Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

こんな女に誰がした

2011-02-09 07:24:52 | エトセト等



戦後歌謡曲の繋がりで...

NHK TV で小柳ルミ子が「星の流れに」を歌っていた.歌詞はパンパンガール (終戦直後存在した主として進駐軍兵士を相手とする売春婦) を一人称にしている.当時ぼくたち子供は何も分からずに歌って親に叱られていた.大人になって歌の背景が分かって,そのときの親の気持ちも分かった というもの.

ヨナ抜き5音階で,重く悲しい歌のはずなのに 短調でなく長調.「こんな女に誰がした」が キャッチー.ブルース・スピリットにあふれた名曲だ,

YouTube には,オリジナルの菊池章子版はじめ,美空ひばり.藤圭子,八代亜紀,石川さゆり,坂本冬美,高橋真梨子,日吉ミミ,キム・ヨンジャなどの音源があって,時間をつぶしてしまう.
おばさん歌手ばかりだが,最初の吹き込み時は菊池章子は20歳とちょっと,モデルとなったパンパンさん達は今の女子高生・女子大生の年齢だった.そう思えば「ひとめ会いたいお母さん」の一節にも俄然リアリティが感じられて来る.トップの動画の音源は最初のSPだそうです.
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音楽表現の科学 - 認知心理学からのアプローチ

2011-02-07 08:43:29 | 新音律
須藤 貢明・杵鞭 広美 著,アルテスパブリッシング (2010).

認知心理学って なに?
Wikipedia によれば「情報処理の観点から生体の認知活動を研究する学問」だそうだ.

この本の一部はアマゾンの「なか見! 検索」でのぞくことができる.楽音の解析にはフーリエ変換が有用だが,それが限界でもある.
というわけで,この本の最初の章のタイトルは「楽音と楽曲はちがう」である.

全体は 2 部からなる.第1部の最初の 35 ページは文章ばかりで,数式も図もない.理科系としては退いてしまう.ここではモリスの記号論とやらに従い,楽曲をシンタクティクス・セマンティクス・プラグマティクスから攻略する.これらのカタカナは言語論における統語論・意味論・語用論に対応するのだそうだ.第1部の後半では「曲想と楽想の構造」「楽曲の認知に関連する要因」と題する図があらわれ,なるほどと思わせる.
ただし,「音楽表現の科学」という大風呂敷のわりには具体性がなく,この第1部全体が長大なまえがきという印象.

第2部は神経心理学的な研究の紹介とのことで,大脳の絵とか,脳電図とかがあらわれ,記述は具体的.聴きはじめて20秒くらい経つと,協和音の曲と不協和音の曲で脳内電位分布に違いが生じるとか おもしろい!
しかし第1部との段差が大きく,こんどは,「音楽表現の科学」という大風呂敷のわりには,あまりに細かいことばかりという印象.

門外漢が勝手なことを書いてしまったが,それだけ対象が難しく,この研究が野心的だということなんだろう.コンピュータによる作曲はまずヒトが「曲想」を与えるのだが,この本では曲想の定義も含め,そこから始めようというのだから.
6ページにわたる参考文献だけでも関連分野の研究者には役に立ちそう.

この研究が「音楽表現」に役立つのだろうか? たぶん no だろうが,それでいいのだろう.巨大加速器が日常生活にはなくの関係もないのと,同じことなんだろう...と思って「あとがき」まで来たら,こんなことが書いてあった.
聴覚障害のある児童はことばを覚えるために補聴器をつかうことには乗り気ではない.しかし音楽の授業となると補聴器をかたときも離さなくなる.楽曲とことばの認知過程の比較がこの研究のきっかけとなった.

この本にははっきり書いてないが,この研究は「音楽療法」などともどこかで繋がっているらしい.

装幀も良いです.
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昭和の歌謡曲をシャズで

2011-02-05 08:39:30 | ジャズ
港が見える丘 澄淳子「上海リルとその楽団」


昭和といっても,澄淳子さんは終戦直後あたりの歌謡曲がお好きらしい.このあたりは演歌色が希薄で,ジャズに近いものが多い.自分が物心ついて,初めて覚えたのは じつはこの手の歌だが,お堅い母親に,子供が歌ってはいけませんと怒られていた.

映像の場所は,独特の雰囲気がある浅草のライブハウス.

この「港が見える丘」は十数年前 ? の彼女の最初の CD にも入っていた.英語だし,知らずに聴いたら,しばらくは何だろう?と思うかも.ここには内田晃一さんのビブラフォンのソロがないのが残念.

ふだん学生さんの清純でかわいい歌を聴くことが多いので,こういう大人の歌には はまってしまう.
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米原万里「マイナス50°Cの世界」

2011-02-03 15:15:39 | 読書
清流出版 (2007).
(当地としては) とても寒かった日に図書館から借用.

科学書みたいなタイトルだが,大黒屋光太夫のたどった後を取材したさいの記録をもとに「毎日小学生新聞」に連載したものを中心とした,著者の処女作とのこと.このかたのエッセイを読むと,猛女という印象が強いが,当時の写真はとてもかわいい.
あとがきで妹さんが「小学生に分かるように,科学的に間違いがないように,とても努力して書いていました」と書いている.この取材旅行に同行したという,椎名誠のあとがきもある.

-50°Cの世界とは現在のサハ協和国で,首都ヤクーツクは年平均気温が -15 度くらい.人口 20 万の近代都市だが,地盤は凍土だから,高層ビルの基礎は塩水を凍らせただけ.湖の氷に孔をあけて魚を釣ると 10 秒で冷凍されてしまう.スキー・スケートは...溶けないから...滑らない.
そのくせ夏は40度近くまで気温が上がる.人間は 100 度の温度差があってもなんとか生活できるらしい.牧草はひと夏に 5-7 回収穫できるという.

部屋の中は暖かく,服装は薄着の上に毛皮.ただし便所は戸外.

この本とは無関係だが...
連想するのはまた聞きのシベリア抑留生活.サハより暖かい ? 地方とは思うが,3-4 人に毛布が1枚で,眠ってしまうと死んでしまう.でも眠らなくても死んでしまうので,交代で眠り,その間は起きているものが寝ているものの体をさすり続けたのだそうだ.
コメント (2)
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もうすぐ立春

2011-02-02 08:33:21 | お絵かき


記録的な寒さだったが,きょうから暖かくなるらしい.

幼年時代 戦争があって雪国に疎開.よその子が藁靴をはいているのがうらやましかった.こんな小川に落ちたのを覚えている...というより かなりのトラウマかも.

CD ケースに内側からアクリル絵具.
中央にCDをはめる丸いものが透けて見えている.
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reading

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