甲府市で12日、井上盛司さん方に何者かが侵入し放火、住宅が全焼し井上さん夫婦と連絡が付かなくなっている火災で、少年が県警に出頭したことが捜査関係者への取材で分かった。南甲府署捜査本部が任意で事情聴取を始めた。捜査本部は、目撃証言などから、侵入した男は10~30代とみて調べていた。

出火した甲府市の井上盛司さん方から上がる煙(近隣住民提供)(共同)出火した甲府市の井上盛司さん方から上がる煙(近隣住民提供)(共同)

甲府市の井上盛司さん方から上がる炎(奥)(近隣住民提供)(共同)甲府市の井上盛司さん方から上がる炎(奥)(近隣住民提供)(共同)

 

 

 捜査本部によると、同居する10代の娘2人のうち妹が「争う声を聞いて1階に下りたら知らない男がいた」「逃げたら後ろから追い掛けられて襲われた」と証言。男に襲われた妹は頭にけがをしたが、命に別条はない。

 妹は12日午前3時半ごろ、2階にいて、争うような声を聞いて1階に下りた。薄明かりの中に見知らぬ男を発見。逃げたところ、男が追い掛けてきて、硬い何かで背後から襲われた。負傷した頭には殴られたような痕と、裂傷による出血があることも新たに判明した。

 妹は姉と2階のベランダから逃げ、午前3時45分ごろ「泥棒に入られた」と110番した。その後、井上さん方から出火したと近隣から通報があり、消防が駆け付けたが全焼。焼け跡から性別不明の2人の遺体が見つかった。

 また、複数の近隣住民は火災後に「灯油のような臭いがした」と話していた。

 一方、捜査本部によると、110番を受け、警察官がパトカーで住宅に向かい、約100メートル手前で、歩いている男を見掛けた。しかし、現場到着を優先したため、この時点では声を掛けず、その後、あらためて不審に思い、男の元に戻り職務質問をしようと声を掛けたところ走って逃げていったという。(共同)