路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:介護職らの賃上げ 持続的な財源の議論を/12.16

2021-12-21 06:00:16 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説】:介護職らの賃上げ 持続的な財源の議論を/12.16

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:介護職らの賃上げ 持続的な財源の議論を/12.16 

 政府は、2021年度補正予算案に介護や保育、看護などの現場で働く人たちの賃金を引き上げる財源を盛り込んだ。

 いずれも暮らしの維持に欠かせない仕事を担う「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる人たちだが、低賃金や過酷な労働環境に疲弊し、深刻な人手不足が続いている。賃上げによる処遇改善は待ったなしと言える。

 介護職員らの賃上げは、岸田文雄首相が看板に掲げる分配戦略の柱でもあり、「最優先課題」と位置づける。まずこれらの職種の賃金アップを呼び水に、広く民間企業の賃上げにつなげたいとの思惑も透ける。

 政府はこれまでも保育士や介護職員の処遇改善に取り組んできたが、目に見える成果は上げられていない。

 補正予算が成立すれば、来年2月から介護職員や保育士らは収入の3%程度に相当する月額9千円、看護師が収入の1%程度に当たる月額4千円、引き上げられる。とはいえ、とても十分な額とは言えない。

 20年の賃金水準をみると、介護職員が月平均29万3千円、保育士は30万3千円で、全産業平均の35万2千円を大きく下回った。看護師は39万4千円と上回ったが、医師の4割程度にとどまる。

 今回の賃上げが行われても、介護職員と保育士の月収はなお全産業平均には及ばない。3%や1%の引き上げ率の根拠も不明だ。本当に職務に見合った賃金かどうかを検討し、継続的に底上げしていく必要がある。

 共働き世帯が増え、高齢化が進む中、保育や介護に対する社会のニーズは今後も高まるのは確実だ。安定して働ける環境を整え、慢性的な人材難の解消につなげなければならない。

 そのためには持続的な財源の確保が欠かせない。補正予算案では、来年2~9月分の賃上げに必要な原資を確保している。問題はその先だ。政府は報酬改定などで対応する方針でいる。

 医療の診療報酬や介護報酬、保育所の公定価格は公的価格と呼ばれる。それぞれの事業者が提供するサービスの対価として支払われる利用料で、原則として政府が決めている。原資は公費や保険料、サービスを利用する人の負担だ。

 賃上げのために介護報酬など公的価格を引き上げれば、保険料や利用者負担などの増額も避けられない。政府は、必要な財源をどう分かち合って確保していくのかを明確に示し、国民の理解を得る必要がある。

 介護保険料の場合、制度が導入された00年当時は全国平均で月3千円程度だったが、今では6千円を超え倍以上となっている。75歳以上の医療費の窓口負担も来秋には1割から2割へ引き上げられる見通しだ。

 介護保険料を滞納し、資産の差し押さえを受けた高齢者は年2万人を超えている。負担増に耐えられない人がさらに増えるのではないか。利用控えなどが広まれば、介護事業者の経営も圧迫しかねない。

 厚生労働省の推計では、40年度には介護職員が69万人不足する。看護師や保育士も数万人規模で足りなくなる見通しだ。人手不足なのに、賃金が上がらないのはいびつだろう。政府が決める公的価格の在り方や問題点を検証し、制度の見直しも進めるべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年12月16日  06:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:新人王、次は「歓喜の秋」へ

2021-12-21 06:00:12 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【天風録】:新人王、次は「歓喜の秋」へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:、【天風録】:新人王、次は「歓喜の秋」へ

 「8時半の男」に記憶がある人は野球観戦のベテランとお見受けする。当時の流れでナイターが終盤に向かうのが8時半ごろだったか。56年前、巨人の投手宮田征典(ゆきのり)さんは20勝のうち19勝を救援で挙げ、優勝の原動力になった

 ▲投手は先発だけでなく、救援の役割も重いと証明した先駆者だろう。その年の最優秀選手(MVP)が射程に入ったが、僅差で同僚王貞治さんに譲る。広島東洋カープの投手竜憲一さんは18勝のうち17勝を救援で挙げた、際立つ年でもあったようだ

