路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【参院選】:静岡、山口の補選が告示 岸田政権発足後初の国政選挙 衆院選の前哨戦

2021-10-07 10:29:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選】:静岡、山口の補選が告示 岸田政権発足後初の国政選挙 衆院選の前

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選】:静岡、山口の補選が告示 岸田政権発足後初の国政選挙 衆院選の前 

 参院静岡、山口両選挙区の補欠選挙が7日、告示された。岸田政権発足後初めての国政選挙で、24日に投開票される。与野党は衆院選(19日公示、31日投開票)の前哨戦と位置付け、選挙戦に臨む。新型コロナウイルス対策が主な争点となる。

 岸田文雄首相は午後、JR静岡駅前で自民党候補の応援演説を予定。立憲民主党の杉尾秀哉副幹事長、国民民主党の玉木雄一郎代表はJR静岡駅前で推薦候補の出陣式に参加した。

 静岡は自民新人で公明党推薦の元御殿場市長若林洋平氏(49)、立民、国民両党が推薦する無所属新人の元県議山崎真之輔氏(40)、共産党新人の鈴木千佳氏(50)が立候補を届け出た。

 山口は、自民前職で公明推薦の元経済産業政務官北村経夫氏(66)、共産新人で社民党支持の元県議河合喜代氏(61)が立候補を届け出た。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」新人でネット評論家、へずまりゅう氏(30)も出馬を予定している。

 静岡は6月の知事選に立候補した自民の岩井茂樹氏の、山口は衆院選山口3区にくら替え出馬する自民の林芳正氏の議員辞職に伴い実施される。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・参院静岡、山口両選挙区の補欠選挙が7日、告示】  2021年10月07日  10:29:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【財務省の決裁文書改ざん】:赤木雅子さんが岸田首相に森友問題めぐる再調査求める手紙 首相は慎重姿勢

2021-10-07 08:46:30 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【財務省の決裁文書改ざん】:赤木雅子さんが岸田首相に森友問題めぐる再調査求める手紙 首相は慎重姿勢

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【財務省の決裁文書改ざん】:赤木雅子さんが岸田首相に森友問題めぐる再調査求める手紙 首相は慎重姿勢

 森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんで自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さん(50)が6日、岸田文雄首相に「第三者による再調査で真相を明らかにしてください」と求める直筆の手紙を送った。雅子さんの代理人弁護士が明らかにした。首相は再調査に慎重な姿勢を示している。

岸田文雄首相(21年9月17日)岸田文雄首相(21年9月17日)

 手紙は便箋2枚にまとめられ「内閣総理大臣 岸田文雄様 私の話を聞いてください」と書き出し、財務省が2018年6月に公表した調査報告書に関し「夫が改ざんを苦に亡くなったことは書かれていません」と指摘した。

「夫が何に苦しんでいたのか知りたい」と語る赤木雅子さん=25日、鹿児島市東千石町

  © 南日本新聞社 「夫が何に苦しんでいたのか知りたい」と語る赤木雅子さん=25日、鹿児島市東千石町

 赤木さんが生前に改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」には、赤木さんが改ざんに「やるべきではない」と抵抗したことが記されているとして「夫が正しいことをしたことに対して財務省がどのような対応をしたのか調査してください」と求めた。

 手紙の最後には「正しいことが正しいと言えない社会はおかしいと思います。岸田総理大臣なら分かってくださると思います」とつづった。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんで自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さん】  2021年10月07日  08:46:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本維新の会】:馬場幹事長、岸田内閣は「『四人羽織内閣』と国民の目に映っている」

2021-10-07 08:35:30 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【日本維新の会】:馬場幹事長、岸田内閣は「『四人羽織内閣』と国民の目に映っている」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本維新の会】:馬場幹事長、岸田内閣は「『四人羽織内閣』と国民の目に映っている」

 日本維新の会の馬場伸幸幹事長は6日の記者会見で、共同通信など報道各社の世論調査で岸田文雄内閣の支持率が40~50%台だったとした上で「ご祝儀相場とまではいっていない。岸田内閣は二人羽織ではなく『四人羽織内閣』なのではないかと国民の目に映っている」と述べた。

日本維新の会の馬場伸幸幹事長(2021年5月12日)日本維新の会の馬場伸幸幹事長(2021年5月12日)

 4人は、首相本人と、岸田政権誕生のキングメーカーとされる自民党の安倍晋三元首相、副総裁に就く麻生太郎前副総理兼財務相、甘利明幹事長だとの認識を示した。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・日本維新の会・岸田内閣について】  2021年10月07日  08:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.10.06】:違法の証明|二場公人田川市長陣営の政治団体が収支報告書を大幅修正

2021-10-07 08:30:40 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【HUNTER2021.10.06】:違法の証明|二場公人田川市長陣営の政治団体が収支報告書を大幅修正

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.10.06】:違法の証明|二場公人田川市長陣営の政治団体が収支報告書を大幅修正

 今年8月、政治活動の実態を隠し、政治資金収支報告書に虚偽の記載をした疑いがあることをハンターの記事で指摘された二場公人田川市長の政治団体が、報告書の大幅修正を行っていたことが分かった。関連する田川市長選挙の収支報告書も修正されており、全面的に「違法」を認めた形だ。

                  ◇  ◇  ◇

 違法性が問われていたのは、二場市長の支援団体「ふたば公人後援会」が福岡県選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書の記載内容。同団体は、田川市長選挙が行われた2019年(令和元年)に後援会事務所を開設し、リーフレットなどの印刷物を作成して配布するなど活発な活動を展開しながら、報告書には、この年の収入も支出も「0」と記入していた。

 ハンターは8月2日の配信記事(⇒「二場公文田川市長の政治団体に政治資金規正法違反の疑い」で、その年におけるすべての収入と支出を記載した報告書を作成し、活動地域の都道府県選管もしくは総務省に提出するよう求めている政治資金規正法の規定に抵触する疑いがあることを報じていた。

 その後、収支報告書の訂正が行われたとの情報が寄せられたため県選管に確認したところ、8月24日付で、ふたば公人後援会が提出した2018年(平成30年)分の政治資金収支報告書に市長本人からの寄附100万円が追加記載(下の報告書参照)されていた。翌年1月から始まる支出を賄う資金との整合性をとるためだとみられる。(*下の報告書参照)

  次に、市長選が行われた2019年(令和元年)の収支報告書は、通常の政治資金処理を行っていれば、起こり得ない修正が施されていた。収入も支出も「0」だったところに、同年中の収入として145万円を追加記載(うち25万円は事務所の無償提供分。実質収入は市長本にの寄附120万円)。さらにリーフレットやポスターといった印歳物などの支出に163万3,168円を計上している。(*下の報告書参照)

  収入も支出も「0」とされていた政治資金収支報告書が違法性を問われたとたん、20カ所以上も書き変えられ、新たに4ページが加えられるという前代未聞の大幅修正。200万円以上の政治資金の支出と収入が、まるまる隠されていた格好だ。

 政治資金規正法は、当該年の収入と支出のすべてを会計帳簿に記入し、その内容を政治資金収支報告書に転記して都道府県選管又は総務省に提出するよう定めており、実際にはあった収入と支出を「0」と偽っていた「ふたば公人後援会」の行為は、同法違反に問われる可能性が高い。

 二場陣営の資金処理がデタラメだったことは、2019年に行われた田川市長選挙で市選管に提出された選挙運動費用収支報告書からも明らか。驚いたことに、ハンターが今年6月に同報告書を開示請求した後、7月に2年以上前の収支について第2回分、第3回分の報告書を提出し、8月にはさらに内容の修正を行っていた。

  選挙運動費用収支報告書には、すべての収入および支出を記載し、選挙の執行日から15日以内に第1回分を、それ以後の収入・支出については発生から7日以内に、第2回分もしくは第3回分として提出しなければならないと規定されており、極端に間を置いた二場陣営の報告書提出は、明らかな公職選挙法違反だ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2021年10月06日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.10.05】:「ハンターが全責任を負うのか」|クマ駆除で銃没収、行政訴訟が結審

2021-10-07 08:30:30 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER2021.10.05】:「ハンターが全責任を負うのか」|クマ駆除で銃没収、行政訴訟が結審

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.10.05】:「ハンターが全責任を負うのか」|クマ駆除で銃没収、行政訴訟が結審

 「我々はクマを撃つために狩猟免許を取ったわけじゃない。駆除に協力して銃を取り上げられるなら、ハンターはもう誰も撃たなくなるだろう」――自治体の要請でヒグマを駆除したにもかかわらず、鳥獣保護法違反などで猟銃所持許可を取り消されたハンターが地元公安委員会を訴えた裁判で2日、関係者らの証人尋問が行なわれ、原告の男性が改めて処分の不当性を訴えた。

 ■銃なく丸腰で熊と対峙

 北海道公安委を相手どり銃所持許可取り消し処分の撤回を求める裁判を起こしたのは、砂川市の池上治男さん(72)。北海道猟友会の砂川支部長を務める池上さんは2018年8月、市の要請を受けてヒグマを駆除し、翌19年にライフル銃の所持許可を取り消された。銃は今も没収されたままで、その後もヒグマの目撃情報が届くたびに現場へ駈けつけているが、この2年あまりは丸腰の対応を余儀なくされている。(*下は、今年8月4日に砂川市職員が撮影した熊)

