば,SIR モデルは次の連立常微分方程式で記述できる.
I(0), S(0), β,γ を仮定して計算した一例が上右の図である.
条件 β/γ>1 のもとに感染が発生する.休校にしたり,イベントを中止したりするのは γ を一定にして β を小さくすることに相当する.自分で計算すればいいのだが,時間はあれど馬力なし.ここではネットで見つけた (流行電波伝播モデル@MASのホームページ) シミュレーションの結果を示す.他人の褌で相撲を取っているのではっきりとわからないが.移動の早い遅いが β の大きい小さいに対応していると推察する.
このモデルによれば β が小さければ I(t)の累積値(積分値)は小さくなる.すなわち,感染者数は抑止される.コロナウイルスには遅かれ早かれ全員が感染し・回復した (一部は亡くなった) ところで終わるというのが,ぼく的先入観だったが,このモデルによればそれは違う.
シミュレーションでは β をどう仮定すれば現実と合うかが大問題だ.
このモデルはもっとも単純なもので,いろいろなバリエーションがある.
しかし現実世界では S(t),I(t),R(t) の値が分からない...公表された測定値はあてにならない,それはお上の所為ではなく,そもそもそういうものなのだ.
後日 解析するときにシミュレーションは有効とは思うが...
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