 ▲37セーブの「守護神」がきのう、セ・リーグの新人王に決まった。もちろんカープの栗林良吏(りょうじ)投手である

 ▲セーブ数もさることながら、初登板から22試合連続無失点の新人記録を打ち立て、五輪金メダルも得た。僅差で走者を背負い、見る側がひやりとさせられたことも多々あったが、しのいだ。脱帽してグラウンドに一礼するマナーもまた、好感を持って受け止められたのではないか

 ▲彼も、昨年の新人王森下暢仁(まさと)投手も「歓喜の秋」を味わっていない。昇給は貯蓄に回しますと栗林投手は先日答えていた。力と技、それに執念もため込んで、あの2文字を取り戻すことをファンは求めていよう。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2021年12月16日  06:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:10万円給付策 混乱招いた責任は重い/12.15

2021-12-21 06:00:08 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説】:10万円給付策 混乱招いた責任は重い/12.15

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:10万円給付策 混乱招いた責任は重い/12.15

 18歳以下の子どもに計10万円相当を給付する方法について、政府方針が二転三転している。結局、岸田文雄首相は、年内の現金一括給付を容認した。

 当初は2段階配布を原則としていた。年内に現金5万円の支給を始め、卒業・入学・進級の時季に当たる来年春に向けて子育て用品に使える5万円相当のクーポンを配る方式である。

 しかし実務を担う地方自治体や野党などから批判が相次ぎ、方針転換に踏み切った。希望する自治体は無条件で現金を一括給付できるようになる。

 ただ、今から現金での一括支給に切り替える自治体は少なかろう。限られた時間しかないからだ。政府の考え方を一両日中に示すと岸田首相はきのう述べた。決断の遅れを批判されても仕方あるまい。

 政府の設けた所得制限ではじかれた世帯にも、自治体が独自の財源で配ることも容認するという。これでは、自治体に丸投げしたのと同じだろう。最初から自治体の裁量任せにすべきだった。現場に要らぬ混乱を招いた政府の責任は重い。

 10万円給付を巡っては、先週から議論になっていた。ただこれまでは、岸田首相らが自治体の意向を踏まえて柔軟な姿勢を見せても、松野博一官房長官は「同時支給は想定していない」「クーポンでの配布が基本だ」などと原則を崩さなかった。

 今回、たとえ朝令暮改と批判されても、ダメージを小さくできるとの判断が政府にあったようだ。もしクーポンを押し通そうとすれば、批判に耳を貸さなかった安倍・菅政権と変わらなくなる。その愚は避けたい、との考えがあったに違いない。

 政府が方針を転換した背景には、制度設計の甘さがあった。先月閣議決定した「経済対策」では、現金とクーポンの組み合わせを基本としつつ「地方自治体の実情に応じて現金給付も可能とする」としていた。

 店が少ないなど、クーポンを使いづらい過疎地といった一部の自治体への配慮が狙いだったという。しかし、この規定を基に全額現金での給付を検討する自治体が出てきた。これは政府には誤算だったかもしれない。

 もちろん、クーポンにメリットがないわけではない。例えば使い道が限定されているため事務経費がかさんでも、地域経済に与える効果は現金配布より大きいことだ。貯蓄に回される可能性が低いことも利点だろう。

 一方で、印刷や利用できる店舗の選定など、自治体の事務負担は、ばかにならない。配る準備をする来年春は、予算案編成やそれを審議する議会定例会、職員異動、3回目のワクチン接種などと重なってしまう。

 コストもかさむ。全国で約970億円に上るという。事務負担を減らすため、全て現金で給付しようと考える自治体が現れるのも無理はなかろう。

 政府の方針が揺らいだ背景には、10万円給付の理念や目的が曖昧だったことも響いている。経済対策に主眼を置くなら、給付対象を困窮世帯などに絞る必要があった。子育て支援が狙いなら、恒久的なサポート体制の整備が求められる。1回だけの給付では効果は限られる。

 曖昧さを残したまま突き進んだため、自治体を混乱させてしまった。その教訓を政府は肝に銘じなければならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年12月15日  06:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:12月の竜巻

2021-12-21 06:00:04 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【天風録】:12月の竜巻