動画プレーヤー
<video id="video-9027-1_html5" class="wp-video-shortcode" src="https://news-hunter.org/wp-content/uploads/2021/10/bear2021.mp4?_=1" preload="metadata" width="320" height="568"></video>
 
*道を塞ぐクマ。人間に対して怯む様子などは全くない。(音量にご注意ください)

 ■猟銃所持許可取り消しの理不尽

 道公安委が池上さんから銃を取り上げたのは「建物のある方へ発砲したため」という。だが駆除の現場には高さ約8mの崖があり、民家などの「建物」が建つのはその崖の上。駆除目的で発射された弾丸が万が一クマの体を貫通したとしても、背後の崖が「バックストップ」の役割を果たすため「建物」に到達する危険はない。実際、当時の駆除は何の問題もなく成功し、付近住民からは安堵の声が漏れている。

 これを突然、事件とみなして捜査にあたった北海道警・砂川警察署(現在は滝川署と統合)は、駆除現場の地形を無視して8mの崖の存在を黙殺、現場を真上から見た平面図などを使い、弾丸が「建物」に当たる危険があったというストーリーを創り出した。同署は池上さんの所有する猟銃をすべて没収、さらに鳥獣保護法違反や銃刀法違反などで「事件」を書類送検した。だが当初から立件に無理があったことはあきらかで、地元検察は早々に不起訴処分を決定、狩猟免許を扱う道庁も当時の駆除行為を問題視せず、また池上さんを「鳥獣被害対策員」に任じていた砂川市も委嘱の継続を決めた。

 ところが、警察に没収された銃はいつまで経っても返還されず、挙げ句に道公安委は所持許可を取り消してしまった。これを不服とする池上さんは行政不服審査を申し立てたが、道公安委は請求を棄却(第三者ではなく一方当事者の審査による決定)、これを受けて処分取り消し訴訟が提起されたのは、20年5月のことだった。

 提訴3カ月後の初弁論を経て、これまで非公開の弁論準備手続きが続いていた訴訟は、10月2日の証人尋問でヤマ場を迎えた。原告側証人として札幌地方裁判所(廣瀬孝裁判長)の法廷に立った砂川市職員は、改めて駆除の適正性を証言している。
「池上さんは『子グマなので撃たなくていい』と仰言っていましたが、地域に3日連続で同じクマが出没しているので、私としては住民の不安を払拭したく、できれば駆除して欲しいとお願いしました」

 ■揺れた臨場警察官の証言

 現場には警察官も臨場していたが、同職員によると警察官はとくに駆除の方針に異を唱えなかったという。それどころか同警官は付近の「人払い」にあたっており、発砲を事実上容認していたことになるのだ。

 同日の尋問では、その警察官自身も証言台に立った。主尋問では「子グマが人を襲う気配はなかった」などと駆除の必要性を否定した警官だったが、反対尋問では結果的に駆除を肯定するような言葉が口をつき、はからずも池上さんの主張を補完するような証言を残すことになる。

――駆除が終了して、あなたは。
「適切に終了したと思いました」

――喜んだ、「よかったね」と。
「当時は違法性を認識していなくて…」

――その後も問題とは思っていなかったと。
「当時は」

――違法とは思わなかった。
「はい」

 同警官は被告側証人としては正直すぎるのか、先に述べた崖の存在が引き合いに出された際には次のようなやり取りがあった。

――池上さんの立件を方向づけたのは誰ですか。
「私はわかりません」

――現場の高低差が無視された事情は。
「捜査に携わっていないので、わかりません」

――発砲で建物に実害は。
「ちょっとわかりません」

――当時、何か池上さんを批難する事情があったんですか。
「とくにありません」

――あなたから見て、池上さんがこれまで何か法に違反したことは。
「……なかったと思います」

 尋問後の記者会見で原告の池上さんは「警察は現場を知らなすぎる」と指摘、自身の事件がきっかけで多くのハンターが引き金を引けなくなっている現状の深刻さを訴えた。
 「有害獣の駆除では道・市・警察の『三者協議』が設けられていますが、ここにハンターを加えて『四者協議』にして欲しいと、何度も訴えてきました。その矢先にこんなことが起きるとは思わなかった。警察が発砲の判断をせず、ボランティアで命を張っているハンターにすべての責任を押しつけているのが問題で、このまま誰も撃たなくなって人が襲われたら、誰が責任をとるんですか」

 北海道では本年に入ってからヒグマの目撃情報が急増、6月下旬には札幌の市街地にクマが出没し、市民4人が襲われて怪我を負っている。人里での目撃や人との接触は今後も続くおそれがあり、池上さんは「全道の猟友会が訴訟のなりゆきを見守っている」と、裁判の結果が今後の有害獣駆除に大きく影響する可能性を訴えている。昨年10月には札幌地裁の裁判官らが異例の現地調査に赴き、砂川市の駆除現場を歩いて崖の存在などを確認した。原告代理人として調査に立ち会った札幌の中村憲昭弁護士は2日の弁論後「現場検証の意味は大きかった。よい結果に繋がることを期待している」と話している。

 訴訟は同日の尋問で結審、12月17日に一審判決が言い渡されることになる。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2021年10月05日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.10.04】:福岡県大任町が町外からの開示請求を拒絶|暴走する永原町政が条例改悪

2021-10-07 08:30:20 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2021.10.04】:福岡県大任町が町外からの開示請求を拒絶|暴走する永原町政が条例改悪

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.10.04】:福岡県大任町が町外からの開示請求を拒絶|暴走する永原町政が条例改悪 

 ハンターの情報公開請求や取材によって永原譲二町長の独裁的な町政運営が明らかとなっている福岡県大任町が、情報公開条例を、町外の人間からの請求を拒否する内容に改悪したことが分かった。

大任町長選
大任町長選

 ハンターは、同町への開示請求を通じて公共工事の実態を隠蔽しようとする永原町政の歪みを追及してきたが、この過程で、複数の関係筋から開示請求を取り下げるよう圧力がかかっていた。不当な要求を突っぱねたことへの対抗策であるのは明らかで、業者との関係や町発注工事を巡る不正が露見するのを恐れた町長サイドが、非常手段に出たものと考えられる。

◇  ◇  ◇

 下は、田川郡大任町に公共工事の契約に関する文書の開示請求を行ったハンターの記者に、同町から郵送されてきた文書である。

     “今月3日に情報公開条例を改正して町外の人間からの請求は受けないことにしたので、13日付の請求は受け付けない”という内容だ。役所に説明責任を果たさせるための手段として情報公開の重要性が増した現代社会において、時代に逆行し、請求権者の範囲を狭めるというのだから呆れた自治体というしかない。「住民限定」から「何人も」に変更するケースが当たり前となっている中、大任町の条例改悪は異常と言うしかない。

 大任町が2010年に制定した「大任町情報公開条例」は、開示請求権を「何人」にも与えたもので、すべての人に門戸を開いた形となっていた。ところが同町では、9月に入った頃から、条例の条文を変更し、「何人」を削除して請求権者を町内の在住者だけに限定しようとする動きが顕在化。ハンターにも、町の関係者から「情報公開条例を改正し、請求権者を町内の在住者だけに限定しようとする動きがあります。もちろん永原町長からの指示です。議会も賛成する見込みです」という情報が寄せられていた。

 大任町総務企画財政課によれば、実際に条例が「改悪」されたのは先月3日。大任町議会の最終日に執行部が提案して承認され、即日公布したという。2016年に条例の一部を改正した際は、3月4日の議決で施行が約1カ月後の4月1日だったことから、永原町長がいかに急いでいたかが分かる。条例改悪を許した議会も、町長の暴走に手を貸したことになる。

 条例改悪前、「何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、当該実施機関が保有する公文書の開示を請求することができる」となっていた条文は、次のように変更されている。

第5条 次に掲げる者は、実施機関に対して、公文書の開示を請求することができる。

(1) 町の区域内に住所を有する者(請求日から起案して1年以上住所を有する者に限る)

 町民との議論はもちろん、周知期間も省いた形での条例改悪。ひた隠しにしてきたコロナ感染が暴かれるなど、追い詰められつつある町長の苛立ちが伝わってくる愚行だ。

 情報公開請求権を町内在住者に限定した上「1年以上住所を有する」という条件まで加えたことについて、別の町関係者は「大任町の中に住所を移して開示請求するケースを恐れたからだろう」と話している。

 町長周辺が、ハンターの情報公開請求を極端に恐れていたことは確かだ。記者が大任町に対し、1回目の開示請求を行ったのは6月14日。その翌日には、永原町長との親密な関係で知られる関係者などから、「請求を取り下げて下さい」という申し入れがきていた。

 大任町の町政運営を巡っては、法律の規定に反して町発注工事の入札結果を非公開にしたり、公表済みの施工体系図や工事の実施体制を記した文書の開示を拒否するなど、露骨な隠蔽が常態化。背景にあるのは、公共事業絡みの不正であるとみられている。

 全国町村会の副会長や福岡県町村会の会長を務める永原氏による、あってはならない暴走。ハンターは今年7月、浮上した疑惑について、永原町長に対し文書で以下の点を問い質していた。

大任町長 永原譲二殿

質問書

ご多忙のところ恐れ入りますが、取材のため以下の5点についてご質問いたします。ご回答いただきますようお願い申し上げます。

1 貴殿が、新型コロナウイルスに感染していたという情報があります。事実ですか?

