路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《24色のペン・01.07》:石破政権が歩み始める「いばらの道」=飼手勇介

2025-01-07 06:00:05 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

《24色のペン・01.07》:石破政権が歩み始める「いばらの道」=飼手勇介

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《24色のペン・01.07》:石破政権が歩み始める「いばらの道」=飼手勇介

 「石破政権は意外と続いていくのかもね」。昨年の臨時国会を乗り越えたこともあり、永田町で取材をしていると政権の行く末を楽観する声も耳にする。確かに報道各社の世論調査の内閣支持率は横ばいか微減が多く、30~40%を維持している。背景には、所得税がかかり始める「103万円の壁」を123万円まで引き上げるなど、少数与党として野党の意見に耳を傾け「国民生活を豊かにしてくれる政権」という期待値があるようにも見える。

2024年度補正予算案が可決された衆院本会議終了後、各党へのあいさつ回りで国会内を歩く石破茂首相(中央)=2024年12月12日午後6時、平田明浩撮影

2024年度補正予算案が可決された衆院本会議終了後、各党へのあいさつ回りで国会内を歩く石破茂首相(中央)=2024年12月12日午後6時、平田明浩撮影

 だが、その雰囲気は1月24日にも召集される通常国会で一変する可能性がある。参院選を7月に控え、与野党対決の度合いが一気に高まることが想定されるためだ。

 昨年の臨時国会で石破政権は、「壁」の引き上げや政治改革で譲歩を繰り返しながら、かろうじて野党の協力を取り付けて、補正予算や政治改革関連法を成立させた。

 一方、その過程では、立憲民主党が「本丸」と位置づける企業・団体献金の禁止法案について3月末までに結論を出すことで与野党が合意。立憲からすれば、2025年度当初予算の成立の条件として、企業・団体献金の禁止で自民党に譲歩を迫る「カード」を手にしたことを意味する。

 さらに、旧安倍派の元会計責任者に対する参考人招致や「壁」のさらなる引き上げなど、与野党の「譲れない一線」が明確になった。野党からすれば昨年の臨時国会は、通常国会に向けた「弾込め期間」だったともいえる。

 野党の協力がなければ、予算案も法案も成立させられない石破政権。さらに内閣不信任決議案の可決で野党が一致すれば、内閣総辞職か衆院解散の選択に追い込まれる。

 通常国会前半戦の最大の関門は、当初予算を成立させられるかだ。野党の協力が得られるかがカギを握る。ただ、国民民主党との「壁」の引き上げ交渉を担っている自民の宮沢洋一税調会長は「暫定予算を組むしかないだろう」と周囲に漏らしている。

 暫定予算とは、3月末までに予算を成立させられない場合に備え、4月以降の政府運営に必要な経費を盛り込んだ一時的な予算のことだ。編成すれば2015年以来、10年ぶりとなる。

 つまり宮沢氏は、国民民主との「壁」引き上げ交渉が難航すると予測しているのだ。その結果、衆院の予算通過は遅れ、3月末までには当初予算は成立しないと見ている。

 予算成立は政権継続の必須条件。追い込まれた石破政権は企業・団体献金の禁止や「壁」引き上げで、大幅な譲歩を余儀なくされるリスクをはらむ。

 どの野党とも連携が取れずにいると、数カ月分にも及ぶ暫定予算を組む可能性も出てくる。一方で、衆院で予算委員長ポストを握るのは立憲だ。予算成立を一定の大義名分もなく遅延させた場合、批判は立憲に向かいかねない。与党と立憲の「チキンレース」(自民閣僚経験者)が始まることになる。

 自民が更なる「壁」の引き上げに慎重なのは、必要となる恒久財源にメドが立っていないためだ。党内からは、大幅引き上げを強行すれば財務省が「石破政権打倒」に動くと警戒する声が上がる。自民中堅は「財務省からすれば『政権の継続のために、いったいいくら将来世代に借金のつけ回しをするのか』ということだ」と語る。

 故安倍晋三元首相も財務省を警戒した。「彼らは、自分たちの意向に従わない政権を平気で倒しに来ますから」(安倍晋三回顧録)と記したほどだ。

 財務省は…

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