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:12月の竜巻

 雷の多い北陸路では、12月ごろにとどろく雷鳴を「鰤(ぶり)おこし」と呼ぶ。これを境に、ブリが目覚めたように取れだし、漁師も色めき立つ。冬の季語にもある。〈一湾の気色立ちをり鰤起(おこ)し〉宮下翠舟(すいしゅう)

 ▲歳時記の並びには、〈雪起し〉の文字が見える。冬の雷が、寒ブリという味の記憶を呼び覚ます北陸もあれば、むしろ雪のシーズン到来を告げる兆しと受け止める地方もあるのだろう。南北に長い日本列島の多様さだ

 ▲太平洋の向こう、米国を時ならぬ冬の竜巻が襲った。その数、ひと晩で数十にも及んだというから、すさまじい。たたき壊されたかのような街並みに暗然とした読者も少なくあるまい

 ▲米中部に広がる大平原は「竜巻街道」として、つとに知られてきた。ただ、最盛期は4月から6月までとされ、12月の巨大竜巻は時季外れもいいところだった。現地では今月、最高気温が25度を超す日もあったらしい。やはり気候変動の仕業なのか

 ▲翻って、ブリの「通り道」にも異変の兆しがある。北海道の沿岸で水揚げが増え、サケやスルメイカから主役の座を奪う勢いという。これも地球温暖化による海水温の上昇が一因と聞けば、そう喜んでばかりもいられない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2021年12月15日  06:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:いちごがケーキに乗るまで

2021-12-21 05:04:50 | 【環境問題(公害・排ガス・治水・産廃・アスベスト・水俣病・イタイイタイ...

【金口木舌】:いちごがケーキに乗るまで

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:いちごがケーキに乗るまで

 クリスマスの季節を迎え、洋菓子店にはおいしそうなケーキが並ぶ。トッピングはさまざまだが、中でも「王様」はイチゴだ

 ▼名護市宮里の洋菓子店「おかしの直売店 kiiro」がクリスマス向けのケーキに、宜野座村産のイチゴを使った商品を開発した。名護パイン園グループを運営する日南物産の仲村隆さんが手を組むのは24歳の若者
 ▼生産農家の赤嶺響さんと比嘉太志さんは、宜野座高校の同級生だ。建設会社に勤務していた赤嶺さんが4年前に村農業後継者育成センターに飛び込み、夢だった独立を果たした。農業に興味があった比嘉さんと二人三脚でイチゴ作りに励む
 ▼宜野座村は2003年から九州沖縄農業研究センターの指導協力の下、生産者を育成。現在、宜野座いちご生産組合には12農園が加盟している。毎年1~2月のイチゴ刈りが好調で来場者は2万人を超える
 ▼「県産のおいしいイチゴをスイーツ好きの人にも届けたい」とkiiroの仲村さん。県内の洋菓子店と第1次産業を担う若者のパイプが販路を開拓しそうだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年12月21日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:沖縄公庫、存続へ 自立経済確立まで必要だ/12.20

2021-12-21 05:04:45 | 【金融・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説】:沖縄公庫、存続へ 自立経済確立まで必要だ/12.20

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:沖縄公庫、存続へ 自立経済確立まで必要だ/12.20 

 沖縄振興開発金融公庫(沖縄公庫)について、政府は2022年度以降も存続する方針を固めた。沖縄公庫は沖縄振興を金融面から支える政策金融機関である。継続するとした政府の判断を評価したい。

 1972年の沖縄施政権返還から半世紀たつが、沖縄経済は自立したと言い難い。自立経済の確立へ向け、沖縄公庫の存在は不可欠である。

 沖縄振興特別措置法(沖振法)と同様に、沖縄公庫の設置根拠となる法令の期限も5年か10年か不透明だ。だが、少なくとも存続が決まったこの5~10年の期間に、自立経済への道筋を付けるべく沖縄公庫の役割、意義を県、国、民間で改めて議論すべきだ。

 沖縄公庫は沖縄振興政策の下、リゾート開発、情報通信産業、国際物流機能の振興など金融面で政策実現を支えてきた。近年はコロナ禍で資金繰りに窮する事業者への融資などセーフティーネットとしての役割も重要性が増す。