2 事実であった場合は、なぜ公表しなかったのか、ご回答下さい。

3 感染が事実であったとすれば。感染した時期、感染経路、感染場所、濃厚接触者の有無についてご回答下さい。

4 貴殿が、賭け麻雀を行っていたという情報があります。事実ですか?

5 賭け麻雀を行っていたとすれば、その時期、場所についてご回答下さい。

6 言うまでもなく、賭け麻雀は違法行為です。実際に町長が賭け麻雀をやっていたとすれば、どのように責任をとりますか?

以上

 質問書への回答はなかったが、先月27日に町長室で取材に応じた永原氏は、コロナ感染については「嘘だ」と完全否定。賭け麻雀については、「答える必要がない」と声を荒げてそっぽを向いた。

 永原町長のコロナ感染が紛れもない事実であることは既報の通り(参照記事⇒「全国町村会副会長・永原譲二大任町長がコロナ感染を隠蔽|親密女性らと別荘滞在」)。もう一つの疑惑についても、近く詳細を報じる予定だ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【政治・行政ニュース】  2021年10月04日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.10.01】:熱海土石流、民事・刑事で責任追及へ

2021-10-07 08:30:10 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【HUNTER2021.10.01】:熱海土石流、民事・刑事で責任追及へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.10.01】:熱海土石流、民事・刑事で責任追及へ 

 今年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害では、26人が死亡し、今も1人が行方不明だ。多数の市民が住まいを、仕事を失った。

 被災者や遺族らは9月28日、土石流の起点となった土地を現在所有する麦島善光氏や、前所有者の新幹線ビルディング・天野二三男氏など個人、法人に対して32億円あまりを求める民事訴訟を静岡地裁沼津支部に起こしている。

 また、遺族らは麦島氏を重過失致死、天野氏を業務上過失致死傷で刑事告訴をしており、静岡県警が受理し、捜査が始まっている。

 

 ■訴状が示した土石流の原因

 ハンターではこれまで、麦島氏と天野氏の問題を指摘してきた。提起された訴状などからも、2人の法秩序を無視した非道な対応が明らかになっている。

 刑事事件の告訴状によれば、土石流の原因は天野氏と麦島氏が行った盛り土。その対策が不十分で、前代未聞の土石流を引き起こしたとしている――《土石流として流下した黒色の土砂は、地山の土質とは異なり他所から搬入された盛り土と推測》――盛り土が土石流の原因だという明確な指摘だ。

 静岡県副知事も、記者会見で同様の見解を示している――「土地に設置された盛り土に適切な排水工、擁壁が設置されておらず土砂崩壊の危険性があり、土砂崩壊の二次災害防止の安全対策工事が必要であることを認識していた。(中略)盛り土のやり直し、適切な排水工を設置するなど未然に防止すべき注意義務があったのに、これを怠り、漫然と放置した過失」――その上で知事は、盛り土が土石流につながったと結論付け、「人災」ともいえると訴えている。

 盛り土については、2006年9月に前所有者の天野氏が経営していた新幹線ビルディング社が土地を取得。土砂採取の計画書が県に提出された。その後、天野氏側が土地を拡大して開発していることが分かり、静岡県が是正を求めていた。2010年になって、搬入された土に木くずなどが混入していたことが判明。熱海市が、天野氏側に盛り土を中止するように要請したという。直後の2011年、天野氏は責任を逃れるかのように麦島氏に土地を売り渡していた。

 訴状には、天野氏側が「熱海市の土砂搬入中止要請を無視して当初の届出を大幅に超える量の盛り土を行ったか、譲り受けた麦島氏において、5万4,000立方メートルに至るまでの盛り土を行ったことが推測される」として、天野氏や麦島氏が盛り土を行ったことが明記されている。

 当初、静岡県の会見や一連の報道では、盛り土を行ったのは天野氏という見立てがほとんどだった。しかし、民事訴訟の訴状では「2021年6月、麦島が本件盛り土南西側の隣接地付近で土砂を処分しており、(熱海)市職員がこれを確認し、麦島側に口頭で直接注意」し「本件盛り土付近で土石流発生直前まで違法な土砂投棄を続けていた」と事実関係を明らかにしている。

 要するに、もともと天野氏が静岡県や熱海市の指導を無視して盛り土をしていた土地に、購入した麦島氏がさらに違法に土砂投棄したことで、不適切な状態であった盛り土がさらに危険性を増し、土石流につながったということだ。

 ■「盛り土知らない」は噓だった

 この点について麦島氏側は、土石流発生当初、大きな嘘をついている。2013年、静岡県に提出された書面にはこう書かれていた。
《前土地所有者(天野氏)が熱海市建設指導課指導を無視して放置した伊豆山漁港及び逢初川下流水域への土砂崩壊による二次災害防止の安全対策工事を施工する》

 つまり、盛り土の事実のみならず、危険性があり是正工事が必要であることまで把握していたということだが、麦島氏の代理人弁護士はマスコミ取材に「盛り土は知らなかった」と答えていた。

 民事訴訟で原告となった住民の一人は悔しそうに語る。
 「土石流から2か月が経過して、だんだんと原因究明が進んできた。素人ながら調べた結果、ハッキリしたのは天野氏、麦島氏が危険性を認識し、なんらかの手を打つと約束していたにもかかわらず放置してきたということです。訴状の罪名は違いますが、被害者から見れば殺人に匹敵する犯罪だ。当局には、厳正に捜査してしっかりと立件してほしい」

 土石流を引き起こす原因を作ったとみられている天野氏も麦島氏も、謝罪の意思すら示していない。司法の場で、2人の責任が明確になることを祈るばかりだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【政治・行政ニュース】  2021年10月01日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2021.09.30】:全国町村会副会長・永原譲二大任町長がコロナ感染を隠蔽|親密女性らと別荘滞在

2021-10-07 08:29:50 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2021.09.30】:全国町村会副会長・永原譲二大任町長がコロナ感染を隠蔽|親密女性らと別荘滞在

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.09.30】:全国町村会副会長・永原譲二大任町長がコロナ感染を隠蔽|親密女性らと別荘滞在 

 今年1月に新型コロナウイルスに感染して入院しながら、ハンターの取材に「嘘だ」として事実関係を否定した永原譲二大任町長。「裏はとってないだろう」とうそぶいた永原氏だったが、その後の取材で、コロナ感染の詳細な経緯や、重い病状で転院していたことまで明らかとなった。公人としての資格が問われる悪質な隠蔽に、批判の声が上がりそうだ。

 ■知人らも感染、本人は重症化で転院

 複数の関係者の話によれば、永原町長は今年正月1日、大任町内の業者らと2台の車に二人ずつ分乗して町を出発。大分県日田市の天ケ瀬にある長男名義の別荘に行き、そこで町長と親密な仲の女性や飼い犬の世話をさせている男性と合流していた。

 同日、永原町長の身内の男性も別荘に到着、翌2日には別の業者も来たため計8人での滞在になった。8人は3日まで別荘に滞在。町長は風邪気味だったといい、その時点でコロナに感染していたとみられている。

 別荘滞在中、永原氏が通う北九州市の飲食店関係者にコロナ感染が疑われる状況になっていることが判明。町長を含む5名が1月5日に大任町内の内科でPCR検査を受けていた。

 5日の時点で陽性の判定を受けたのは2人で、町長は陰性。しかし、その後複数回の検査を受けて感染が認められ、症状が悪化したことから田川市立病院に入院していた。別荘に行った業者の内、別の一人は12日前後にコロナ感染が分かったという。

 入院はした永原氏の病状は深刻で、対応可能な飯塚市の病院に転院していた。完治までに相当な日数がかかり、役場に顔を出す形で公務に復帰したのは3月になってからだった。

 ■問われる公人としての資格

 ハンターの事実確認に対し、大任町総務企画財政課は「行政としては把握していない」と回答。先月28日に町長室で取材した記者と永原町長は、コロナ感染について次のようなやり取りを交わしていた。

――なんで町長とお仲間のコロナ感染を公表しないのか?
永原町長:誰が感染したの?

