【岸田新内閣】:発足に“ご祝儀相場”ナシ…低支持率スタートに自民党マッ青
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田新内閣】:発足に“ご祝儀相場”ナシ…低支持率スタートに自民党マッ青
「総じて5割から6割はあると思ったのに」――。自民党議員の悲鳴が聞こえてくる。4日に岸田文雄内閣が発足したのを受け、報道各社が実施した世論調査で、内閣支持率があまり伸びていないのだ。発足時は“ご祝儀相場”で高くなるものだが、そうなっていない。
■岸田内閣の裏テーマは原発推進 “甘利人脈”が要職独占で新増設・建て替え一気加速
朝日新聞では「支持」45%、「支持しない」20%で、政権発足時の支持率としては、麻生内閣の48%を下回り、小泉内閣以降、最低だった。毎日新聞でも「支持」49%、「不支持」40%で、麻生内閣の45%に次ぐ低い数字だ。
共同通信では支持が55.7%、読売新聞では56%。5割を超えたとはいえ、6割後半から7割台だった菅政権発足時と比べて見劣りする。
■世論は「3A」支配にうんざり
低支持率の原因とみられるのは、安倍元首相、麻生前財務相、甘利幹事長の「3A」の支配が続いていること。世論が嫌気を差している。
安倍・菅政権の路線を「転換するべき」が69%(共同)に上り、安倍・麻生の影響力は「マイナスになる」が59%(毎日)。新内閣や自民党役員の顔ぶれを見て、生まれ変わった自民党を「実現できない」が54%(朝日)、甘利幹事長の起用を「評価しない」が48%(読売)。
明大教授の井田正道氏(計量政治学)が言う。
「1年前、菅前首相には、世襲のお坊ちゃんではなく苦労人という新しい要素があって高支持率になりましたが、岸田首相で世襲に戻り、人事も派閥均衡で無難な色が見えてしまった。支持率は、3割台まで落ち込んだ菅内閣の最後よりは上がりましたが、新内閣へのご祝儀というより、新型コロナの感染者が減って、緊急事態宣言が解除された効果が大きいでしょう」
岸田首相は衆院選の投開票日を10月31日に早め、新政権へのお祝いムードで選挙を乗り切ろうと考えているのだろうが、そのシナリオは怪しくなってきた。むしろ、“スネ傷”の甘利が記者会見のたびにカネの問題を蒸し返されるなど、党のイメージは悪化するばかりだ。
5日は、自民党広島県連の幹部が官邸で岸田首相と面会し、河井夫妻への1億5000万円支給問題の再調査を求めた。世論調査では、森友問題についても、自民支持層ですら「再調査をすべき」が52%(共同)に上った。
「9月中は自民党総裁選一色でしたが、選挙までの1カ月弱、これからは世論の状況も変わる」(井田正道氏)
「顔」を代えればなんとかなる、なんて考えが甘かった。
元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】 2021年10月06日 14:20:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。