 2019年度末の沖縄公庫の融資残高は8641億円あり、県内民間金融機関を含めた総融資額の15%を占める。

 民間の融資を補完するだけでなく、ハイリスクの分野、社会基盤整備にも融資している点が特徴に挙げられる。

 ハイリスクとはまだ産業として確立していない起業者、創業者への融資を含む。将来性の見極めなど民間金融機関としても二の足を踏む分野だが、沖縄公庫を含めた協調融資によって金融機関もリスクを分散でき、企業も事業の本格化へ道筋を付けられる。

 最近でも琉球銀行と協調した創薬ベンチャーへの融資、生分解性プラスチック開発企業への融資があった。

 こうした次代を担う沖縄発ベンチャーをいかに育てられるかが沖縄の自立経済確立を左右するであろう。

 沖振法の延長が決まったのは、沖縄振興が道半ばということも示している。当然、沖縄経済も自立へ向けて、今後ますます沖縄発の創業・起業が活発になるだろう。民間では支えきれない資金需要を賄う政策金融機関として、沖縄公庫の存在はより重要だ。

 同時に沖縄公庫本来の役割である長期的な振興も忘れてはならない。

 玉城デニー知事は今年2月の県政運営方針で在沖米軍基地に関し「在日米軍専用施設面積の50%以下を目指す」と表明した。

 実現可能性はともかく、将来的に大規模な米軍基地返還があった場合、開発費、基地従業員の雇用保障など巨額の返還関連費用が求められる。

 10年以上の長期計画が必要であれば、沖縄振興の「車の両輪」である沖縄公庫が先導的役割を担わねばならない。

 コロナ禍で露呈したのは外的要因に左右される観光産業の脆弱(ぜいじゃく)さだ。そうした県内経済のセーフティーネットに加え、民間が難しいハイリスク分野への融資、長期的な沖縄振興への関与といった沖縄公庫の役割を問い直したい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年12月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:足された2文字と消された声

2021-12-21 05:04:40 | 【中央省庁・内閣府・1府11省2庁・主任の大臣・事務次官・官房・審議官・国...

【金口木舌】:足された2文字と消された声

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:足された2文字と消された声

 今年生まれた赤ちゃんの名前のランキング1位は男の子が蓮。女の子が紬だった。新型コロナウイルスの感染拡大で「つながり」を連想させる名前が人気になったと集計した明治安田生命保険は分析している

 ▼名付けは難しい。どんな人になってほしいかという思い、音の響き、漢字の意味や画数を調べて考えたいくつかの候補から一つに決める
 ▼政府は当初、「こども庁」としていた子ども政策の新組織の名称を「子ども家庭庁」に変更した。親への支援を強調するために「家庭」の2文字を入れた
 ▼虐待や貧困など子どもを取り巻く問題の解決には家庭への支援も必要だ。気になるのは「家族の絆」を重視する自民党保守派意見をくんだという部分。「私にとって家庭は地獄だった」。当初案の「こども庁」は虐待サバイバーの声を聞き「家庭」が抜かれたという経緯がある
 ▼家庭に恵まれない子もいる。「家族の絆」の強調や、「親なら当然」という考えに苦しめられる親もいる。最も支援が必要な人たちの声を消す政治であってはならない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年12月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:新種株県内初確認 政府の責任で封じ込めを/12.19

2021-12-21 05:04:35 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:新種株県内初確認 政府の責任で封じ込めを/12.19

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:新種株県内初確認 政府の責任で封じ込めを/12.19 

 米軍キャンプハンセンに勤務するうるま市の男性ら3人が新型コロナウイルスの新種株「オミクロン株」に感染したことが判明した。この株の感染確認は県内で初めてだ。県は基地内でオミクロン株の市中感染が広がっている可能性があるとみている。

 問題なのは米軍の対応だ。今月初旬に米国から来沖した米海兵隊員99人のクラスター(感染者集団)が確認されているが、米軍はオミクロン株かどうかを検査するよう県が要請したところ、個人情報保護を理由に拒否した。

 背景には、米軍関係者は日本側の検疫を免除されているとする日米地位協定がある。これでは米軍からの感染を防げない。米軍からの感染を封じ込める対策は、基地を提供している日本政府の責務だ。米軍がこのまま非協力的な態度を取るのなら、政府は基地封鎖を求めるべきだ。米軍関係者への検疫を義務付けるために日米地位協定の改定は必須である。