――大任町内の病院で陽性判定を受け、田川の市民病院に入院されてと聞いているが。
永原町長:全然違いますけどね。誰が、その、嘘言うておりますかね。

――取材源は明かせない。
永原町長:言えんのやったら、俺も答えられん。だからそれが事実ならいいけど、その事実じゃないいろいろなことをね、書かれたっていうのは答えるいわれもないし。そのそれが、例えばどうした、誰がどうしたとかとかいうことは

――正月、天ケ瀬の別荘に行ったのではないか?
永原町長:あんた、私がどこに行こうと……。

――事実無根と言えば済む話だ。
永原町長:そういうことは、一切、無根であるとかそういうことは……。

 コロナ感染を「嘘」だと断じた永原氏だったが、感染も入院も事実。多くの関係者が証言しており、永原町長の「嘘」が証明された形だ。

 永原氏は福岡県町村会の会長で、全国町村会の副会長も務める立場。コロナ感染を隠蔽したことは、町民への裏切りであると同時に、まともな社会人であることを自ら否定する愚行と言えるだろう。公人としての資格がないのは明らか。潔く辞任されるよう、勧告しておきたい。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース】  2021年09月30日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.09.28】:「令和の政商」大樹総研・矢島義也氏の生い立ちと人脈

2021-10-07 08:29:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【HUNTER2021.09.28】:「令和の政商」大樹総研・矢島義也氏の生い立ちと人脈

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.09.28】:「令和の政商」大樹総研・矢島義也氏の生い立ちと人脈 

 昭和の政商、児玉誉士夫は戦前、海軍航空本部の嘱託として上海でコバルトやニッケルなど戦略物資の調達にあたり、莫大な富を手にした。

 敗戦直前に隠匿物資とともに引き揚げ、戦後は駐留米軍に協力してその富を温存、保守勢力の黒幕として影響力を行使した。児玉の力の源泉は戦前、戦後を通して「軍」であった。

 では、「令和の政商」の異名を取る大樹総研グループの代表、矢島義也(よしなり)氏の力の源泉は何か。どうやって原資を蓄えたのか。これまでの報道や関係者の話をもとに探っていくと、どうやら「女」を使って元手を蓄えたのではないか。そう思われる節がある。

 矢島氏の名を初めて世に知らしめたのは、スキャンダル暴露雑誌『噂の眞相』である。1999年の8月号に「有名俳優たちの秘密乱交パーティの夜」という記事を掲載し、東京・代々木公園近くのマンションに若手のタレントと妙齢の女性たちを集め、夜ごと乱交パーティーを開いている、と報じた。記事では矢島氏は本名の「矢島義成」として登場する。

 このマンションに足しげく通ってきたのはジャニーズ事務所の堂本光一や長瀬智也(当時)、俳優のいしだ壱成、加藤晴彦……。当時の売れっ子タレントが続々登場する。彼らの相手をしていた女性たちも突き止め、その証言も生々しく伝えた。

 芸能プロの関係者によれば、「矢島はもともと神宮前にあった『ネオ・マスカレード』というバーのオーナー。バーには芸能人やプロ野球選手なんかが頻繁に来ていた。女と有名人には目がない性格で、言ってみれば一種の『芸能ゴロ』みたいなタイプ」なのだという。

 このバーにしろ乱交パーティーにしろ、矢島氏とタレントたちを結び付けたのはTBSの宣伝部や編成局の幹部たちのようだ。「TBSに深く食い込み、編成部が主催するゴルフコンペはすべて矢島氏が仕切っている」との証言を伝えている。

 この記事を受けて、写真週刊誌『フォーカス』も同年7月21日号で「乱交パーティー『女衒(ぜげん)芸能プロ社長』の正体」と報じた。事情通によれば、「芸能プロ社長の名刺で女の子をナンパ。タレントにしてあげるとか、芸能人に会わせてあげるなどと言って、パーティーに誘っていた」のだという。

 同誌は矢島氏の故郷は長野県箕輪(みのわ)町であるとし、地元の人の話として「実家が会社を経営していた資産家の一人息子。地元の高校を中退して、その後も定職につかず、親の金で飲み歩いたり女を引っかけたり。慣れない事業に手を出して失敗、親を破産させてしまった。バカなボンボンというので“バカボン”と呼ばれていました」と伝えている。

◇  ◇  ◇

 この生い立ちの記はどこまで本当なのか。長野県南部の伊那谷にある故郷を訪ねた。

 彼は1961年1月、長野県箕輪町で矢島誠氏の長男として生まれた。この町には、電子部品メーカーとして世界トップクラスの技術を持つ興亜工業という会社がある(後にKOAと社名変更)。創業者は向山一人氏で、衆院議員や参院議員も務めた。

 父親が経営していた矢島電機は興亜の系列会社だった。日本の製造業が世界を席巻していた1980年代には父親の会社も躍進し、町内に豪邸を建てている。「資産家のボンボン」であったことは間違いない。

 小中学校時代を知る人は「余裕のある性格で失敗を恐れない。人に頼られるタイプ。器が大きいと感じた。野心は持っていたように思う」と語った。

 箕輪中学の卒業文集(1975年度)に寄せた文章が興味深い。タイトルは「中学卒業バンザイ 後三年で?」。中学校生活の思い出は乏しく、高校生活への期待もあまり感じられない。行数を費やしているのは高校を卒業した後に乗りたい車、とくにポルシェなど外車へのあこがれである。

 中学で長く国語の教師を務めた人にこの文章を読んでもらった。この文章から何がうかがえるのか。「漢字の使い方はちゃんとしている。ただ、部活で活躍したとか達成感を得られた経験がなく、なんとなく過ぎていった中学生活だったのではないか。学校で知識を身につけて社会に出たいと思うタイプではない。さっさと高校を卒業して、楽しいことをしたいと考えていたのではないか」

 同級生の記憶によれば、中学卒業後、バレーボールやラグビーの強豪校として知られる岡谷工業高校に入学したものの、中退したようだ。このためか、岡谷工業の同窓会名簿には見当たらない。入学者名簿は保存期間が過ぎたため廃棄されてないという。進学先は確認できなかった。

 中退後、矢島氏はゴルフに打ち込んだ。愛好者を集めてコンペを主宰している。シングルプレーヤーで、プロを目指していた節もある。父親に資金を出してもらって、地元にスポーツ用品店を開いたりした。

 だが、事業は失敗し、このころ父親の会社の経営も傾き始める。借金も重なり、矢島氏は逃げるように故郷を後にした。神宮前でくだんのバーを開いたのは1989年前後、20代の後半だった。父親の会社は倒産し、1998年に清算された。

 会社の土地も豪邸も人手に渡ってしまったが、父親の名義ではなかったからか、生家だけは残った。現在は矢島氏と最初の妻との間にできた娘の名義になっている。父親は10年前に死去したものの、生家には今も「矢島誠」の表札が掲げられている。苦労をかけた父親への償い、なのかもしれない。

  東京でバーを経営し、その時の人脈で芸能界とテレビ業界に足場を築いたことは『噂の眞相』や『フォーカス』の記事からうかがえる。だが、「乱交パーティー騒動」の後、矢島氏がどうしていたのかはよく分からない。

 中曽根内閣で労働大臣を務めた山口敏夫氏によると、彼はこのころ「銀座でプータローのような生活をしていた」という。彼と知り合ったのも銀座のクラブだ。「だれか貢いでくれる女でもいたのかもしれないね。派手に遊んでいたから」。

 その銀座で矢島氏に転機が訪れる。浜松出身の民主党衆院議員、鈴木康友氏と知り合ったのだ。「鈴木氏は落選中だった」というから、郵政民営化をテーマに小泉政権が仕掛けた2005年総選挙以降のことと思われる。

 鈴木氏は松下政経塾の1期生で、同期に野田佳彦衆院議員がいた。矢島氏は鈴木―野田のラインをたどって、民主党内に人脈を広げていった。2007年には鈴木氏と矢島氏のイニシャルを冠した政策シンクタンク「S&Y総研」を立ち上げた(後に「大樹総研」と改称)。

 鈴木氏はこの年に国政から身を引き、浜松市長に転じたが、矢島氏が政界に人脈を広げるきっかけを作ったという意味で、「政商・矢島義也」の生みの親と言っていい。

◇  ◇  ◇

 銀座という「地の利」、民主党人脈という「人の和」を得た矢島氏に「天の時」が訪れたのは、2009年である。

 時の麻生太郎首相の不人気、自民党の内紛、リーマンショック後の不況といった要素が重なり、この年の総選挙で民主党が圧勝したのだ。鳩山由紀夫政権が誕生し、野田氏は財務副大臣に就任した。

 1955年の結党以来、自民党は初めて第2党に転落し、霞が関の官僚たちはうろたえた。大臣になったのはよく知らない政治家ばかり。ツテを求めて、官僚たちの「矢島詣(もう)で」が始まる。国会対策を担当していた財務省の福田淳一氏、法務省の黒川弘務氏らとのつながりができたのはこの時である(後に福田氏は事務次官に上り詰めたが、セクハラで失脚。黒川氏は賭け麻雀で検事総長になり損ねた)。

 矢島氏は民主党政権時代、野党自民党の国会対策副委員長として苦労していた菅義偉氏に手を差し伸べている。グループの議員が軒並み落選し、派閥解消に追い込まれた二階俊博氏も支援した。このへんが矢島氏の懐の深いところだ。人間、苦しい時に助けてくれた人への恩は忘れない。

 自民党が政権を奪回すると、矢島氏は菅―二階のラインで自民党にも人脈を広げ、与野党の双方に太いパイプを持つに至った。官僚や経済人が以前にも増して群がったのは言うまでもない。