 感染経路を巡っては、これまでも米軍は脅威となってきた。昨年7月上旬には、米軍普天間飛行場とハンセンで5日間にわたり米軍関係者計61人の感染が判明した。県内ではそれまで約2カ月間、感染が確認されていなかっただけに、衝撃が走った。

 同年11月30日には、普天間飛行場とハンセンの米軍関係者計72人の感染が確認された。いずれも国外から在沖米軍基地に移動してきた米兵らで、県に報告される1日当たりの感染者数としては最多だった。

 再び米軍基地由来である可能性が高い新種株感染者が確認されたことにより、米軍基地が水際対策の穴となっていることが浮き彫りとなった。

 対策を徹底したい県に対し非協力的な米軍の態度は言語道断だ。米軍基地内で起きたクラスターがオミクロン株かどうかを調べることについて米軍は「必要があれば」とし、解析する場合でも、米本国に送るとしている。判明には数週間以上かかるという。以前、基地内でデルタ株が確認され始めたころにも県は同様の提案をしたが、米軍は拒否した。

 県は今回、ハンセン関係者への外出禁止を要請したところ、米軍からは、隔離してちゃんと管理しているという回答があったという。しかし本紙の取材では、ハンセン近くの繁華街でマスクをしない米兵が歩く姿が確認された。

 米軍の対応はずさんと言うほかない。県民の命と健康を軽視している。これでは、県民が必死に努力して感染を防いでも米軍が非協力的である限り、いつでも基地から感染が広がる脅威は消えない。

 日米地位協定を変えない限り、日本側の検疫体制を米軍関係者に適用できない。入国拒否もできない。しかし日本政府には県民の命と健康を守る責任がある。その責任を全うするには、米軍側に日本の検疫を適用する以外に方法はない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年12月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:宇宙から見える景色

2021-12-21 05:04:30 | 【経済・産業・企業・IT・ベンチャー・起業・インバウンド(訪日外国人客)事業】

【金口木舌】:宇宙から見える景色

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:宇宙から見える景色

 沖縄本島の南端から北端まで直線距離で約100キロ。空に向かって同じ距離を進めば、そこは宇宙と呼ばれる場所。人類は昔から星空を見上げ宇宙に憧れを抱いてきた

 ▼月を目指して始まったアポロ計画が終了したのは1972年12月19日。69年の人類初を含め6回の月面着陸に成功した。10年以上、試行錯誤を繰り返し、技術を磨きながら宇宙進出の足がかりをつくった
 ▼今や民間人も宇宙に旅立つ時代。実業家の前沢友作さんは国際宇宙ステーションに滞在し、SNSで情報を発信する。米宇宙企業スペースXは9月に民間人だけの地球周回旅行を成功させた
 ▼宮古島市の下地島空港を宇宙旅行の拠点として活用する計画も進む。2025年にも旅客を宇宙に送る予定だ。宮古島から気軽に宇宙へ。そんな未来に期待が膨らむ
 ▼宇宙から地球を眺めると美しさに感動するという。しかし足元では森林伐採や海洋汚染など自然が破壊される。宇宙に目を向け技術を高めることは重要だ。同時に、地球を守り未来に残す取り組みも忘れてはいけない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年12月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:安倍氏の台湾有事発言 無責任な言動はやめよ/12.18

2021-12-21 05:04:25 | 【中国・共産党・香港・台湾・一帯一路、「国家の安全」、個人の権利を抑圧する統治】

【社説】:安倍氏の台湾有事発言 無責任な言動はやめよ/12.18

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:安倍氏の台湾有事発言 無責任な言動はやめよ/12.18 

 安倍晋三元首相が「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」と発言し、国際的な波紋を広げている。台湾と隣接し、広大な米軍基地があり、自衛隊基地が増強されている沖縄が戦場になることを想定するものであり、軍事力で他国を威嚇するあおり行為だ。沖縄県民として、このような危険極まりない無責任な言動は断じて受け入れられない。

 安倍氏は1日、台湾のシンクタンクから招かれたオンラインの講演でこの発言をした。中国政府は直ちに猛反発したが、安倍氏は3日のインターネット番組で「はっきり考えを言うことが、衝突を防ぐことにつながる。これからも言うべきことは言う」と開き直った。

 13日には、BS番組で「米艦に攻撃があった時には、集団的自衛権の行使もできる存立危機事態になる可能性がある」「ここで何か有事があれば、重要影響事態になるのは間違いない」と安全保障関連法に関連させて発言した。

 同法は、放置すれば日本の安全に影響を与えると見なされる場合を「重要影響事態」と認定し、密接な関係にある他国が攻撃を受け日本の存立が脅かされる場合を「存立危機事態」とし、自衛隊が米軍に補給や防護などを行うとされている。いずれも定義があいまいで、危うさは免れない。

 今年7月にも、麻生太郎副総理兼財務相(当時)が「台湾で大きな問題が起きれば、存立危機事態に関係すると言ってもおかしくない。日米で台湾を防衛しなければならない」「次は沖縄。そういうことを真剣に考えないといけない」と同趣旨の見解を示した。当然ながら、県内から厳しい批判の声が上がった。

 今年4月、政府が台湾海峡有事が発生した際の自衛隊に関わる法運用を本格的に検討し始めたと報じられた。米中対立の激化や中国軍の海洋進出、中国国内の人権問題などを背景に、きな臭さが増している。だからこそ、軍事的衝突など起きないよう外交努力を尽くすことが、政治家が今なすべきことではないか。

 集団的自衛権行使に道を開く安全保障関連法は憲法違反の法律である。2015年に、各界各層から巻き起こった厳しい批判、反対の声を無視して、強行採決を重ねた末に成立した。安倍氏は首相としてこの法律を成立させた張本人だ。

 戦争準備の法律を作り、軍備を増強し、「敵国」を定めて威嚇、挑発を繰り返した先に何があるのかを、私たちは歴史の教訓として知っている。安倍氏の言動は、マッチポンプで戦争に突き進んでいるようにしか見えない。

 台湾を論じる時に忘れてはならないことがある。台湾の未来を決めるのは台湾の人々自身であるということだ。他国が介入して戦火を招くようなことがあってはならない。台湾も沖縄も絶対に戦場にしてはならない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年12月18日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:アートとジェンダー

2021-12-21 05:04:20 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・被差別部落・ハンセン病患者・強制隔離】

【金口木舌】:アートとジェンダー

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:アートとジェンダー

 県内美術界の重鎮、画家の中島イソ子さんは、コロナ禍でも年1回の展示会を続け、今月上旬に那覇市で2人展を開いた。80歳を超え創作意欲は尽きない

 ▼後進の女性に「表現を続けてほしい」と熱望しているからだ。現在、沖縄女流美術家協会の会長。協会は1977年に結成され、グループ展は称賛も中傷も受けた。男性から「模合の集まりか」と揶揄されたことも。今なお女性差別は残っているという
 ▼差別の根っこは教育の場にある。美術系大学で学生の7割を女性が占める一方で、教員の8割は男性と、男女比に偏りがあることが分かった。「表現の現場調査団」が公表した
 ▼調査に協力した評論家の荻上チキさんは、指導・評価する側に男性が多いとして、ハラスメントの温床になっていると分析。女性が評価されにくい構造があり(教育の場から)「振り落とされる」と指摘する
 ▼美大卒業後の女性は表現活動の出発点で不利になりやすい。結果、表現の多様性が失われることにならないだろうか。作品を鑑賞する側にとっても損失は大きい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年12月18日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:新沖振法5年期限案 長期計画の根拠が揺らぐ/12.17

2021-12-21 05:04:17 | 【終戦・敗戦・第二次世界大戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・原水爆禁止

【社説】:新沖振法5年期限案 長期計画の根拠が揺らぐ/12.17

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:新沖振法5年期限案 長期計画の根拠が揺らぐ/12.17 

 2022年度からの新たな沖縄振興の根拠法となる新法について、自民党の沖縄振興調査会が適用期限を従来の10年から5年に短縮する案の議論を始めた。沖縄の目指す姿を10年単位で定めてきた沖縄振興計画の整備や内容にも影響するだけに、拙速な議論は避けなければならない。