 矢島氏の人脈のすごさを見せつけたのが、2016年5月に帝国ホテル「富士の間」で開いた「結婚を祝う会」である。銀座で知り合った女性との再婚を祝う会なのだが、主賓は菅義偉・官房長官(当時)、乾杯の音頭は二階俊博・自民党総務会長(同)という豪華版だ。

 民進党(旧民主党)からも野田佳彦氏、玄葉光一郎氏、細野豪志氏らが出席、財務省の福田氏ら有力省庁の幹部も漏れなく参じた。菅氏と親しいSBIホールディングスの北尾吉孝社長、サイバーセキュリティ分野で国内第一人者とされる安田浩・東大名誉教授、徳川宗家19代当主の徳川家広氏、インドネシアのゴベル通商大臣ら実に多彩な顔ぶれである。

 こういう席にはあまり顔を出さない安倍晋三首相(同)もビデオメッセージを寄せ、それが披露されると、300人余りの出席者の間にざわめきが広がったという。

 その人脈を矢島氏はどのように活用しているのか。その内実を、月刊誌『選択』が2018年8月号で詳細に暴いている。

 大樹総研の傘下に再生可能エネルギー事業を手がける「JCサービス」という会社がある。この会社が鹿児島県徳之島町で太陽光発電の蓄電池増設事業を計画し、2013年に環境省から補助金を受けた。

 ところが、蓄電池は一度も稼働せず、一部は現場に放置されていた。事業のずさんさを知った環境省は、補助金2億9600万円の返還と加算金1億3,600万円の支払いを命じた。

 問題は、このJCサービスの子会社から細野豪志氏に5,000万円の資金が流れていたことだ。この補助事業が検討されていた2012年当時、細野氏は野田政権の環境大臣であり、「便宜供与への謝礼(賄賂)」ではないか」との疑惑が浮上した。

 細野氏は「個人的に借りた」と釈明し、贈収賄事件として立件されることはなかったが、細野氏と会社との仲介をしたのは大樹総研グループと見られる。

 『選択』は、ソーシャルレンディングをめぐる闇も追及している。ネット上で資金を募り、ネット上で融資の仲介をするベンチャービジネスの一つだが、再生可能エネルギーへの投資を名目に巨額の資金を集めながら、それとは別のことに流用するといったトラブルが頻発している。この分野でも大樹総研傘下の企業群がうごめいているという。

 記事で引用している大樹コンサルティングの海老根靖典社長の言葉が興味深い。海老根氏によれば、大樹総研グループは「すべての政党と深く関わりがあり、中央官庁との色々なネットワークも持っていますので、政治的な働きかけができることが大きな強み」なのだという。

 彼らはその「強み」をどのように使っているのか。政治家や官僚、企業経営者たちは大樹総研グループとどう関わっているのか。一つひとつ、それを解き明かしていく作業を続けなければなるまい。(長岡 昇:NPO「ブナの森」代表)

長岡 昇(ながおか のぼる)
山形県の地域おこしNPO「ブナの森」代表。市民オンブズマン山形県会議会員。朝日新聞記者として30年余り、主にアジアを取材した。論説委員を務めた後、2009年に早期退職して山形に帰郷、民間人校長として働く。2013年から3年間、山形大学プロジェクト教授。1953年生まれ、山形県朝日町在住。

 ※参照記事⇒“「令和の政商」が配る「東京大学 最高顧問」の名刺

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース】  2021年09月28日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2021.09.27】:【自民党総裁選】河野・岸田の決選投票で注目される高市陣営の票

2021-10-07 08:29:30 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【HUNTER2021.09.27】:【自民党総裁選】河野・岸田の決選投票で注目される高市陣営の票

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.09.27】:【自民党総裁選】河野・岸田の決選投票で注目される高市陣営の票 

 自民党総裁選の投票日は9月29日。報道機関の調査結果などから、党員票では河野太郎規制改革担当相が40%以上の支持を受けて優勢。議員票では岸田文雄前政調会長がトップに立っている。そこへ割り込もうと、党員・議員票で急上昇しているのが元総務相の高市早苗氏だが、最終的には3着でのゴールが妥当なところだとみられている。告示直前に出馬を決めた野田聖子幹事長代行を除く3氏が、激しく争う現状を取材した。

 ■崩れた河野陣営のシナリオ

 総裁選の告示前、圧倒的な国民人気で楽勝が予測されるほどだった河野氏。小泉進次郎環境相、石破茂元幹事長と「小石河連合」を組み、党員票で大差をつけて議員票につなげるという作戦だった。しかし一寸先は闇といわれる政界のこと、ここに来て陣営の勢いは急激に落ちている。河野氏を応援する衆院議員がこう嘆く。
「1+1+1が3ではなく、50にも100 にもと狙った人気者トリオだったが、現実にはそうなっていない。戦略ミス。シナリオが完全に崩れた」

 河野氏にとって、石破氏との連携は大きな賭けだった。安倍晋三前首相や自身が所属する麻生派のトップである麻生太郎副総理兼財務相は、石破氏と険悪な仲。それでも「安倍さんや麻生さんとこじれても、小石河連合で断トツの党員票を獲得できれば、総裁の座につけると判断し、大きな賭けに出たのです。党員票を、最低でも7割近くはとれると踏んでいた。ところが、石破氏に対する党内の拒否反応は思っていた以上。『石破と組むのなら、河野には乗れない』とそっぽを向いた議員もいる」(前出・河野氏側の衆院議員)

 残念ながら、「賭け」は思ったほどの相乗効果を発揮しておらず、むしろマイナスに働いたというのが現状だ。

 河野氏が伸びを欠くもう一つの理由として、総裁選出馬を決めてからの「変節」をあげる人は少なくない。

 脱原発論者として知られる河野氏だが、総裁選の中の議論で、自ら原発に触れたことはない。それどころか、再稼働を容認する考えを示したことで、政治姿勢に疑問符を付けられた。

 9月21日、衆院議当選3回以下の議員でつくる「党風一新の会」が4人の候補者と開いた会合では、官邸主導では党が軽視される「政高党低」ではないかと指摘され、「国会で説明責任を果たすのは政府。政高党低でないと困る」「部会でギャーギャー言っているより、副大臣、政務官チームを半ば非公式に作ったらどうかと思う」と発言。この発言が党内で批判を浴びて、河野氏は「不適切だった。お詫びして訂正する」と発言の撤回を余儀なくされた。ラジカルが「売り」の河野氏が謝罪に追い込まれたのだ。こうしたことが重なり、断トツ一位の夢は、完全に消えたとみていいだろう。

 ■注目は高市陣営の票

 自民党のある大臣経験者が、今後見立てを次のように語る。

 「現状のままだと、1回目の投票で過半数をとる候補者はいない。河野が1位、岸田が2位で決戦投票になるだろう。高市は善戦しているが、やはり3番手」

 そうなれば、安倍元首相の指示で高市氏支援に流れた細田派の所属議員は、決戦投票で岸田氏にまわって2位・3位連合が実現。結果、河野氏が敗戦というシナリオが濃厚となる。

 だが、安倍氏の強力なサポートもあって、終盤になって追い上げる高市氏の動きが目立つ。「高市氏が2位に滑り込む可能性もある」という声さえあるほどだ。

 「決戦投票で岸田さんと争うとなれば、数的には厳しいでしょう。正直、まず、高市氏に頑張ってもらい2位に入ってもらい、岸田さんは3着になってほしい。河野と高市氏との決戦投票なら、岸田派の票はウルトラライトの高市氏には絶対にいきません。河野と高市氏が争う決戦投票では、岸田陣営に頑張ってもらうしかない。そんな心境です。ハッキリ言って、完勝と思っていた総裁選で、ここまで苦戦するなんて……」(前出・河野氏側の衆院議員)

 1回目は高市氏、決戦投票は岸田氏に頑張ってもらうという、虫のいい話が通用するのだろうか?

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース】  2021年09月27日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.09.21】:消えた寄附金150万円|西田正治筑後市長に政治資金規正法違反の疑い

2021-10-07 08:29:00 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【HUNTER2021.09.21】:消えた寄附金150万円|西田正治筑後市長に政治資金規正法違反の疑い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.09.21】:消えた寄附金150万円|西田正治筑後市長に政治資金規正法違反の疑い 

 福岡県筑後市の西田正治市長が、2017年(平成29年)に行われた筑後市長選を前に支援してくれた市議会議員団から受けた寄附計150万円を、後援団体の政治金収支報告書に記載していなかったことが明らかとなった。

 政治資金規正法が禁じる不記載もしくは虚偽記載に当たる可能性が高く、市議会や市民から説明を求める声が上がりそうだ。

 ■消えた150万円

 西田市長に寄附した市議は15人。ハンターの取材に対し、複数の市議、元市議が、それぞれ10万円ずつ計150万円を市長側に寄附したことを認めている。

 有力議員の発案で決まったという寄附は、副市長だった西田氏が辞職し市長選出馬を決めた2017年の9月から10月にかけて実行に移され、西田氏を推薦した15人の市議全員が現金10万円を西田氏側に渡していた。ある関係者は、「市議が市長に活動資金を提供するという異例の話だったが、市長選に名乗りを上げる候補者がいない中、出馬を承諾してくれた西田氏に対し、推薦した市議団の決意を示す意味があった」と話しており、全員が寄附の趣旨に賛同していたという。

 市議らは、元市職員で選対事務局長を務めていた男性などに現金を手渡ししたが、別の関係者は「10万は少なくない額。市議団の好意であり、もちろん西田市長も(寄附の事実を)知っていた」と証言している。

 市長選は西田氏の他に立候補者がなく、同氏が無投票で初当選。選挙運動が行われたのは告示日の11月12日だけだった。

 西田陣営が筑後市選管に提出した選挙運動費用収支報告書によれば、陣営の収入は310万円(*下が報告書の写し)。全額西田氏の自己資金で賄われた形になっており、市議団の寄附150万円の記載はない。

 市議団からの150万円が選挙に対する寄附でなかったとすれば、記載される可能性があるのは政治団体の収支報告書だけだ。政治資金の受け皿となり得る西田氏の関連政治団体は、福岡県選挙管理委員会届出の「西田せいじ後援会」のみ。県選管に同団体が提出した2017年分の政治資金収支報告書を確認したところ、収入は「0」となっていた。(*下の報告書参照)

 市長選の選挙運動費用収支報告書にも、西田せいじ後援会の政治資金収支報告書にも、市議団からの150万円は収入としてカウントされていない。つまり、西田氏側に寄附された150万円が消えた格好だ

 ■収入・支出「0」はあり得ない政治資金収支報告書

 では、市議団からの150万円を記載すべき「報告書」は、公職選挙法が規定する選挙運動費用収支報告書なのか、あるいは政治資金規正法が規定する政治資金収支報告書なのか――。その疑問に対する答えを出しておきたい。

 西田氏は出馬表明後、後援会事務所を設置して活動を開始。市内の有権者向けに後援会リーフレットなどを作成して配布するなど、活発に動いていた(*下が西田後援会のリーフレット)。

 残された印刷物や関係者の証言などから、後援会活動が行われたことは確か。活動に見合う支出とそれを賄う「収入」があったはずだが、西田せいじ後援会の収支報告書には「0」が並んでいる。あったはずの支出とそれに見合う収入のすべてを、意図的に隠したとみることも可能だが、活動実態から判断すれば、市議団からの寄附150万円は政治資金規正法が規定する「政治資金収支報告書」に記載されていなければならないことになる。オール『0』はあり得ない。

 前掲の政治資金収支報告書の表紙に明記されている通り、「西田せいじ後援会」の代表者は西田市長本人、会計処理の責任を問われる会計責任者も市長本人であるため、西田氏に直接話を聞いた。以下、その概要である。

 ■とぼける市長――「覚えていない」

――市長が代表者と会計責任者を兼任している西田せいじ後援会のことで聞きたい。
西田市長:はい。

――前回の市長選の時に、市会議員15名から、それぞれ10万ずつ計150万円の寄附があったと思うが?
西田市長:それが何ですか?

――どのように会計処理したか?
西田市長:はい?

――政治資金収支報告書にも選挙の収支報告書にもは一切出てこないが?
西田市長:……覚えてない。

――不記載ということでいいか?
西田市長:覚えてない。

――覚えてないはずがない。
西田市長:うんうん。

――10万ずつ15人。寄附した側が認めている。
西田市長:ああ、そうですか。

――市長は覚えていない?
西田市長:はい。

――会計帳簿があるはずだが?
西田市長:おぼえて、覚えてないですね。

――会計帳簿はあるか?
西田市長:もうないですね。はい。

――もうない?
西田市長:はい。

――3年間保存の義務がある。
西田市長:いや、調べてみなきゃわからん。はい。

――帳簿はあるのか、ないのか?
西田市長:そうですね。だけん、あの、今の帳簿はですよ……。

――市長の後援会の帳簿だ。
西田市長:市長選の頃は、まだ後援会ができとらんやったもん。

――そんなはずはない。後援会のリーフレットを作っている。
西田市長:途中からできとるけん。

――市長選のあった年の後援会の帳簿だ。
西田市長:はいはい。その年の。うんうんうん。

――収支報告書を選管に出したはずだ。
西田市長:出してますよ。

――市長の後援会で印刷物を作っていた。
西田市長:……はい。

――その印刷物の支出の記載もないが?
西田市長:うん。

――市長選のあった年、西田せいじ後援会の印刷物とか事務所開きなどの支出があったはずだが、一円も出て来てこない。
西田市長:はいはい。

――つまり、不記載ということだ。
西田市長:はい、そうです。

――もう一度聞くが、15人の市会議員から受10万ずつ受けた寄附は、どこに消えたのか?
西田市長:15人かどうかすら、分からんばってんですね。

――複数が、あなたを推薦した15人全員と証言しているが。
西田市長:ああそうですか。

――そのカネはどうしたのか?
西田市長:覚えてないじゃ。

――覚えてないはずない。
西田市長:はい。うん。

―――覚えてないなどと、寄附した人に失礼だ。言っていいことと悪いことがある。
西田市長:いやいやいや、そういっても、覚えてないもんは、覚えてないけんですね。

――本当に覚えていない?
西田市長:はい。覚えてないですね。

――市長が選挙の時に使ったのが310万。
西田市長:はいはい。

――全額自己資金か?
西田市長:はい、自己資金ですね。私のお金ですよ。

――問題の150万とは関係ないのか?
西田市長:はい。ないですね。

―――すると150万はどこに消えたのか?
西田市長:いや、そりゃ知らーん。どげんしたやろかと思って。

――どげんしたやろか?他人事ではないはずだ。
西田市長:いえいえ、私がどげんしたやろかっち思って。

――市長がもらったカネのこと。覚えていないはずがない。
西田市長:すみません、ちょっと議会が始まりますので。すみませんけど。はい。すみません。

 「覚えてない」の一点張りで、とぼける市長。しかし、記者が話を聞いた関係者の中で「覚えていない」「記憶にない」といった曖昧な話をした人は一人もいない。市長の「私がどげんしたやろかっち思って」(私が、その150万円をどうしたのかと思って)に至っては、お粗末すぎて開いた口が塞がらない。150万円もの寄附をもらいながら、その行方が分からないという人物に、市長を続ける資格はあるまい。

 法が備え付けと3年間保存(収支報告書の要旨が公表された日から3年。今回の場合なら来年の11月末)を義務付けている会計帳簿についても、「ない」と断言したり「調べてみなきゃわからん」と言い出したりで、ごまかそうと懸命だ。帳簿があれば、後援会リーフレットを作成した際の支出も、市議団からの寄附150万円も、収支報告書に転記されていたはず。それが報告書に記載されていないとなれば、帳簿がないか、あるいは意図的に隠したかのどちらかということになる。

 政治資金規正法は、その年に発生した政治団体の全ての収入と支出を「会計帳簿」に記載した上で、所定のルールに従って「政治資金収支報告書」に転記し、都道府県選管(全国団体は総務省)に提出するよう定めている。実際にあった支出や市議団からの寄附150万円を隠した西田市長の行為は、政治資金規正法上の不記載、もしくは虚偽記載に当たる可能性が高い。違法性が認められた場合、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金となる。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース】  2021年09月21日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.09.14】:【自民党総裁選】派閥流動化でもキングメーカーは元総理

2021-10-07 08:28:40 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【HUNTER2021.09.14】:【自民党総裁選】派閥流動化でもキングメーカーは元総理

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.09.14】:【自民党総裁選】派閥流動化でもキングメーカーは元総理 

 河野太郎行革担当相、岸田文雄元外相、高市早苗元総務相の3人が出馬表明している自民党の総裁選。第4の候補の出馬も取り沙汰されるが、永田町では「河野と岸田による事実上の一騎打ち」という見方が圧倒的だ。

 若手議員の活発な動きを受けて派閥の締め付けが難しくなっているが、勝敗の鍵を握るとみられているのは、やはりあの人――二度も政権を投げ出した安倍晋三元総理である。

 ■自主投票確実の麻生派、迷走する二階派

 麻生派の領袖・麻生太郎副総理兼財務相は河野氏の出馬に「やる以上は勝つつもりで」と激励したが、実際に支援するのは岸田氏だという。ある麻生派の議員は、情勢をこうみている。

 「麻生派として、1人に絞って特定の候補者を支援することはない。自由投票になる」

 昨年の総裁選で官房長官だった菅義偉氏の支持を最初に打ち出して政局の主導権を握った二階派は、石破茂元幹事長の擁立に失敗。岸田氏の党改革案で二階俊博幹事長の退任も決定的となっており、派内の焦りは増すばかりだ。

 「石破氏の議員を二階派に取り込もうという魂胆がバレてしまった。プライドの高い石破氏はへそを曲げてしまった。うちの派閥を頼る奴はいないだろう。自主投票になるかもしれない」(二階派議員)

 ■安倍にひれ伏した河野、岸田

 落日の権力者を高みから見物しているのが、新たなキングメーカーになりそうな安倍晋三元総理である。

 「原発ゼロ」などの主張から“改革派”とみられていた河野氏は、出馬表明の記者会見で突然原発再稼働を容認する発言を行うなど大幅に軌道修正。「保守」という言葉を繰り返して安倍にすり寄った。この姿勢について、河野氏支援の議員は次のように言い訳する。