 5年刻みとなれば、制度がいつまで続くのか見通しづらいなど自治体や企業にとって制度の使い勝手が悪くなり、基地返還跡地の利活用など長期を要する計画を後押しする効果も揺らいでしまう。辺野古新基地建設を巡って国と対立する玉城デニー県政に対する「揺さぶり」で期間の短縮が持ち上がっているとすれば、なおさら言語道断だ。
 10年単位の沖縄振興計画の根拠法として、法律の適用期間も10年であるべきだ。

 これまで10年の時限立法として定めてきた沖縄振興特別措置法(沖振法)は、企業誘致に必要な各種の特別措置を規定するほか、県と市町村が使途を比較的自由に決められる沖縄振興交付金(一括交付金)、公共工事の国庫補助率をかさ上げした高率補助など、「沖縄の自立的発展」に資する制度を盛り込む。

 何より、首相が沖縄振興基本方針を策定すると規定していることが根幹だ。この基本方針に基づいて県が沖縄振興計画を策定することとし、振興計画の円滑な実施に対し国が「必要な援助を行うように努める」と明示する。

 沖振法にのっとり、内閣に沖縄担当相を置き、内閣府への沖縄担当部局の設置、各省庁にまたがる沖縄関係予算を内閣府がまとめて予算付けする一括計上制度、現地で事業を執行する沖縄総合事務局の運営などを展開してきた。

 沖振法が失効すれば、国の責務で実施するこれらの沖縄振興体制も前提を失うこととなる。自民党内では法律を5年に見直す理由として、政策効果をその都度検証していけるなどとしているが、国の責務による沖縄振興をどう考えるのかは見えてこない。

 法律期間の短縮に伴って延長要請などの頻度が増えて国への従属性が強まれば、沖縄振興の目標である自立的発展を遠のかせて本末転倒だ。

 むしろ政府与党内には、振興は基地の受け入れに対する見返りだとする「リンク論」を唱える声が消えず、期間短縮を通じて国の関与を強めようとする意図も見え隠れする。沖縄振興を取引の材料に用いることは許されない。

 一方で、復帰から半世紀がたつ中で沖縄側も、いつか来る沖縄振興体制の出口を見据えた備えが必要だろう。復帰40年の際には、沖縄総合事務局が担う事務や権限、財源の移譲を沖縄県で受けるという提起もあったが、その後、議論は低調になっている。

 自治の能力を高め、自己決定の枠を広げる。中央の意向に沖縄の自治が左右されないよう、自立の道筋を自ら構想し続けなければならない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年12月17日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【金口木舌】:苦境に立つ子どもたち

2021-12-21 05:04:14 | 【ボランティア(無償で自発的に社会活動に参加したり、技術や知識を提供する。...

【金口木舌】:苦境に立つ子どもたち

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:苦境に立つ子どもたち 

 新品の制服や体操着を抱え、笑顔を見せる子どもたち。沖縄市の認定NPO法人アジアチャイルドサポートがネパールの小学校で制服や靴などを配った

 ▼小学校は首都カトマンズから車で3時間ほどの農村にあり、以前から給食を支援していた。貧困のため通学できなかった児童らが支援を機に学校に戻っているという
 ▼同NPOはアジア各地で学校や井戸の建設などに取り組む。政情不安のミャンマーでも支援の継続を模索する。宮國直樹課長は「現地の子どもたちの笑顔に救われている」と語る。活動を支えるのは沖縄をはじめ全国の支援者からの寄付だ
 ▼タリバンが政権を掌握したアフガニスタンで子ども100万人が重度の栄養失調で死の危機に直面している。国連児童基金は「世界最悪の人道危機」と警鐘を鳴らす
 ▼ファッション誌「VOGUE(ヴォーグ)」電子版は「支援する4つの方法」という記事で人道支援団体などを挙げている。貧困や政情不安で苦境に立つ人々が各地にいる。多くの人が関心を寄せ、支援を模索することを願う。


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【社説】:辺野古抗告控訴審判決 妥当性判断せず役割放棄/12.16

2021-12-21 05:04:11 | 【日米安保・地位協定・在日米軍・在沖米軍・オスプレー・普天間移設、米兵の犯罪】

【社説】:辺野古抗告控訴審判決 妥当性判断せず役割放棄/12.16

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:辺野古抗告控訴審判決 妥当性判断せず役割放棄/12.16 