 「威勢だけよくても、票が出ないと勝てません。最大勢力である細田派は実質的には安倍さんのもので、その意向をは無視できません。だから、河野氏はわざわざ安倍氏を訪ねて出馬の意思を伝えに行ったんです」

 安倍にすり寄ったのは岸田氏も同じで、当初「森友学園の再調査も」と明言していたにもかかわらず、元首相の不興を買ったとわかるや「再調査はしない」――。岸田氏の出馬を好意的にみていた国民に、弱腰の印象を与えてしまった。

 安倍氏は高市氏の支援を打ち出し、細田派からも推薦人を出すよう指示を出している。3人の候補者すべてが、最大派閥を実質的に率いる安倍氏にひれ伏すといった状況だ。

 細田派の議員が、「安倍さんは、自分こそがキングメーカーなんだと上機嫌ですよ」と打ち明ける。

 細田派からは下村博文政調会長が出馬に意欲を燃やして推薦人を集めていたが、「下村氏は14、5人まで推薦人を集めた。派内で『安倍氏も下村氏』という情報が流れて、一気に20人を超えた。だが、話を聞いた安倍さんは『話が違うだろう。下村氏は何を調子よくやっているんだ』と不快感を示したと聞いている。そこへ、菅義偉首相から呼び出されて『総裁選に出るなら政調会長を辞めろ』と脅された。安倍さんの一言で派閥はどうにでもなるという感じだった」(前出・細田派の議員)

 一連の経緯を受けて、下村氏は総裁選出馬を断念している。

 ■高市嫌う細田派の若手

 安倍の号令一下、右へ倣へとなるはずだった細田派も、どうやら高市氏でまとまる見込みはない。安倍氏は細田派がまとまって高市氏の支援に回るよう根回しをかけていたが、ここに来て、同派も一枚岩ではないことが明らかになってきたのだ。

 「高市が、保守というより右翼と言った方がいいような出馬表明をやったもんだから、ドン引きしている議員がたくさんいる。嫌っていると言った方がいいかもしれない。総裁選は議員だけではなく地方票もある。現実的に高市氏が勝つのは非常に難しいだろう。細田派としては、高市氏でシバリはかけないと思う。それどころか、河野氏や岸田に流れる若手議員も大勢いて、その動きを黙認することになりそうだ。それでも、安倍さんが認めない候補が勝てないのは事実。この国のトップは、安倍さんなんだ」(前出・細田派の議員)

 キングメーカーとしてほしいままに振舞う安倍氏だが、枕を高くして眠る日々が続くとは限らない。実は、政局の裏である疑惑が浮上している。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース】  2021年09月14日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.09.13】:【自民党総裁選】注目集める二階派と石破元幹事長の動き

2021-10-07 08:28:30 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【HUNTER2021.09.13】:【自民党総裁選】注目集める二階派と石破元幹事長の動き

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.09.13】:【自民党総裁選】注目集める二階派と石破元幹事長の動き 

 告示を前にして、出馬を目指すすべての候補が安倍晋三元首相にひれ伏してしまった自民党総裁選。河野太郎行革担当大臣が出馬表明し、岸田文雄元外相、高市早苗元総務相との三つ巴の構図が固まりつつあるが、「安倍政治」の継続が決定的となったことで国民の間には“しらけムード”が漂い出している。

 状況を変える可能性を秘めているのは、安倍と距離を置いてきた石破茂元幹事長のみ。いま、その動向に注目が集まっている。

 ■「白紙」で様子見の石破氏

 前回の総裁選では、いち早く菅義偉首相をかついでキングメーカーとなった二階俊博幹事長だったが、今回は岸田氏から「二階おろし」の党改革案を打ち出され、退任が「決定事項」になってしまった。ある二階派の議員が、暗い表情でこう話す。

 「幹事長を辞めざるを得ない状況になりましたが、一番の問題はうちの派に総裁候補がいないこと。そこが他の大派閥と違うところです」

 確かに、総理総裁候補がいて政権中枢で一定の存在感を示せる派閥は強い。かつて隆盛を誇った竹下派の力が低下したのは、総理総裁を狙える政治家が育たなかったせいだ。石原派にしても、いずれは他派閥に吸収されるものとみられている。

 我が世の春を謳歌してきた幹事長派閥から、一転して干される可能性まで出てきた二階派で、“出世頭”とされるのは武田良太総務大臣。だが、「期待はあるが、すぐに総理総裁になれるわけではない」(前出の同派代議士)との声が大半だ。次善の策とがあるとすれば、派閥がまとまって総裁選のキャスティングボードを握ることだろう。

 そこで二階派として石破茂元幹事長を担ごうとしたが、石破氏は「白紙」というばかり。野田聖子幹事長代行が支援を求めてきたというが、これには派内の拒絶反応が強いという。

 「二階派は民主党にいた細野豪志衆院議員を特別会員として抱えている。IRに絡んだ贈収賄事件で実刑判決を受けたばかりの秋元司被告も、まだメンバーだ。しかし野田氏だけは勘弁してというのが大方の本音ですよ」(前出・二階派の代議士)

 野田氏については、夫の野田文信氏が指定暴力団・会津小鉄会の元幹部組員だったことを週刊新潮がスクープ。文信氏は名誉棄損だと提訴したが、東京地裁は記事の信用性を認める判決を下している(現在控訴中)。問題児が多い二階派でも、さすがに、夫が元暴力団員というのはマズいということだろう。

 「週刊新潮だけではなく、週刊文春のネット記事でも『警察庁が文信氏を暴力団員と認定している』という趣旨の記事が出たことがダメ押しになった」(前出・二階派の議員)

 ■党員調査では石破氏一位

 二階派にとって、幹事長降ろしに走った岸田氏だけは絶対に容認できない。高市と河野からは、「二階派のテイストには合わない」「イメージの悪い二階派の表立っての応援はいらない」などと拒否反応を示された。そこで二階派の幹部らは、再度石破氏を口説いているという。

 石破氏は、森友・加計や桜を見る会の再検証について、「必要なことであればやらなければいけない」と明言。安倍元首相や麻生太郎副総理兼財務大臣が一番嫌がることを口にできる唯一の政治家だ。キングメーカーの2人に喧嘩を売るような発言は、石破氏がまだ出馬に含みを残している証左ともとれる。古参の自民党幹部は、次のように解説する。

 「安倍・麻生の下に150人ほどの国会議員がいる。だが、お二人の数の力で押し切る政治に反感を抱いている議員は少なくない。石破が地方に強いことは過去の総裁選で実証済み。河野や岸田、高市が二人の元総理になびく中、石破が“脱安倍政治”の票をまとれば、勝負になるという空気が自民党内にある」

 石破氏に注目が集まる理由は、他にもある。報道各社の調査では河野氏の人気が高いような記事が目立つ。しかし、ハンターが入手した自民党本部のものとみられる党員を対象にした調査データ(9月4日時点)では、石破氏がトップに立っているのだ。(*下がそのデータの画像。クリックして拡大)

  石破氏29%に対し、二位の河野氏が21%、岸田氏が19%、高市早苗氏8%――。各県の自民党関係者からは「実情を正確に反映している」という声が多く、取材結果とも符合する数字だ。この時の状況が続いていくとすれば、石破氏の出馬が総裁選の結果を左右するのは確実である。石破氏が二階派の誘いに乗るかどうか――。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース】  2021年09月13日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.09.10】:「道庁は言われないと動かない」| 江差看護学院パワハラ問題で議会追及続く

2021-10-07 08:28:20 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2021.09.10】:「道庁は言われないと動かない」| 江差看護学院パワハラ問題で議会追及続く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.09.10】:「道庁は言われないと動かない」| 江差看護学院パワハラ問題で議会追及続く 

 被害告発から1年を経てなお解決を見ない北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題で7日午後、地元議員が改めて北海道庁の動きの鈍さを指摘、問題への主体的な対応を求めた。

 学院では9月初旬の時点で一部の後期授業が開講しており、議会では休学中の学生などへの情報提供の不充分さも浮き彫りになった。

◇ ◇ ◇

 同日招集の道議会保健福祉委員会で質問に臨んだのは、ほぼ毎回この問題を追及し続けている同委の平出陽子議員(民主、函館市)。「事実調査の進捗がまったくわからない」と切り出した同議員は、パワハラ問題を受けて道が設置した第三者委員会による被害調査について、道の担当課がホームページ内で公表している議事録がほぼ白紙となっていることを指摘(下の画像参照)、「道民の知る権利を阻害している」と指弾した。道はこれに「今後は調査件数などの具体的な情報も公表していきたい」と答弁、調査の進捗については「現在は個々の事案の事実確認にあたっているほか、教職員へ追加の聴き取り調査を予定しているところ」と明かした。

 告発のあった江差看護学院では昨年度末、複数の学生が教員のパワハラを苦に休学を届け出た。休学者の中には10月の後期授業開講時に復学を考えていた人が複数いるが、一部の授業については9月上旬から後期授業が始まっている。

 当事者がこれを知ったのは開講直前の8月中旬のことで、突然の対応に途惑った保護者の要望を受け、道は急遽「リモート受講」による単位取得を認めることにしたという。7日の議会では、平出議員がこうした不充分な情報提供に苦言を呈することになる。