 国が国民になりすまして県の判断を覆す手法は、地方自治を脅かす。司法が果たすべき役割を放棄したと言わざるを得ない。

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、県の埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決の妥当性が争われた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部は、県に原告の資格はないとして訴えを棄却した一審那覇地裁判決を支持し、裁決取り消しを求めた県の控訴を棄却した。

 国交相の裁決の妥当性に対する判断も示さず、一審同様、県の訴えを入り口で退けた。

 事の発端は、国による「不都合な事実」の隠蔽(いんぺい)にある。埋め立て予定区域の大浦湾側に「マヨネーズ」のような軟弱地盤が存在することを早期に把握しながら公にしなかった。県は埋め立て承認後に軟弱地盤の存在が発覚したため、承認を撤回したのである。県民を愚弄した国に対する当然の措置である。

 これに対し、沖縄防衛局は本来は国民の権利救済のための行政不服審査制度を使って国交相に審査請求を申し立てた。一審判決は、実質的な審理に入らないまま、県の訴えを退けた。よりどころにしたのは、兵庫県宝塚市のパチンコ条例をめぐる2002年の最高裁判例だ。自治体が条例や規則に従わせるために訴訟は起こせないとしている。しかしこの判例は多くの行政法学者から批判され、見直しを求められている。一審は、この判例を踏襲したのである。

 県は行政事件訴訟法に基づき提訴し、自治権が侵害されたなどと主張した。高裁支部は、一審が踏襲した批判の多い「宝塚裁判」の判例は使わず、さまざまな法令を照合。沖縄県知事は公権力を行使する行政庁、国の機関である沖縄防衛局は私人の関係にあるとして県に原告の資格を認めなかった。理解に苦しむ。

 なぜ司法はかたくなに国策の判断を避けるのか。これは沖縄だけの問題ではない。全国の自治体にとっても、国策に従わない行為は、司法が門戸を閉ざすことにつながらないか危惧する。

 一方、司法が矜持(きょうじ)を見せた判決もある。ふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を除外した総務省の決定を巡る裁判で、最高裁は昨年、国勝訴とした大阪高裁判決を破棄し、総務省の決定を違法として取り消した。国の方針に従わない自治体に対し、新たな法制度を作り、施行前にさかのぼって責を負わせることが許されるのかが焦点になった。最高裁は国の「後出しじゃんけん」を認めなかった。

 しかし、この矜持は今回の判決で示されなかった。県の承認撤回は県民の利益を守るため、自治体としての当然の行為である。ところが司法は、県の撤回の妥当性や国交相裁決の適法性の判断を避け続けている。県の主張と向き合わないのなら、何のための司法なのか。存在意義そのものが問われているといえよう。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年12月16日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:連携力高めよう

2021-12-21 05:04:08 | 【大学「国公立・私学・大学院・医学系・工学部系」、大学ファンド=優秀な研究成果】

【金口木舌】:連携力高めよう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:連携力高めよう

 スポーツで、格上のチームを打ち破る「ジャイアントキリング」は強烈な印象を残す。2004年のサッカー欧州選手権で強豪国を破り優勝したギリシャは、徹底した規律と献身と連携が選手能力の総和以上のチーム力を発揮すると証明した

 ▼高レベルの団体競技では、チーム全体が一つの意思を持つかのように連動する。刻々と状況が変わる中で、互いの理想とするプレーが一致する様に感嘆する
 ▼その、あうんの呼吸の謎が解き明かされるかもしれない。琉球フットボールクラブと沖縄科学技術大学院大学が、選手の連携力を高める方法を科学的に解明する
 ▼可視化できなかった同期性を高める方法が明らかになれば、スポーツはより進化する。未来を変えうる研究が沖縄で進むと思うと、楽しみで仕方ない
 ▼コンマ1秒で勝負が決まるアスリートには及ばずとも、家庭や職場、学校など多くの場面で協力と連携は必要になる。まずは互いを理解することが最重要。感染症で距離を取らざるを得ない年末だが、コミュニケーションだけは密にしたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2021年12月16日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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