 「後期授業を受けたいと希望する学生たちには、きちんと情報が伝わっているのでしょうか。『何度も問い合わせをして、やっとオンライン授業に参加できることになった』という話も聴きました。これでは、問い合わせをしない学生には情報が伝わらないのではないか。『学生に対し、救済方法を考えております』と答弁している割にはお粗末ではないかと思うんです」

 指摘を受けた道は「事前の丁寧な情報提供に努める」と答弁、可能な限り学生の意向に沿った学習環境の確保に努めるとした。ただ、この時点ですでに9月第1週を過ぎており、議員指摘の通り救済策としては「お粗末」と言わざるを得ない。

 10月からの授業も開講目前となり、残る僅かな時間でパワハラ認定、救済策確定、及び教員の処分が可能なのか、道にはスピード感のある対応が求められるところだが、問題解決の目途は未だに立っていない。平出議員は7日の議会質問を次のように締め括った。

 「学生や保護者に言われないと、道は動きません。議員に質問されないと、道は動きません。だから私は、しつこく質問するんです。以上」

 江差看護学院のパワハラ問題で複数の保護者から道への匿名告発があったのは、昨年9月のこと。問題はなお解決を見ないまま、2年目に突入する。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

*「江差高等看護学院の正常化を求める父母の会」公式サイト⇒https://esashi-seijo.main.jp/

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2021年09月10日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.09.09】:田川市ごみ収集事業プロポーザルに重大疑惑|選定業者入れ替え契約

2021-10-07 08:28:00 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2021.09.09】:田川市ごみ収集事業プロポーザルに重大疑惑|選定業者入れ替え契約

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.09.09】:田川市ごみ収集事業プロポーザルに重大疑惑|選定業者入れ替え契約 

 福岡県田川市(二場公人市長)が今年5月に実施した、ごみ収集業者の業者選定に重大な疑惑が浮上した。

 プロポーザルで選定が進められたA、B、C三つの工区のうち、A、B両工区で第一位となった業者がA工区の受注を辞退。C工区の一位企業も、辞退届を出していた。業者選定を無にするに等しい異例の事態。取材したところ、改めて別々の3社が仕事を分け合う形で契約が結ばれていたことが明らかとなった。

 市は、プロポーザルの結果を公表していたが、契約結果はなぜか非公表。ハンターが情報公開請求した3社との契約書のうち、選定下位の契約業者名は黒塗り非開示だった。市の異常な隠蔽姿勢は不正の証しともとれ、契約の正当性に疑問符が付く状況となっている。

 ■プロポーザル一位の2社が「辞退」

 問題の事業は、「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託」。A工区(市内西側の可燃ごみ)、B工区(市内東側の可燃ごみ)、C工区(市内東側の可燃ごみ)に分けて業務委託されるもので、来年4月からの実施に向けて今年5月にプロポーザル方式での業者選定が行われていた。

 市のホームページには、A工区とB工区では田川市本社の「早雲商事」が、C工区では同じく田川市本社の「クリーン北部九州」が第一位となった選定結果が掲載されている。

 通常なら、この選定結果通りに契約が結ばれるはずだが、現実は全く違うものとなっている。ハンターが同市への情報公開請求で入手した文書によれば、A工区で選ばれた早雲商事が優先交渉権第一位の権利を辞退、C工区一位のクリーン北部九州も辞退していた。

 ■契約業者の社名は非開示

 プロポーザルの意味がなくなる事態だが、市はこの結果をホームページなどで公表しておらず、ハンターが求めた「業務委託契約書」も、選定結果通りに契約が交わされたB工区以外は、新たに決まった業者の名前を黒塗りにして隠蔽を図っている。(*下が、A~C工区の契約書)

  ■非開示理由への反論

 田川市がA、C両工区の契約業者名を開示しない理由として挙げてきたのは、『契約締結以降、業務の本格実施に向けて、請負業者による人材の確保や本誌実施の研修への参加等、段階的に準備を行うこととしており、その準備に支障を及ぼすおそれがあるため』という、他の自治体ではあり得ない非常識な主張。税金を原資とする業務の契約先を事業実施まで隠蔽するということは、市民への説明責任を放棄したに等しい所業といえる。

   事業者名を公表されて困るような仕事を、なぜA及びCの工区を受注した業者は受注しようとしたのか。さらに言うなら、運よくプロポーザルで一位になっていたら、当然社名がホームページに掲載されていたはずで、繰り上げ当選だからといって社名を隠すのは不自然だろう。

 『請負業者による人材の確保や本誌実施の研修への参加等、段階的に準備を行うこととしており、その準備に支障を及ぼすおそれがある』というが、各業者はプロポーザルに参加した段階で、提案書に“業務遂行が可能”であることを明記していたはず。そうでなければ選定に残れまい。市側の非開示理由は、「何をいまさら」のこじつけでしかなく、真相は別にあるとみるのが普通だ。

 ■膨らむ疑念

 では、A工区とC工区を受注したのはどの業者か――?業界関係者や市役所周辺への取材によれば、C工区を辞退した会社が2位となっていたA工区の受注に回り、C工区で2位となっていた業者がそのままC工区の業務を受注していた。つまり、A工区を、C工区一位になって辞退したクリーン北部九州が、B工区は選定結果通りに早雲商事が、C工区を同工区2位の別の会社がそれぞれ受注したというということ。3社で都合よく仕事を分け合った形だ。誰もがおかしいと思う結果となっている。

 そもそも、C工区でプロポーザル第一位に選ばれながら受注を辞退した業者が、なぜA工区の仕事をもらえるのか?応札前の辞退ならまだしも、落札が決まってから「やっぱりいらない」と言われたのでは、業者選定の秩序は崩壊したも同然だ。C工区は辞退するが、A工区なら請負うというのでは、あまりに身勝手。本来なら指名停止になってもおかしくない行為だろう。市がA工区とC工区の契約先を非開示にしているのは、C工区を辞退した業者がA工区を受注しするという不合理な事実を隠すためではないのか。

 こうなると、どうしても明らかにしなければならないのが辞退理由だ。市民が納得する理由が必要となることは言うまでもない。しかし、上掲の「辞退届」にも、市の決裁文書にも理由は述べられていない。やむなく、辞退届を提出した早雲商事とクリーン北部九州に話を聞いた。

早雲商事・役員の話
「もともと、(受注するのは)どれか一つの工区だけでよいと思っていた。Cは不燃物の方だったので、最初から(プロポーザルに)入っていない。もし二つとっても(受注しても)、それはもうできない。人数も新たに集めないといけないし、一工区最低6人で、二工区なら12人。無理。だからひとつの工区でということ」

 早雲商事の役員はある意味正直で、もともと一つの工区しか請負う意思がなかったのだと話す。理由も単純で、2工区になると仕事をさばけないからだという。しかし、プロポーザルの提案書は自社の請負能力を否定するものではなかったはず。だからこそ、A、B両工区で選定一位になったのだ。それが選定結果が出てから「できません」という姿勢には、首を傾げざるを得ない。

 クリーン北部九州の方は、“取り付く島もない”という対応だった。こちらが名乗って“”田川市のごみ収集運搬事業のことについてお尋ねしたい”と言ったとたん、つっけんどんに「おたくに話すつもりはないんですけど」「答える必要はない」。辞退理由について聞きたいだけだと説明しようとするが「おたくに話す義務はないですね」とケンカ腰で、逆に「この携帯番号は誰に教えてもらったんですか」と凄まれてしまった。記者がかけたのは、田川市が発行している事業系ごみの許可業者一覧に掲載されていた同社の固定電話の番号。転送されたものを勘違いしたのだろうが、話も聞かずに憤りを露わにする態度には呆れるしかなかった。

 実は。同社がC工区を辞退し、A工区を受注したことには別の意味で大きな疑念が生じる。C工区の業務委託料が約1億4,000万円であるのに対し、A工区は約2億3,400万円。クリーン北部九州は、不当とみられてもおかしくない「辞退」で、1億近い利益を得たことになるからだ。

 ■識者からも厳しい意見

 田川市のごみ収集運搬業務の業者選定を巡っては、プロポーザルの選定過程のうち評価委員の採点個票を非開示にするなど初めから隠蔽姿勢が顕著だった。非常識な理由で契約書の業者名を黒塗りにしたことで、疑惑の闇が広がった格好だ。こうなると、市役所と一部業者が組んだ事実上の入札妨害が行われた可能性も否定できない。

 一連の経過について、行政機関の実態に詳しい市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は、次のように話している。
「契約書の業者名を黒塗りにしたというケースは、聞いたことがない。あってはならないことだ。非開示理由に至っては、まったく理解できない。何のためのプロポーザルだったのか、議会でしっかりと議論すべきだろう。そもそも、“業務遂行能力がある”としてプロポーザルの提案書を出しているはずで、選定下位だったからといって“準備ができていない”という主張は成り立たない。準備も人繰りもちゃんとできるという前提でプロポーザルに参加した以上、田川市の非開示理由は著しく妥当性を欠くものだ」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2021年09月09日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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